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第十一楽章 目指した先には

篠宮先輩の家④

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「、、でも篠宮先輩って中学は部活経験なし。それで高校から。
、、、じゃあほぼ独学ってことになりますよね。」

「私、センスあるから。」

「あ、そうですか。」

この自信過剰は変わらない。
篠宮先輩の人格や自信のあるところや大人なところは今までの生い立ちが関係してるのだろう。

自分は多分こうなれない。

「まぁ妹と弟が大丈夫だからと言っても
なるべく近くで吹奏楽部のある学校に通いたかったのが条件だった。」

「、、、そうだったんですね。」

「私、、、プロになりたいの。」

「え?」

「でも音楽で食べてくのって大変じゃん。
音大だってお金かかるし栗本先生みたいなのは限られた数の人間。
でも私は無理。
私頭いいからさ音楽で食ってくのは諦めたの。ちゃんとした安定した仕事に就く。
だから部活なんてやってる場合じゃない。
ごめんね。もう部活にはいけない。」

「、、、、。なんすかそれ。」

「え?」

「受験勉強に専念したいから
部活をやらない?
ふざけんな!!確かに篠宮先輩の家は普通の家庭とは違うと思いますよ。
それだったら部活なんて入らなければよかったじゃないですか!」

「な、、それ何よ。」

「勉強に専念したかったら部活なんて入らない。けど篠宮先輩は部活に入った。
それはやりたかったからでしょ!!
やりたいこと我慢していいんですか?
全国まで1ヶ月。人生でたった一回しかないんですよ?いいんですか?」

「、、、別に大会なんて。」

「高校生の大会は人生で一回しかないんですよ!篠宮先輩は3年間やめれるタイミングは何回だってあったはずです。
それでもやめなかったのは大好きだったからでしょ。
、、、この北浜高校の吹奏楽部が。」

「、、!」

「篠宮先輩のお母さんや妹さんや弟くんがやめろなんて言いました?」

「、、、言ってない。」

「じゃあ篠宮先輩、ホルン好きじゃん。
吹奏楽部が大好きなんでしょ。
いつも知ってますよ。先輩が朝早くきて
朝練してるの。
それは本当にホルンが好きな人じゃないとできないでしょ。」

「、、、はぁ。そうだね。
そうか私、好きだったね。ずーと。
てか雨宮くんのそんな大きな声初めて聞いた。
ぷ、、。くくく、、、。」

「何笑ってるんですか!!」

「ごめんごめん。
ねぇ、、ちょっと外行かない?」

「え?あ、、はい。」

篠宮先輩と雨宮は立ち上がり
廊下へ向かい外へ出た。

すると篠宮先輩の妹の真昼と弟の優が盗み聞きしてたのか少し泣いていた。
弟の優は雨宮にぺこりとお辞儀をした。
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