あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第六楽章 北浜高校の夏合宿

下から支える音②

「ここの音、気になりません？」

チューバの谷川は譜面を指差しながら言う｡

「そうだな｡みんなそこの音何？」

貝原先輩がみんなに質問する。

ここは低音のメンバーが全員揃っていた。
チューバの谷川先輩、前田先輩、斉藤先輩｡

コントラバスの貝原先輩と日明先輩｡

そしてバスクラの愛斗と名瀬先輩｡

バリトンサックスの時田先輩と大海が練習していた。

「ここもしかして和音じゃないですか？バリサクはドイツ音でDです。」

時田先輩は譜面を刺しながら皆に聞く｡

バリトンサックス通称バリサク｡
ドイツ音とは共通言語｡

それぞれ使用する楽器によって譜面上の調が異なるため間違えないように共通するドレミファソラシドのことを言う｡

説明が難しいので、、、
ネットを見てもらえるとありがたいが、、

「バリサクはDか｡チューバは下のB♭｡」

前田先輩も自分たちの音を伝える。

「バスクラとコントラバスはFだよ。」

名瀬先輩も日明先輩の譜面を見ながら
伝える。

「じゃあここ和音か。」

和音とは異なる音が複数重なり音が同時に響くことだ。

「えっ？ワオーン？犬ですか？」

大海はなんのことか分からなくて質問する。

「ははは。違うよ、大海くん。まぁ説明するのは難しいんだけど違う音を重ねて音を作るんだよ。」

貝原は大海に説明する。

「たしかにもう一度一つ一つ確認していくことは大事かもしれませんね。」

「そうだね。やってみるか。」

和音？音を重ねる？
なんのこっちゃ？

大海は頭を抱える｡