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「ウーーン…」
「姫様、姫様、大丈夫ですか?」
「クロエ…」
「姫様、しっかりして下さいませ。気分はどうですか?」
「気分…最悪…」
「姫様…」
「だって、こんな不気味な姿よ、もうここから出ない!」
「そんな事はございません!可愛らしい姿ですよ。私が驚いたのは大きくなっていたからです。不気味なんて事ありません!」
「私、鏡見たよ。気持ち悪かった…。
人みたいなウサギなんて可愛らしさゼロだよ。自分でも気持ち悪いと思ったもの。」
「そんな事ございません。さあお食事に致しましょう。昨日からほとんど食べておりませんよ、温かい物でも食べたら元気が出ますから。」
「そういえばお腹は空いたかも。」
「では、お持ち致しますから少々お待ち下さい。」
「分かった…」
自分の姿に衝撃を受けて気絶した私…。
もう一度鏡の前に行き確認してみた。
やっぱり不気味だ。
四つん這いになったウサギのような人間って感じ。
ん?あれ?
前足を見てみる。
あ、指だ。
指がある。さっきはなかったのに。
足…は変わってない。
ますますヘンテコになった。
脳は二足歩行をしている感覚なのに見た目は四つん這い。
ハア~なにこれ…。
でも、元の姿に戻る過程なのだろう…
明日には戻ってるかもしれないし…。
しかし、これはない。
絶対誰にも見せられない。
「姫様、ジャン様とグレン様がいらっしゃいましたが、お通ししてもよろしいですか?」
とクロエ。
「ダメダメダメ!絶対ダメ!」
と言いながらベッドに戻り布団を被った。
「姫様、大丈夫ですか?」
ジャンの声がする。
ダメ、ジャンには絶対見せられない。
「大丈夫じゃないから、悪いけど今日は休んでるわーーー!」
「あれ?姫様、元に戻ったんですね!ちゃんと喋れてるよ。」
「あ!」
「顔だけ見たら帰るから、入っても良いですか?」
「ダメよ、何言ってるの、ここ寝室!入っちゃダメでしょ!」
「あ、そうだった。子ウサギの感覚だった。」
「だから、今日は一日休むから、ごめんね」
「分かりました。それじゃ、ゆっくり休んでください。」
ジャンとグレンはそう言って帰って行った。
「ハァーーー、危なかった~」
もう本当に今日は寝ていよう。
寝たら戻ってるかもしれない。
布団から顔を出し、
「フゥーーーーーーー」
と布団を被っていた息苦しさから解放されて息を吐き出した時、寝室のドアから顔を覗かせたジャンと目が合った。
「キャーーーーーーー!」
「うわ、ビックリした!」
「なんで、なんでいるのよ⁉︎」
「いや、やっぱり顔見てからと思って…」
「酷いよ、ジャン、騙したのね…」
「ごめんごめん、クロエが姫様がもう少しで元に戻れそうって言ってたから、もう大丈夫なのかなって…思って…姫様?え?泣いてる?え?、あ、ごめんなさい、すみません!」
「酷いよ、ジャン、こんな姿、ジャンに見られたくなかったのに…もう、帰って!」
「ごめんなさい、泣かすつもりはなかったんだ…」
「もう出てって!」
「分かった…すみませんでした…。」
そう言うとドアを閉め、今度こそ帰って行った。
見られた。
この姿を見られた。
ジャンにだけは見られたくなかったのに、ジャンにだけ見られた。
「姫様…よろしいですか?」
クロエが心配そうに声をかけるが、誰とも何も話したくないので、返事もせずに布団を被った。
「姫様、ジャン様は帰られました。お食事をお持ちしました。少しでも口に入れましょう。」
「いらない」
「ダメです。食べなければ倒れてしまいます。この部屋で食べれば良いではないですか。温かいうちに食べて下さい。」
グゥーーーー
「ほら、そんなに大きなお腹の音がなっているのに、食べないって事ないでしょう!
駄々をこねないで、早く食べて下さい!
布団、剥がしますよ!」
「やめて。食べるからそこに置いておいて!」
「じゃあ、ここに置いておきますね。」
そう言ってクロエは寝室から出てドアを閉めた。
ガバッと布団から勢いよく出ると、クロエがドアの所に立っていた。
「あ!」
「姫様…学習能力がなさ過ぎます…。」
「お腹が空いてるのよ!良いでしょ、どうせ私はヘンテコ四つん這い女よ!」
「誰一人そんな事言った事もないのに、勝手に決めつけて!
本当に姫様は学習能力がございません!
何ですか、さっきの態度は!
ジャン様に姫様はどれほど心配をおかけしたのか分かっておりませんね!
姫様がいないと分かってから、ジャン様は姫様を必死に探しておられました。
姫様を追い、川にまで飛び込んで探して下さったのですよ!
戻ってからもあちこち探されて、休む暇がないほど走り回って下さったのです!
見つかってからも、姫様を気にかけて下さっていたのに、あんな態度をとるなんて、クロエはガッカリ致しました!
ジャン様は姫様が喋れないただの子ウサギでも見つけて下さったんですよ!
なのに、その恩を仇で返すとは…。
情けなくて涙が出ますよ!」
クロエは肩でハアハアと息をしながら一気に捲し立てた。
そうだった…
ジャンは誰も気付く訳がなかったウサギの私を見つけてくれた。
必死に探そうと、見つからなくて泣きそうになってくれていたのだ。
「ごめんなさい、クロエ。
私が悪い。ちゃんと謝る。」
グゥーーーー。
「ごめん…お腹が…」
「食べたらちゃんとジャン様に誠心誠意謝ってくださいね!私は追いかけて来ますので!」
「よろしくお願いします…」
クロエは凄い勢いで出て行った。
温かい食事を見て、涙が出た。
確かに私が悪い。
反省もしてる。
食事をとった後ちゃんとジャンに謝ろう。
そう思っている。
だが、クロエ…私にこれをどう食べろと。
やっと手は人間に近づいたが、私、四つん這いなのよ…
後ろ足だけで、立ってナイフとフォークを持ってみる。
持てる、持てるが背中がピーンと伸びてしまう。
床に直に座っているが、背筋を伸ばしているためテーブルまでの距離が長い。
諦めてパンを一口ずつチビチビ食べた。
「食べたいのに食べられないーーーーー!お肉食べたーーーーい!」
くそぉーー、負けるもんか!
なんとか時間をかけてお肉を切り分ける。
フォークでお肉を刺して食べた。
お肉…美味しい…。
いつの間にかクロエが戻ってきていて、
「ハァーーーー、何ですか、その格好は…。裸で食事するとは思いませんでした…」
「だって一人では着れないもの!」
「そうですね、失礼致しました。では。」
と呆れたように私を浴室に入れ、シャワーを浴びせ、ちゃちゃっと身体を洗われ、流れるように支度されていった。
ワンピースを着せられ、支度が出来たが、
ワンピースを着た四つん這いの魔物のようだ。
やっぱりこの姿はあまり見せたくないので、顔にスカーフを巻いてもらった。
「まあ、良いでしょう。さあ、ジャン様がお待ちです。行きますよ!」
私のお尻を押しながらクロエは私をジャンのいる部屋まで連れて行った。
「ジャン様、お待たせ致しました。姫様をお連れ致しました。」
そう言った後、私の後ろにクロエは回った。
ジャンの顔を見ずに、
「ジャン、さっきはごめんなさい。この姿を見られたくなくてあんな態度をとってしまいました。すみませんでした。」
言った後、ジャンの顔を見た。
ジャンは目を見開いて、口は開けっ放しだ。
いわゆる驚愕しているのだ。
私はまさに、脱兎の如く、隣りの寝室のベッドに逃げ込み、声を出して泣いた。
そして、泣き疲れて寝てしまった。
「ウーーン…」
「姫様、姫様、大丈夫ですか?」
「クロエ…」
「姫様、しっかりして下さいませ。気分はどうですか?」
「気分…最悪…」
「姫様…」
「だって、こんな不気味な姿よ、もうここから出ない!」
「そんな事はございません!可愛らしい姿ですよ。私が驚いたのは大きくなっていたからです。不気味なんて事ありません!」
「私、鏡見たよ。気持ち悪かった…。
人みたいなウサギなんて可愛らしさゼロだよ。自分でも気持ち悪いと思ったもの。」
「そんな事ございません。さあお食事に致しましょう。昨日からほとんど食べておりませんよ、温かい物でも食べたら元気が出ますから。」
「そういえばお腹は空いたかも。」
「では、お持ち致しますから少々お待ち下さい。」
「分かった…」
自分の姿に衝撃を受けて気絶した私…。
もう一度鏡の前に行き確認してみた。
やっぱり不気味だ。
四つん這いになったウサギのような人間って感じ。
ん?あれ?
前足を見てみる。
あ、指だ。
指がある。さっきはなかったのに。
足…は変わってない。
ますますヘンテコになった。
脳は二足歩行をしている感覚なのに見た目は四つん這い。
ハア~なにこれ…。
でも、元の姿に戻る過程なのだろう…
明日には戻ってるかもしれないし…。
しかし、これはない。
絶対誰にも見せられない。
「姫様、ジャン様とグレン様がいらっしゃいましたが、お通ししてもよろしいですか?」
とクロエ。
「ダメダメダメ!絶対ダメ!」
と言いながらベッドに戻り布団を被った。
「姫様、大丈夫ですか?」
ジャンの声がする。
ダメ、ジャンには絶対見せられない。
「大丈夫じゃないから、悪いけど今日は休んでるわーーー!」
「あれ?姫様、元に戻ったんですね!ちゃんと喋れてるよ。」
「あ!」
「顔だけ見たら帰るから、入っても良いですか?」
「ダメよ、何言ってるの、ここ寝室!入っちゃダメでしょ!」
「あ、そうだった。子ウサギの感覚だった。」
「だから、今日は一日休むから、ごめんね」
「分かりました。それじゃ、ゆっくり休んでください。」
ジャンとグレンはそう言って帰って行った。
「ハァーーー、危なかった~」
もう本当に今日は寝ていよう。
寝たら戻ってるかもしれない。
布団から顔を出し、
「フゥーーーーーーー」
と布団を被っていた息苦しさから解放されて息を吐き出した時、寝室のドアから顔を覗かせたジャンと目が合った。
「キャーーーーーーー!」
「うわ、ビックリした!」
「なんで、なんでいるのよ⁉︎」
「いや、やっぱり顔見てからと思って…」
「酷いよ、ジャン、騙したのね…」
「ごめんごめん、クロエが姫様がもう少しで元に戻れそうって言ってたから、もう大丈夫なのかなって…思って…姫様?え?泣いてる?え?、あ、ごめんなさい、すみません!」
「酷いよ、ジャン、こんな姿、ジャンに見られたくなかったのに…もう、帰って!」
「ごめんなさい、泣かすつもりはなかったんだ…」
「もう出てって!」
「分かった…すみませんでした…。」
そう言うとドアを閉め、今度こそ帰って行った。
見られた。
この姿を見られた。
ジャンにだけは見られたくなかったのに、ジャンにだけ見られた。
「姫様…よろしいですか?」
クロエが心配そうに声をかけるが、誰とも何も話したくないので、返事もせずに布団を被った。
「姫様、ジャン様は帰られました。お食事をお持ちしました。少しでも口に入れましょう。」
「いらない」
「ダメです。食べなければ倒れてしまいます。この部屋で食べれば良いではないですか。温かいうちに食べて下さい。」
グゥーーーー
「ほら、そんなに大きなお腹の音がなっているのに、食べないって事ないでしょう!
駄々をこねないで、早く食べて下さい!
布団、剥がしますよ!」
「やめて。食べるからそこに置いておいて!」
「じゃあ、ここに置いておきますね。」
そう言ってクロエは寝室から出てドアを閉めた。
ガバッと布団から勢いよく出ると、クロエがドアの所に立っていた。
「あ!」
「姫様…学習能力がなさ過ぎます…。」
「お腹が空いてるのよ!良いでしょ、どうせ私はヘンテコ四つん這い女よ!」
「誰一人そんな事言った事もないのに、勝手に決めつけて!
本当に姫様は学習能力がございません!
何ですか、さっきの態度は!
ジャン様に姫様はどれほど心配をおかけしたのか分かっておりませんね!
姫様がいないと分かってから、ジャン様は姫様を必死に探しておられました。
姫様を追い、川にまで飛び込んで探して下さったのですよ!
戻ってからもあちこち探されて、休む暇がないほど走り回って下さったのです!
見つかってからも、姫様を気にかけて下さっていたのに、あんな態度をとるなんて、クロエはガッカリ致しました!
ジャン様は姫様が喋れないただの子ウサギでも見つけて下さったんですよ!
なのに、その恩を仇で返すとは…。
情けなくて涙が出ますよ!」
クロエは肩でハアハアと息をしながら一気に捲し立てた。
そうだった…
ジャンは誰も気付く訳がなかったウサギの私を見つけてくれた。
必死に探そうと、見つからなくて泣きそうになってくれていたのだ。
「ごめんなさい、クロエ。
私が悪い。ちゃんと謝る。」
グゥーーーー。
「ごめん…お腹が…」
「食べたらちゃんとジャン様に誠心誠意謝ってくださいね!私は追いかけて来ますので!」
「よろしくお願いします…」
クロエは凄い勢いで出て行った。
温かい食事を見て、涙が出た。
確かに私が悪い。
反省もしてる。
食事をとった後ちゃんとジャンに謝ろう。
そう思っている。
だが、クロエ…私にこれをどう食べろと。
やっと手は人間に近づいたが、私、四つん這いなのよ…
後ろ足だけで、立ってナイフとフォークを持ってみる。
持てる、持てるが背中がピーンと伸びてしまう。
床に直に座っているが、背筋を伸ばしているためテーブルまでの距離が長い。
諦めてパンを一口ずつチビチビ食べた。
「食べたいのに食べられないーーーーー!お肉食べたーーーーい!」
くそぉーー、負けるもんか!
なんとか時間をかけてお肉を切り分ける。
フォークでお肉を刺して食べた。
お肉…美味しい…。
いつの間にかクロエが戻ってきていて、
「ハァーーーー、何ですか、その格好は…。裸で食事するとは思いませんでした…」
「だって一人では着れないもの!」
「そうですね、失礼致しました。では。」
と呆れたように私を浴室に入れ、シャワーを浴びせ、ちゃちゃっと身体を洗われ、流れるように支度されていった。
ワンピースを着せられ、支度が出来たが、
ワンピースを着た四つん這いの魔物のようだ。
やっぱりこの姿はあまり見せたくないので、顔にスカーフを巻いてもらった。
「まあ、良いでしょう。さあ、ジャン様がお待ちです。行きますよ!」
私のお尻を押しながらクロエは私をジャンのいる部屋まで連れて行った。
「ジャン様、お待たせ致しました。姫様をお連れ致しました。」
そう言った後、私の後ろにクロエは回った。
ジャンの顔を見ずに、
「ジャン、さっきはごめんなさい。この姿を見られたくなくてあんな態度をとってしまいました。すみませんでした。」
言った後、ジャンの顔を見た。
ジャンは目を見開いて、口は開けっ放しだ。
いわゆる驚愕しているのだ。
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