あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十四楽章 2度目の中日吹

準備完了

「これで楽器運搬OKと。
部長！これで全部終わった！」

時田先輩が杉山先輩に大きな声で伝える。

「オッケー」

「こっちも全部詰めました。」

大海たちサブメンバーも楽器の確認をした。

「では、トラックの方に挨拶！！
よろしくお願いします！！」

「わかりました。責任を持って運ばせていただきます。」

そしてトラックの運転手さんはそのまま運転席に乗り込みトラックを走らせ行ってしまった。

「では全員バスに乗っていきましょう。
忘れ物だけはしないように。」

「はい！」

栗本先生がみんなをバスに乗らせようと指示する。
そして部員は全員バスの方へ移動し雨宮は座席に座った。

「ふー、、。ん？」

「先輩隣いいですか？」

すると隣に座っていいかと聞いてきたのは森咲麗。
パーカッションの一年生だ。
確かシンバルとグロッケン担当だったな。

「いいよ。どうぞ。」

「じゃあ失礼します。」

そういえばいつも挨拶はしてくれるがパートが違うためあまり喋ったことなかったな。

「あ、、森咲さんは。」

「森咲でいいですよ？呼び捨てで。」

「そう？まぁ慣れたら、、。
森咲さんは中学吹部だったんだよね。」

「はい！覚えてくれてたんですね。
そうです！ずっとパーカッションですけど。
雨宮先輩は、、、ずっとホルンですよね？」

「え？あーうん。わかる？」

「はい。先輩ホルンって感じしますもん。」

「ホルン、、って感じかぁ、、。
なんかよく言われるんだよね。」

「そうなんですね！
じゃあ好きなんですね。」

「うーんまぁね。森咲さんはなんでパーカッション？北浜に？」

「うーん、、まぁ学力的にここかなって思って、、、。もうちょっと勉強ができればよかったんですけど、、。」

「あはは、、。」

「この前の定期演奏会あったじゃないですか？」

「お、見にきてくれたんだ。」

「はい。もうその時点では行くのは決まっていたんですけど見て思ったんです。
先輩たちってみんな自分たち同じ方向を向いてるって感じがして。
私も同じ方向見たいなって。」

「同じ方向、、。」

「はい。だから私も何かここに入ればもっと楽しいんじゃないかなって思って、、。」

「なるほどね、、。」

「だから今日は一歩目ですね。
私にとっての北浜吹奏楽部の。」

「、、！いいね！」

「バス出発します！！」

「はーい！！」

こうして森咲さんと話をしながら吹奏楽部を乗せた部員は速すぎず遅すぎず会場に向かっていくのだった。