上 下
369 / 600
第十一楽章 目指した先には

1st

しおりを挟む
入部してしばらくの頃。
雨宮は篠宮先輩と練習していた。

「まだまだだなぁ。」

「、、、この練習キツくないですか?」

「ただのロングトーンだよ。」

「いやいや、、、。」

ちらっと時計を見る。
もうロングトーンだけで1時間経過している。

「、、、あの篠宮先輩。もう曲練行きたいんですけど。」

「ダメ。私が納得するまでの水準に行くまで曲練には行かせません!」

「、、、。はい。」

くそ、絶対見返してやる。

そんなことを思い出し雨宮はホルンを楽器ケースから出す。
全国まであと少し。
北浜が金賞になるにはどうしたらいいだろう。
やれることをやる。
あのミーティングでみんな変わった。

先輩たちも一年もみんな部活に集中するようになった。

「あ、雨宮。ちょっといいかな?」

「はい。」

すると頭を上げると栗本先生が立っていた。
譜面を雨宮に渡す。
それは星の旅の1stの譜面だ。

「星の旅の1stの譜面も練習しといてください。」

「あ、、はい!!!」

それは篠宮先輩のホルン1stの譜面。
戻ってこないと想定しての決断だろう。

「、、、。あの、、栗本先生。」

「ん?どうした?」

「あの、、最後までよろしくお願いします。」

「!!、、おお。こちらこそ。じゃあまた。」

「はい、、。」

栗本先生はすぐに雨宮の元を離れ指揮台のところに座り楽譜を見直す。
栗本先生も必死のようだ。

「、、、、。全国。」

ぎゅっと譜面の紙を潰さないように
握りしめる。

「すぐだな。全国まで。」




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

秘密のキス

廣瀬純一
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

the She

ハヤミ
青春
思い付きの鋏と女の子たちです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【実話】友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
青春
とあるオッサンの青春実話です

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

処理中です...