あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第五楽章 北浜高校のリベンジの夏

番外編 メンズサイド

「暑いなぁ。お粥になりそうだよ。」と大海は呟いた。それもそのはずだ｡
一年生の男たちでコンビニまで買い出しに行くことになった。すでにお昼前の11時｡

「黙れ｡暑いから暑くなるんだ｡」と雨宮は言い返す。余計に暑くなる。なぜ俺たちはこんな暑い中五人で歩いているのかと言うとそれは男子と女子の代表者の雨宮と絢辻がジャンケンをし負けた方が昼ごはんを買ってくることになってしまった。

そして雨宮は負けたのだ｡

「あそこで雨宮負けなければなぁ。」

「悪かったよ。」

そんなことを言いながらコンビニに入り
昼飯が売られている弁当コナーの前に立つ｡

「さてと若菜と朝花がおにぎりとお茶で、
絢辻がパスタで百瀬さんがサンドイッチか｡
たしか優実が、、なんだっけ？まぁカレーでいいか。」

「洸｡カレーは飲み物だぞ｡だったら2杯買って行かないと｡」
と金子が悪ノリを雨宮にふっかける。

「バカ｡カレーは主食だろ。みんなあとは自分で買えよ。」

「えっ。奢ってくれるんじゃなかったの？」

と金子はとぼけたように雨宮に聞く。

「んなわけないだろ。あいつらのお金は預かってるからあとは自分で買え。早く買って昼飯食って勉強会スタートするぞ｡」

「鬼か。」

みんなで会計を済ませコンビニから出る｡
夏休み前だというのに暑い｡
5人はそれぞれの昼飯を買って家に向かって歩き出す。
そういえばこの五人で一緒になることは珍しい｡喋ることはあるが実際部活がない日に遊ぶというのは初めてな気がする。
別に今日は遊びではないが｡

「そういえばさぁ｡洸って若菜と付き合ってんの？」と唐突に金子が話を振ってきた。

「はぁ？付き合ってないよ。」

「えっ。そうなのか｡てっきり付き合ってるかと思った。映画一緒に行ったんだろ。」

「別にそういう関係じゃない｡」

「まぁこれからなるかもしれないしな｡」

「それどういうことだよ。」

「まぁいろいろ協力してやるから｡」

「いらないよ。」

「でも一年生の五人可愛いよな。若菜と朝花はクラスで人気あるしな｡」
と大海は話に入ってくる｡

「えっ、あいつが｡殴られるし自信過剰だし。どこが｡」

と雨宮は言う。まぁ最初よりかは仲良くなった気はするが今はだいぶマシにはなってきた方だと思う。

「それは洸のこと好きだからじゃないの？」
と小林が言う。なんで話に入ってくるんだ。

「は？そんなわけないだろ。」

「あっ照れてる｡」

「照れてない。」

「、、、照れてる｡」

「照れてない！！！！」

夏の暑さで顔が暑いのか、それか四人に聞かれて恥ずかしくて照れてるのか正直わからなくなった。
雨宮は先に走っていく。

「1番ビリのやつ次の部活の帰りアイス奢り｡」

「おい｡ちょっと待てズルだろ。」と伊藤｡

暑い夏の中走っていく5人の演奏家たちが
勉学に励む夏も悪くない｡