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第六楽章 北浜高校の夏合宿

悩むバリトンサックス

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夕飯後、大海はバリトンサックスでロングトーンをしていた。

「音程をまっすぐにして吹く。簡単なはずなのになんでこんなに難しいのかなぁ。
いいじゃん別に少しずれてても。」

別にいいだろうとは思うけどダメなのだ。
ズレはブレにつながる。

大海は4月からこのバリトンサックスをずっと吹いてきた。
部長や時田先輩みたいに吹けるようになりたい!そんなことをずっと思っている。

だけどまぁ現実はなかなか上手くいかなくて、、、
地味な練習が多い。

「はぁ、文化部舐めてた。」

大海はケガをしてからサッカーをやめたのだ。プロのサッカー選手みたいにシュートを決めたい!華麗なドリブルで目立ちたい!
大海はそんな感じでサッカーを始めたのだ。

しかし一年生の時、何もかも全てうまく言ってた。数少ないレギュラーからベンチ入りメンバーに入った。

浮かれていた。調子に乗ってた。
そんな時に試合中、相手の選手と接触してケガをした。

自分を呪った。そして相手を恨んだ。
今でもあの悔しさは忘れない。

「俺、このまま吹奏楽部やってても意味あるのかな?」

ふと肩からかけたバリトンサックスを見る。
しかしバリトンサックスは何も大海には
話を返してこなかった。


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