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02 びんとマジック制作部その2
しおりを挟む入学式の翌日 放課後
「 つい入部しちゃったけど、大丈夫かな?... 」
今朝、正門の前で起きたこと。勢いで入部することを決めてしまった敏。敏は今朝、明日香に「放課後に部室に集合だって、そこで部員のみんなの紹介をするみたいだから! 」 と言われ、言われた通りに今。部室の前に来ている。
「 ふーーー....。よし! 」
敏は自分の頬を気合いを入れるように叩いて。
「 なんにせよ、入部すると決めてしまったからには、しっかりとやらないとな。 」
そう言って、ドアノブに手を掛け開いた。
「 あ、あの~。失礼します。 て、...あれ? 」
部室にはまだ誰も来ていなかった。
「 まだ先輩方はいないのか... 」
そう呟いて、敏は部屋の中をうろうろし始めた。部室は一般的な教室の半分ほどの広さで、大きめの机が向かい合うようにいくつか繋げられていた。部屋の端には3人掛けほどの大きさのソファーに、ぬいぐるみや本が置かれた棚があり、入り口の対角線上の角には別の部屋につながっているであろう扉があった。
そして敏は、机の上に置かれたスケッチブックを見つけた。
「 誰のだろう? 」
スケッチブックを開くと、そこには猫耳の美少女が描かれていた。
「 うま!?。てか可愛いイラストだな....。」
思わずそう呟いて、次々にスケッチブックをめくると背後から、
「 他人のスケッチブックを勝手に開いてイラストを見たと思ったら、あまつさえ今日のオカズにしようと目に焼き付けるなんて、さすが多村くんね。見直したわ。 」
「 な....、朝霧先輩??!!い、いつの間に来てたんですか? !!あと、勝手に人を変な所で見直さないでください!。 」
そこには、朝霧鈴が腕を組んで立っており、その横には、綺麗なプラチナブロンド[白に近い金]のツインテールの小柄の少女がいた。
「 私たちはずっといたのだけれど...。まぁいいわ。とりあえずそこの空いてる机があるでしょう?そこが、あなたの机になるからとりあえず座って。自己紹介を始めるわ。 」
とりあえず言われた通りに座る敏。2人もそれぞれの席に座った。
「 改めて自己紹介をするわ。朝霧鈴、三年生。この部活の部長でもあるわ。趣味は読書で、バストはEカップ。よろしくね、多村くん。 」
「 朝霧先輩の事は、知ってるので大丈夫ですよ。ていうか、朝霧先輩部長だったんですね。あとバストは言わなくて大丈夫です。 」
「 まぁ..一様ね、それより多村くんにとって大事な自己紹介は彼女のほうね。 」
そう言って、もう1人の少女の方に視線をおくる朝霧。するとその少女は立ち上がって、
「 わたしは......立花 サラ メナール..3年。趣味は...ぬいぐるみづくり。よろしく。あと、...他人の思考を読めるから....あまり..話しかけないで...。 」
立花がそう言うと横から朝霧が、
「 彼女は魔法使いで、他人の思考を読み取ることができるの、だから普段は無口だけれど、ちゃんと伝わってるか大丈夫よ。多村くん。 」
と。普通ではありえない事をさらっと説明する。
とうぜん、敏は話しについていけない。
「 ちょっ...ちょっとまってください!魔法使いってなんですか?!。 」
「 多村くんが、困惑するのもわからるわ。立花さん、お願いできる? 」
そう言うと、立花は頷き。
「 では....敏さん。頭の中で...私の事をどう思っているか考えてみてください....。 」
「 わ..わかりました。? 」
そうして、敏は頭の中で彼女に対して考えた。
「 (魔法使いで、他人の考えが読める??あの人が?そんなのありえないだろ、普通。というか、この人本当に高3なのか?小学6年生くらいに見えるし。) 」
敏がそう思うと、
「 私を疑うのも....無理はない...でも..私は小学6年生じゃない...です(照。」
「 な、なな..なんで...本当に心が読めるのか?.. 」
「 これで信じてもらえたかしら。それと、多村くんは立花さんに謝るべきよ。 」
「 ど、どうしてですか?朝霧先輩。 」
敏がそうたずねると、朝霧は顔を曇らせて、
「 あなたが昨日面接した時にね、オ○○ニーの質問をしたじゃない?その時、立花さんは多村くんの思考を読んでしまったせいで、知りたくもない多村くんのオ○○ニー事情を知ってしまったのだから。
」
「 え??そんなわけ、嘘ですよね?立花先輩? 」
そう敏が慌ててたずねると、立花サラメナールは頬を染めて静かに俯いた....。
つづく
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