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第十一楽章 目指した先には

37人の演奏①

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チューニングBbをゆっくりと音出す。

控え室ではそれぞれ音を確認していた。
雨宮は少し目を閉じ集中する。
体は疲れはない。
あのあとよく眠れたので体調もいい。

「雨宮。少しいい?」

「え?あ、、はい!」

すると声をかけられ振り向くと栗本先生が
雨宮の顔を見ていた。

「今日は楽しんで。」

「あ、はい!」

「雨宮。自分の役割は何かな?」

「、、、、自分はみんなを支えることです。でも支えるだけではなく引っ張るのが自分の仕事だと思ってます。」

「じゃあ見してもらうよお前の演奏。」

「はい!あ、先生。
俺の演奏じゃなく北浜全員です。」

「お!、、、そうだね。あと5分で始めるから。」

「はい。」

栗本先生は雨宮に言われびっくりした顔をしていた。だがそれと同時に少し嬉しそうな顔をした。

緊張、、してしてないと言えば嘘になるが程よい緊張感がある。
だけど気持ちはふわふわしてない、
落ち着いてる。

周りの先輩たちもリラックスしているようだ。以前はめちゃくちゃ焦って多様に感じるが。

「ん?雨宮、チューナー使うか?」

「あ、大丈夫です。ありがとうございます。有村先輩。」

「お、そうか。
まぁ、、さっき篠宮に怒られたから。
篠宮のこと任せたぞ!」

有村先輩もいつもと同じ感じだ。
部活の時と同じ様子。

「まぁ、、俺しかいないですから
篠宮先輩のことを見れる人。」

「はは。頼んだぞ。」

有村先輩はトランペットパートのところへ
戻っていく。
あの人がいなかったらこのチームはまとまっていなかっただろうな、、。

「ん?どうした?」

すると篠宮先輩は雨宮を見て言う。

「いや、なんでもないです。」

「ニヤニヤして。気持ち悪い。」

「俺は最後まで扱いが酷いっすね。」







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