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番外編 北浜高校の動物園

高校生は自由

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雨宮は土曜日の日曜日の朝8時。
飼育小屋を掃除していた。

中島先生から指名されて入学から夏まで飼育当番だ。
他のクラスメイトは交代で他のところを掃除場所としているが雨宮だけ変わらない。

何故か知らないが。

雨宮がここを飼育小屋の掃除を始めた当初は
ニワトリとウサギがいた。
だが現在、インコが二匹。
ハムスターが一匹いる。

何故ここまで増えたかというとインコ二匹
は勝手に住み着いていた。
雨宮は飼い主を探そうとしたがいまだに見つかってない。

ハムスターは飼育小屋を担当している
飯尾先生というおじいちゃん先生が置いていった。

そのため飯尾先生と雨宮の2人で管理している。

俺は飼育員じゃないんだけどな。

掃除道具を片付け飼育小屋を出て
外に出る。雨宮はポケットから魚の餌を取り出す。
そして池にばら撒く。池のところに鯉が三匹ほどいるのだ。

「今日も朝早くからありがとね、雨宮くん。」
と声をかけてきたのは飯尾先生だ。

「いえいえ、暇ですから。」

「やっぱり君に頼んで正解だったな。そうだ雨宮くん。今日から新しい生き物を持ってきたんだよ。」

「えっ新しい生き物?」

すると飯尾先生は右手に持った飼育ケースを雨宮に見せる。

おそろおそる覗いてみると何と口にガムテープをしており強靭な鱗が尻尾まで立派に生えているチワワほどの大きさのワニだった。

「な、何ですかこれ?」

「ワニだよ。」

「いやぁ見ればわかりますけど流石に危険じゃあ。」

「大丈夫だよ。こいつ大人しいからね。」

すると飯尾先生は慣れた手つきで
飼育ケースに手を伸ばし素早く尻尾を掴み
ワニの口が開かないように巻いてあるテープを素早く解いて
ニワトリとうさぎがいる隣のケースに入れる。

「ね!」

「ね!じゃないですよ。危ないですよ!!
無理です!無理無理無理無理無理」

いくらチワワくらいの大きさでもワニだ。
暴れ出すかもしれない。
それにおとなしそうに見えても暴れたら他の生徒にも危害が加わるかもしれない。

「大丈夫。エサは僕がやるから。
雨宮くんは他の動物の世話してね。じゃあまた。」

飯尾先生はスタスタと歩いていってしまった。

雨宮は恐る恐るワニに触ろうとする。
後ろを向いている今なら触れるはずだ。

そーと手を伸ばす。するとワニはそれに察したのか雨宮の手を噛みつこうとした。
咄嗟に雨宮は手を伸ばすのをやめ手を引っ込めた。

「危なっ!!!!!」

ワニは雨宮の方をじっと見つめる。

「本当に大丈夫だろうか。」

北浜高校は自由な校風で通っているが
ワニなんて買っていいのかな?
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