あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第六楽章 北浜高校の夏合宿

お疲れ様

「まぁ、そのアレだ。全日吹までの5日間の合宿｡これまで沢山のことあったけども、、、」

「すみません！！もっとソロしっかり技術上げます。すみません。」

するとなんと小林は席をたち頭を下げた。

「ん？え？」

「いやぁ｡小林君は悪くないよ。俺ももっと低音がさのチューバなのに吹けなかった｡」

チューバの斉藤先輩は小林を宥めた｡

「いやいや俺も良くなかったし。」

部長の中畑先輩も言い出した。

すると先輩たちみんな謝った｡

「ぷっ、あははは。まぁわかってるならそれでいい。お前たちはめちゃくちゃ良くなった。そしてこうやって先輩後輩関係なくすぐ意見を言い合えるようになった。そして全員の意識が上がった。
帰ったらすぐ県大会だ。全員、最後まで気を抜くんじゃねぇぞ。」

「はい！」

全員それぞれ楽器の整備を始める。

「あの、名瀬先輩、斉藤先輩｡
もう一回低音でラスト合わせませんか？」

「おっ！松山｡いいぞ。」

松山は低音メンバーを集めて練習を始めた。

「大海なんか嬉しそうじゃない？
ねぇ私たちもやろ！」

「おう。そうだな。」

「私、先輩集めてくる。」

優実は急足で先輩たちに声をかけに行った。

「なんか優実も変わったな。」

雨宮はちょっとだけニヤッとしてしまう。
それは自分のことではないのに嬉しく感じるのはなんだろうか。

「なに、ニヤッとしてんの。」

「うげ、若菜と小林。」

「ちょっとソロ、見て欲しいんだけど。」

「あ、俺も。雨宮君見てよ。」

「へいへい。」

あれ、なんか忘れてるような。

「おーい。早くある程度片付けろよ｡
肝心なバーベキューなんだけど｡
でもまぁなんかいい感じだな。」

部長の中畑は全員に呼びかけようと思ったが
その場をじっと見つめていた。