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第四楽章 中部日本吹奏楽コンクール

自由曲 星の旅

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~星の旅~

綺麗なフルートのソロ。野末先輩は栗本先生の指揮に合わせて演奏する。
ゆったりとしたフレーズ、コンクール会場を恐ろしく静かな空間の中。
1人吹き続ける。まるで野原にポツンと残された中、たった1人で演奏する。輝かしい綺麗な音。

すると高くどこまでも伸びていくよなアルトサックスの音が入っていく。
華々しい怖いもの知らずの音が会場全体の注目を集める。

「私を見ろ。」

そんな自分を主張するような音が響いていく。

それに続き木管と金管とパーカッションがそれに続いていく。ゆっくり流れていた曲にリズムを刻むパーカッション。トランペットの高いファンファーレが響く。

その瞬間、ティンパニーの激しいロールが
刹那を切り裂く。
雨宮と篠宮は2人はホルンで高く吠える。
それに続き他の楽器も続く。
フルートもクラリネットもそれに追い掛けるように続く。

激しさを増し栗本先生の指揮もアップテンポになる。メロディーをちから強く押し上げる。
雨宮はホルンの裏メロディーを吹くのをやめ待機する。
篠宮先輩だけが吹き続ける。
吹いてる一年生と先輩たちを後ろから見守る。

吹きたかった裏メロ。練習していた日々を思い出す。

そしてトロンボーンのグリッサンド。
懸命に追いかける。

この会場全てを巻き込みクレッシェンドして
栗本先生の指揮が振り上げられた。

曲が最後に向かう。
これで終わる。終わってしまう。

最後まで気を抜かない。全員楽器を栗本先生を見る。腹筋に力を入れて栗本先生の顔から汗が吹き出す。

全ての力を込めて曲が終わった。

栗本先生が指揮台から全員を起立させ
客席にお辞儀をする。

割れんばかりの拍手が聞こえた。
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