上 下
29 / 550
第二楽章 久しぶり吹奏楽部

北浜高校吹奏楽部の2年生の先輩たち①

しおりを挟む
「2年生、副部長の杉山です。パーカッションを担当してます。小学校の時から金管バンドに入ってて中学も吹奏楽部やってました。よろしくお願いします!」

「トロンボーンで今パーカッションかぁ。すごいな。」
思わず声が出る。

「えーとじゃあ二年生も木管から行こうか。雫から行こうか。フルートから行こうか。」

「私もう担当楽器言われたら言うことないんですけど、まぁいいか。横山雫です。フルートとピッコロ担当してます。気軽にわからないとこあったら言ってください。ちなみに一年生指導係になりました。一年のみんな、よろしく!」

一年生たちが拍手をする。
「一年生指導ってなんだろ。」

「演奏面での一年生を見てくる人かな。
基本的には上手な先輩がつけるポジションかな。」

「へーそうなんだ。じゃああの先輩、上手いんだ。」

「まぁそれはわからないけど。でも教えるのは上手いはずだ。」

大体部長になる人はこのポジションについていたり、副部長になったりする。
まぁそれはどうなるかわからないが。

「雫はしっかりしてるなぁ。まぁいいや。私発表しよ。」
すると突然筒状の楽器を持った先輩が雫先輩に話しかける。

「あんたは逆に緊張感のかけらもないけどね。」

「何よ。」

「何よ。」

「まぁまぁ。とりあえず2人とも。」
クラリネットを持った先輩が仲裁に入る。

「うるさい。」
筒状の楽器を持った先輩と雫先輩が声を揃えて反論する。

「いいから早く自己紹介して。」と中畑先輩が微笑みながらこちらを見つめる。だがその微笑みにはひたすらに怒りを抑えてるように見えた。 

「やば。すいません。ファゴット担当してる。縦石香織です。よろしくお願いします。」

早口になりながらも大事なことは伝えてくれたみたいだ。

「よっ縦横コンビ!」

「いいよーナイス!」

先輩の野次がありつつも拍手が飛び交う。

「じゃあ次!内山くん。お待たせ。」

「はぁー。わかりました。」
とため息をつきながらも眼鏡をかけた先輩が席を立つ。

「クラリネットの内山です。よろしくお願いします。中山先輩、雫と香織に色々言われながらやってますがよろしくお願いします。」

「ちょっとどう言うこと。」と中山先輩。

「聞きづてならないんだけど」と縦石先輩と横山先輩。

「色々苦労してるんだな。」と内山先輩に同情した雨宮であった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

よくある婚約破棄なので

おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。 その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。 言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。 「よくある婚約破棄なので」 ・すれ違う二人をめぐる短い話 ・前編は各自の証言になります ・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド ・全25話完結

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

伯爵令嬢の受難~当馬も悪役令嬢の友人も辞めて好きに生きることにします!

ユウ
恋愛
生前気苦労が絶えず息をつく暇もなかった。 侯爵令嬢を親友に持ち、婚約者は別の女性を見ていた。 所詮は政略結婚だと割り切っていたが、とある少女の介入で更に生活が乱された。 聡明で貞節な王太子殿下が… 「君のとの婚約を破棄する」 とんでもない宣言をした。 何でも平民の少女と恋に落ちたとか。 親友は悪役令嬢と呼ばれるようになり逆に王家を糾弾し婚約者は親友と駆け落ちし国は振り回され。 その火の粉を被ったのは中位貴族達。 私は過労で倒れ18歳でこの世を去ったと思いきや。 前々前世の記憶まで思い出してしまうのだった。 気づくと運命の日の前に逆戻っていた。 「よし、逃げよう」 決意を固めた私は友人と婚約者から離れる事を決意し婚約を解消した後に国を出ようと決意。 軽い人間不信になった私はペット一緒にこっそり逃亡計画を立てていた。 …はずがとある少年に声をかけられる。

涙雨

やと
青春
辛い学校生活に耐えきれなくなって不登校になった主人公ただ自分の好きな絵を描く続ける日々にとある女性と出会う、女性が残した思いを理解し自分の好きを続ける為にそして進学をする為に辛い学校生活に戻る短いお話し。

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

処理中です...