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第一楽章 始まりの日
新入生歓迎コンサート④
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「じゃあまずマウスピースを口に当てて吹いてみよっか?」
そう言われここまできてしまってはもう後戻りはできない。なんとかして誤魔化さないと。
なんとかして演技して、と思いつつ
大海がこちらに寄ってくる。
「オース!雨宮!俺サックスやりたくてちょっと向こう行ってたわ。あれ?雨宮?お前、ホルンじゃないの?ホルンのスペースあっちだぜ?」
「げぇ。」
「え?それどういうこと?」
トロンボーンを教えてくれている杉山先輩が
聞き返す。
「え?いやぁ。ホルンはあっちで。
あっ。しまった、、」
「どういうことかな?」
ジーっと杉山先輩が聞いてくる?
「すみませんでした。経験者です。」
「それなら素直にいえばいいのに。」
「いやだって。言ったら勧誘されると思って」
「それは勧誘するでしょ。だって経験者の一年生は戦力だもん。」
「おーい。篠宮先輩!今いいですか?。」
大きな声で杉山がホルン楽器を持ってる女子生徒に声をかける。
すると、「はーい!」と大きな声で返事をする。
ショートヘアで少し茶髪に見える、女子の先輩、篠宮と呼ばれた女子の先輩がこちらに声をかける。
「新入生?プーちゃん?」
「そうです。聞いたところによると経験者だったので、少し指導してあげてください。」
「なんかあったのかはあえて聞かないけどわかった!ついてきて。」
「はい、」何も言い返せなくなり、自分のしたことが裏目になってしまったが。全て大海のせいにしようと思った。大海を睨む。
「とりあえずなんか吹いてみる?私も経験者で入ったんだけど歴は長いから一応先輩かな?名前はなんて言うの?」
「雨宮洸です。南中にいました。」
「そうなんだ。じゃあ今年で4年目か。」
「まだ4年目になるかはわからないですけど」
「大丈夫。4年目やりたくなるから。」
無理矢理にでもこの人たちは俺に入部させようとしているのかと思いながらも曲を選んでみる。先輩の譜面が入ったファイルには全部綺麗な字で書き込まれていた。
最後のページには「絶対全国金賞」
そう書かれていた。
「これなんかどう?」
譜面を見せてくる。譜面のタイトルは
「星の王子さま」
「まずは簡単な曲から。」
「わかりました。メトロノームはテンポゆっくりめで。」
「オッケー!」
今日初めて会う人。なんも会う予定がなかった2人で。唐突に。性別も違う2人のホルン奏者が部室で吹き始める。
吹奏楽部の部室からゆっくり春の風が入ってくる。
そう言われここまできてしまってはもう後戻りはできない。なんとかして誤魔化さないと。
なんとかして演技して、と思いつつ
大海がこちらに寄ってくる。
「オース!雨宮!俺サックスやりたくてちょっと向こう行ってたわ。あれ?雨宮?お前、ホルンじゃないの?ホルンのスペースあっちだぜ?」
「げぇ。」
「え?それどういうこと?」
トロンボーンを教えてくれている杉山先輩が
聞き返す。
「え?いやぁ。ホルンはあっちで。
あっ。しまった、、」
「どういうことかな?」
ジーっと杉山先輩が聞いてくる?
「すみませんでした。経験者です。」
「それなら素直にいえばいいのに。」
「いやだって。言ったら勧誘されると思って」
「それは勧誘するでしょ。だって経験者の一年生は戦力だもん。」
「おーい。篠宮先輩!今いいですか?。」
大きな声で杉山がホルン楽器を持ってる女子生徒に声をかける。
すると、「はーい!」と大きな声で返事をする。
ショートヘアで少し茶髪に見える、女子の先輩、篠宮と呼ばれた女子の先輩がこちらに声をかける。
「新入生?プーちゃん?」
「そうです。聞いたところによると経験者だったので、少し指導してあげてください。」
「なんかあったのかはあえて聞かないけどわかった!ついてきて。」
「はい、」何も言い返せなくなり、自分のしたことが裏目になってしまったが。全て大海のせいにしようと思った。大海を睨む。
「とりあえずなんか吹いてみる?私も経験者で入ったんだけど歴は長いから一応先輩かな?名前はなんて言うの?」
「雨宮洸です。南中にいました。」
「そうなんだ。じゃあ今年で4年目か。」
「まだ4年目になるかはわからないですけど」
「大丈夫。4年目やりたくなるから。」
無理矢理にでもこの人たちは俺に入部させようとしているのかと思いながらも曲を選んでみる。先輩の譜面が入ったファイルには全部綺麗な字で書き込まれていた。
最後のページには「絶対全国金賞」
そう書かれていた。
「これなんかどう?」
譜面を見せてくる。譜面のタイトルは
「星の王子さま」
「まずは簡単な曲から。」
「わかりました。メトロノームはテンポゆっくりめで。」
「オッケー!」
今日初めて会う人。なんも会う予定がなかった2人で。唐突に。性別も違う2人のホルン奏者が部室で吹き始める。
吹奏楽部の部室からゆっくり春の風が入ってくる。
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