あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第九楽章 ドタバタの文化祭

行くわ

「なぁ雨宮の吹奏楽部って強いんだな。」

「ん、別に名門ってわけじゃないよ。」

竹下康平が聞いてくる。
最近はよく家庭科室にいることが多い。
まぁ若菜と日比谷の4人でいることが多いから当然なんだけど。

話す内容は特に深いことは話さないけど
今日の授業とか腹減ったとかそんな内容がない話だ。

「あのさ、文化祭コンサート何時からやんの？」

「え？あー午後1時かな。」

「へー。面白い？」

「うーん。どうだろう。」

「行くわ。」

「いや、やめて、来ないでください。」

「なんでそんなに嫌そうなんだよ。」

「やだ。来るな。」

「、、、。いいじゃねぇか。だって雨宮、
最近楽しそうじゃねぇか。吹奏楽部ってそんなに楽しいのか？」

「楽しい、、、かぁ。うーんどうだろう。
練習はしんどいし部員は変な奴多いし、
先輩はよくわからんし。」

「、、、。それ面白いのか？」

「でも、楽しいのは一瞬で終わるんだよなぁ。」

「え？」

「しんどい練習はものすごいやるし楽器を始めた時は音出ないし楽しくないし毎日やめたかった。
、、、、、でもコンクールでいい結果が出たとき本当に嬉しかった。
そのとき俺はこの日のために練習してきたんだなぁって思った。」

「いいなぁ、、それ。」

「もちろん悪い結果のときはもっとやめたくなるんだけど、、。」

「あははは、、、。
さらに見に行きたくなった。絶対行くから。」

「おい、やめろ。」

「ねぇなんとの話してるの？」

同じ裁縫担当の日比谷と料理担当の宮本が話しかけてきた。

「あー、雨宮の、、」

文化祭まであと少し。