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プロローグ 最後のコンクール
ホルンが好きで
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誰もいない部室。11月の中旬。すっかり冷たくなっている学生服にも風が透き通り寒くなってきた頃。
雨宮洸は吹奏楽部の練習場所である音楽室に自分の楽器であるホルンを整備していた。
今さっき吹いてみたが引退したせいかすっかり鈍っていた。アンブシュアも定まらずロングトーンをしてみたが音が少し揺れた。
音は出るが良い音を響かせるのはとても難しい。
「少し掃除するか。」と呟きホルンの管を抜いて内部を掃除する。
「整備しなくちゃいい音は出せないよ。」
昔、先輩に言われたことを思い出した。
「河村先輩、元気にしているかな?」とふと思い出した。雨宮の2つ上の先輩。当時入学したときに3年生で同じホルンパートを担当していた。入学して右も左もわからない自分をよく指導してくれた。
今は連絡すらとってないけど、、。
そんなことを思い掃除していると教室の扉が大きな音を立てて開いた。振り返ると1人の男が元気よく入ってきた。
誰かと思ったが顔を確認してすぐにわかった。
「洸か!一緒に帰ろうぜ!」
自分が話しかける前にその男は元気いっぱいに話しかけてきた。
「なんだフミヤか。いいよ。俺も今終わったところだよ。」
「じゃあ玄関で待ってるから。すぐ来いよ!」
一緒に帰ろうといってくれたのは3年間を共にした数少ない元吹奏楽部の男子部員の同級生だった。
雨宮洸は吹奏楽部の練習場所である音楽室に自分の楽器であるホルンを整備していた。
今さっき吹いてみたが引退したせいかすっかり鈍っていた。アンブシュアも定まらずロングトーンをしてみたが音が少し揺れた。
音は出るが良い音を響かせるのはとても難しい。
「少し掃除するか。」と呟きホルンの管を抜いて内部を掃除する。
「整備しなくちゃいい音は出せないよ。」
昔、先輩に言われたことを思い出した。
「河村先輩、元気にしているかな?」とふと思い出した。雨宮の2つ上の先輩。当時入学したときに3年生で同じホルンパートを担当していた。入学して右も左もわからない自分をよく指導してくれた。
今は連絡すらとってないけど、、。
そんなことを思い掃除していると教室の扉が大きな音を立てて開いた。振り返ると1人の男が元気よく入ってきた。
誰かと思ったが顔を確認してすぐにわかった。
「洸か!一緒に帰ろうぜ!」
自分が話しかける前にその男は元気いっぱいに話しかけてきた。
「なんだフミヤか。いいよ。俺も今終わったところだよ。」
「じゃあ玄関で待ってるから。すぐ来いよ!」
一緒に帰ろうといってくれたのは3年間を共にした数少ない元吹奏楽部の男子部員の同級生だった。
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