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第一楽章 始まりの日

新入生歓迎コンサート

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「吹奏楽部の部室ってどこにあるの?」

松山がさりげなく雨宮に聞く。

「え?連れてってくれるのかと思った。」

「俺が知るわけないだろ。」

「行き当たりばったりだな。」

2人で廊下を歩きながら話す。
行き先のわからない吹奏楽部の部室を目指して。

「そういえば名前なんだっけ?」

「雨宮洸。そうか名前言ってなかったけ?」

そんな会話をしつつも、2人でフラフラ歩きながら部室を目指す。
先程チラシを見かけ柔道場の近くにあると書いてあったのだが。

「この高校、柔道部もあるんだな。」

「雨宮は中学何やってたんだよ?」

「吹奏楽部」

「マジかすげぇな。」

「大海は?」

「俺はサッカー部。だけど一年の時、足怪我してやめた。」

「そうか、すまん。変なこと聞いて。」

「別にいいよ。もう気にしてねぇし。
だから高校は新しいことやろうかなっと思ってるんだ。初心者にも優しいやつ。吹奏楽部は厳しいかな?」


「ここは強豪校ではないし、初心者も多いと思うよ。大丈夫だと思う。」

「じゃあ一緒に入ろうぜ!」

「どうしようかなぁ。」

そんなことを言い合いながらも吹奏楽部の
部室に着いてしまった。

「あのさぁ。俺が中学でやってたことは内緒にしてくれないかな?」

「なんで?言っても良くない?」

「絶対勧誘されるからさ。」

「ふーんそうなんだまぁいいけど。」

吹奏楽部の部室は校舎から出て柔道場がある第二体育館。その隣にある校舎の二階だった。一階には卓球部が活動していた。

鉄でできた階段を登っていくと古びた扉。
運動靴から履き替えスリッパを履く。

少しボロついていた部屋だったが中で先輩たちがコンサートの準備をしていた。



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