156 / 627
第六楽章 北浜高校の夏合宿
それぞれの思い②
しおりを挟む
「あー食い過ぎた。」と谷川先輩。
「もう食えねぇ。」と日明先輩。
北浜高校吹奏楽部は夕食後、
その広場に集まっていた。
「スイカ分けるよー。」
「よし、食うぞ」と谷川先輩と日明先輩はすぐさま部長のところに向かっていった。
「別腹か。」
各グループ散らばっていたがスイカをもらうために列に並ぶ。
「洸、行かないの?」
若菜が雨宮に聞いてきた。
「いや行くよ。食べるよ。」
ゆっくりと雨宮は立ち上がりスイカを配ってるところへ向かう。
「はい、どうぞ。」
スイカを渡してくれたのは桃葉先生。
「あっすみません。ありがとうございます。」
「いいのいいの。食べて食べて!」
桃葉先生とは今回あまり喋る機会が少なかったが優しそうな印象だ。
小林から聞く桃葉先生のイメージとは少し違う感じするが自分がフルートだったら教えてもらってたのだろうか。
そのままスイカをもらい近くのベンチに座る。綺麗にスライスされたスイカを食べる。
口の中に甘さと水分が体に染みる。
「うっま。」
久々に食べたスイカは美味しい。
練習後だろうか。甘いものが体に染み渡る。
周りを見ると大海は二年生の先輩たちとスイカの種飛ばしをしてるし、
パーカッションの先輩たちと
絢辻と朝花は一緒にスイカを食べている。
「おーおー、青春だね。」
「篠宮先輩。お疲れ様です。」
「お疲れ。」
篠宮先輩は1人分席を開けて雨宮の
隣に座る。
「うーん、美味しいね。やっぱり夏はスイカだね。」
「そ、そうですね。ははは。」
雨宮はその時に感じた。
なんかいつもの篠宮先輩と様子がおかしい。
そんな気がした。
「ねぇ。」
「はい?」
「勝てると思う、?」
「え?」
予想してなかったことを聞かれ雨宮は
驚いてしまった。
「そ、それは、。」
「みんな学生の大切な夏休み。学校も休みで自分に時間を使ったほうがいいのに好きなことばっかりしてていいのかな?」
「う!」
篠宮先輩はこちらをジロっと雨宮を見つめる。意地悪な質問だ。
「そ、それは、、」
「ふっ、まぁいいや。頑張ってね!!」
篠宮は雨宮に手を振り他の部員のところに向かっていった。
「ふー。」
雨宮は大きく息を吐いた。
いつも見せてくれる篠宮先輩は
本物じゃない、偽物だ。
でも、その偽物も本物に見えてくる。
掴みどころのない篠宮先輩。
今の言葉は本音か嘘か。
ますます雨宮は訳がわからなくなった。
「もう食えねぇ。」と日明先輩。
北浜高校吹奏楽部は夕食後、
その広場に集まっていた。
「スイカ分けるよー。」
「よし、食うぞ」と谷川先輩と日明先輩はすぐさま部長のところに向かっていった。
「別腹か。」
各グループ散らばっていたがスイカをもらうために列に並ぶ。
「洸、行かないの?」
若菜が雨宮に聞いてきた。
「いや行くよ。食べるよ。」
ゆっくりと雨宮は立ち上がりスイカを配ってるところへ向かう。
「はい、どうぞ。」
スイカを渡してくれたのは桃葉先生。
「あっすみません。ありがとうございます。」
「いいのいいの。食べて食べて!」
桃葉先生とは今回あまり喋る機会が少なかったが優しそうな印象だ。
小林から聞く桃葉先生のイメージとは少し違う感じするが自分がフルートだったら教えてもらってたのだろうか。
そのままスイカをもらい近くのベンチに座る。綺麗にスライスされたスイカを食べる。
口の中に甘さと水分が体に染みる。
「うっま。」
久々に食べたスイカは美味しい。
練習後だろうか。甘いものが体に染み渡る。
周りを見ると大海は二年生の先輩たちとスイカの種飛ばしをしてるし、
パーカッションの先輩たちと
絢辻と朝花は一緒にスイカを食べている。
「おーおー、青春だね。」
「篠宮先輩。お疲れ様です。」
「お疲れ。」
篠宮先輩は1人分席を開けて雨宮の
隣に座る。
「うーん、美味しいね。やっぱり夏はスイカだね。」
「そ、そうですね。ははは。」
雨宮はその時に感じた。
なんかいつもの篠宮先輩と様子がおかしい。
そんな気がした。
「ねぇ。」
「はい?」
「勝てると思う、?」
「え?」
予想してなかったことを聞かれ雨宮は
驚いてしまった。
「そ、それは、。」
「みんな学生の大切な夏休み。学校も休みで自分に時間を使ったほうがいいのに好きなことばっかりしてていいのかな?」
「う!」
篠宮先輩はこちらをジロっと雨宮を見つめる。意地悪な質問だ。
「そ、それは、、」
「ふっ、まぁいいや。頑張ってね!!」
篠宮は雨宮に手を振り他の部員のところに向かっていった。
「ふー。」
雨宮は大きく息を吐いた。
いつも見せてくれる篠宮先輩は
本物じゃない、偽物だ。
でも、その偽物も本物に見えてくる。
掴みどころのない篠宮先輩。
今の言葉は本音か嘘か。
ますます雨宮は訳がわからなくなった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

夫の親友〜西本匡臣の日記〜
ゆとり理
現代文学
誰にでももう一度会いたい人と思う人がいるだろう。
俺がもう一度会いたいと思うのは親友の妻だ。
そう気がついてから毎日親友の妻が頭の片隅で微笑んでいる気がする。
仕事も順調で金銭的にも困っていない、信頼できる部下もいる。
妻子にも恵まれているし、近隣住人もいい人たちだ。
傍から見たら絵に描いたような幸せな男なのだろう。
だが、俺は本当に幸せなのだろうか。
日記風のフィクションです。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる