83 / 600
第四楽章 中部日本吹奏楽コンクール
リベンジだ。
しおりを挟む
雨宮は急いで部室へ向かう。
全力で。今日は部活は休みだ。だけど自然と足が部室に向かっていた。
階段を登る。すっかり夏で暑くなった。
部室には誰もいないと思っていたが、
やっぱりあいつらしかいなかった。
「遅いよ。」
「早かったな小林。」
「まぁ、練習したいし。それにやっぱりこのままじゃ終われないよね。」
「ああ!」
すると2人で話していると楽器部屋から音がした。雨宮は小林を見る。
小林はニコッと笑う。もちろんこのアルトサックスの音は1人しかいない。
雨宮は楽器部屋に向かう。
「よっ。」
そこにはひたすらにソロを練習する大崎若菜の姿があった。
「あっ。」
すると若菜は顔をしかめっ面にした。
「邪魔しないでよ。」
「別に、昨日のことなんだけど、、」
「ごめん。」
「えっ。」
雨宮はいきなり謝られたのでびっくりした。
「私、アメリカにいた時はコンクールなんて団体で出たことなかった。今までソロで出てたの。」
「えっそうなのか。」
「ソロコンは出て大会でも多く賞をとってきた。正直言って団体でも余裕だと思ってた。
でも結果はこれで。初めて悔しいと思った。
私は正直、見下してた。自分が情けなかった。」
「そうか。」
「でももう吹っ切れた。私、全国行く。」
その真っ直ぐな目はとても雨宮にはとても嘘をついているような目をしていなかった。
「おーーい。こんなところで何してるんだ。」
すると二年生の杉山先輩とほかの2年生の
先輩たちが入ってきた。
すると小林が
「杉山先輩たちも練習だって!」
「俺たちも話し合ったんだ。色々と。
全日本吹奏楽コンクールでもう一度リベンジしたいって。」
と杉山先輩が雨宮に言った。
「じゃあ、練習しましょうか。」
とみんなで楽器部屋を出ると一年生の女子も
男子たちもそこにいた。
そして3年生の先輩たちも。
「心配はないって言ってたでしょ。」
と篠宮先輩は中畑先輩に聞く。
「ああ、そうだな。なんだ、みんな元気じゃん。じゃあみんなで合奏するか。」
「はい。」と部員全員は返事する。
すると部室がガラガラと扉が開いた。
「なんだ、みんないるか。ちょうどいいや。
席つけ。」
栗本先生も入ってきた。なんだか偶然のような気がするがみんな同じ気持ちのようだ。
全員席に着く。
栗本先生は喋り出す。
「今回は中日吹お疲れ様。全員疲れただろうし今日はもう吹かせないぞ。」
みんな目を逸らす。正解を言い当てられた子供のようにみんなで目を逸らす。
「一年生は初心者の子もいて、慣れない日々でよくここまで吹けた。それは先輩たちのおかげでもあるし君たちが頑張ったのもある。だがそれ以上に他校の演奏が圧倒的だった。」
静岡県は吹奏楽部の強い高校が集まっている。激戦区でもある。
「全日本吹奏楽コンクールは県大会から東海大会に行けるのはたった3校。そして東海大会から行けるのは3校しかない。その3枠を占めているのが、、」
「名門校の海星女子と中日吹の3校です。」
と言ったのは小林だった。
「そうだ。砂山学園、菊川学園、そして静名学園。この4校が東海大会に出場している。」
雨宮は下を向く。どの高校も全国大会に行ったことがある強豪校。果たしてそこに勝てるのだろうか。
「でも私は全国行きたいです。」
すると若菜が席をたち、栗本先生に発言する。
みんな若菜を見てハッとする。
栗本先生は若菜を見つめながら言う。
「そうだな。全国吹奏楽コンクールは三年生にとって最後の大会。じゃあもう一回部長に締めてもらおうかな。」
すると部長は席をたち部員全員に顔を向ける。
「正直言って俺はまだまだ頼りないし力不足なところもまだある。でも北浜高校が全国大会のあの舞台で栗本先生の指揮で37人の音を響かせたい。みんなで行こう全国!!」
「はい。」部員全員で返事をする。
北浜高校のリベンジの夏が今始まる。
全力で。今日は部活は休みだ。だけど自然と足が部室に向かっていた。
階段を登る。すっかり夏で暑くなった。
部室には誰もいないと思っていたが、
やっぱりあいつらしかいなかった。
「遅いよ。」
「早かったな小林。」
「まぁ、練習したいし。それにやっぱりこのままじゃ終われないよね。」
「ああ!」
すると2人で話していると楽器部屋から音がした。雨宮は小林を見る。
小林はニコッと笑う。もちろんこのアルトサックスの音は1人しかいない。
雨宮は楽器部屋に向かう。
「よっ。」
そこにはひたすらにソロを練習する大崎若菜の姿があった。
「あっ。」
すると若菜は顔をしかめっ面にした。
「邪魔しないでよ。」
「別に、昨日のことなんだけど、、」
「ごめん。」
「えっ。」
雨宮はいきなり謝られたのでびっくりした。
「私、アメリカにいた時はコンクールなんて団体で出たことなかった。今までソロで出てたの。」
「えっそうなのか。」
「ソロコンは出て大会でも多く賞をとってきた。正直言って団体でも余裕だと思ってた。
でも結果はこれで。初めて悔しいと思った。
私は正直、見下してた。自分が情けなかった。」
「そうか。」
「でももう吹っ切れた。私、全国行く。」
その真っ直ぐな目はとても雨宮にはとても嘘をついているような目をしていなかった。
「おーーい。こんなところで何してるんだ。」
すると二年生の杉山先輩とほかの2年生の
先輩たちが入ってきた。
すると小林が
「杉山先輩たちも練習だって!」
「俺たちも話し合ったんだ。色々と。
全日本吹奏楽コンクールでもう一度リベンジしたいって。」
と杉山先輩が雨宮に言った。
「じゃあ、練習しましょうか。」
とみんなで楽器部屋を出ると一年生の女子も
男子たちもそこにいた。
そして3年生の先輩たちも。
「心配はないって言ってたでしょ。」
と篠宮先輩は中畑先輩に聞く。
「ああ、そうだな。なんだ、みんな元気じゃん。じゃあみんなで合奏するか。」
「はい。」と部員全員は返事する。
すると部室がガラガラと扉が開いた。
「なんだ、みんないるか。ちょうどいいや。
席つけ。」
栗本先生も入ってきた。なんだか偶然のような気がするがみんな同じ気持ちのようだ。
全員席に着く。
栗本先生は喋り出す。
「今回は中日吹お疲れ様。全員疲れただろうし今日はもう吹かせないぞ。」
みんな目を逸らす。正解を言い当てられた子供のようにみんなで目を逸らす。
「一年生は初心者の子もいて、慣れない日々でよくここまで吹けた。それは先輩たちのおかげでもあるし君たちが頑張ったのもある。だがそれ以上に他校の演奏が圧倒的だった。」
静岡県は吹奏楽部の強い高校が集まっている。激戦区でもある。
「全日本吹奏楽コンクールは県大会から東海大会に行けるのはたった3校。そして東海大会から行けるのは3校しかない。その3枠を占めているのが、、」
「名門校の海星女子と中日吹の3校です。」
と言ったのは小林だった。
「そうだ。砂山学園、菊川学園、そして静名学園。この4校が東海大会に出場している。」
雨宮は下を向く。どの高校も全国大会に行ったことがある強豪校。果たしてそこに勝てるのだろうか。
「でも私は全国行きたいです。」
すると若菜が席をたち、栗本先生に発言する。
みんな若菜を見てハッとする。
栗本先生は若菜を見つめながら言う。
「そうだな。全国吹奏楽コンクールは三年生にとって最後の大会。じゃあもう一回部長に締めてもらおうかな。」
すると部長は席をたち部員全員に顔を向ける。
「正直言って俺はまだまだ頼りないし力不足なところもまだある。でも北浜高校が全国大会のあの舞台で栗本先生の指揮で37人の音を響かせたい。みんなで行こう全国!!」
「はい。」部員全員で返事をする。
北浜高校のリベンジの夏が今始まる。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
青空ベンチ ~万年ベンチのサッカー少年が本気で努力した結果こうなりました~
aozora
青春
少年サッカーでいつも試合に出れずずっとベンチからみんなを応援している小学6年生の青井空。
仲間と一緒にフィールドに立つ事を夢見て努力を続けるがなかなか上手くいかずバカにされる日々。
それでも努力は必ず報われると信じ全力で夢を追い続けた結果…。
ベンチで輝く君に
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる