番なんていません、本当です!

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次の日、学校へ登校する馬車の中でナタリーに昨日の事を話した。

「嘘⁉︎白騎士の人気No.1とNo.2にあったの?」

「あら、そんなに人気者なの?ジャンとグレンは?」

「人気も人気、今誰が彼らの婚約者になれるかで、熱いバトルが繰り広げられてるのよ!」

「グレンは彼女がいるって言ってたわよ。」

「嘘でしょ⁉︎グレン、彼女いるの⁉︎」

「て言ってた。ジャンはいないって。」

「メアリー、じゃあジャンに婚約してもらえば?」

「速攻フラれた。」

「あ…あーーごめん…。」

「良いの良いの、そんな会ったばかりで承諾されてもね~。」

「それもそうね。」

「だから、誰か紹介してってお願いしたの!」

「良かったね、メアリー!ジャンは顔広いから良い人見つけてくれるかも!
グレンは真面目だから親身になってくれるよ。」

「そうなんだね、昨日、ジャンが湖に泳ぎに来てくれて良かったよ!」

「湖?泳ぐ?」

「うん、ほら私がいる所に森があるでしょ?そこの奥に湖があるの。そこでジャンが裸で泳いでた。」

「嘘⁉︎見たの?」

「大事な所は見てないよ、遠かったし!」

「いやあ~私も見たかったーー!」

「あ、そんな事言ってるとシリウス様に言っちゃうよ。」

「ダメダメ、言わないで!」

「ナタリーはシリウス様の前では、可愛い女の子だもんね~」

「うるさいなー!だって、緊張しちゃうのよ、昔から…。」

「なんで緊張するかなぁ、シリウス様、面白いよ。」

「分かってるけど、ドキドキし過ぎて言葉が出て来ないのよ…。」

「可愛いからいいけど!」

「もうメアリー、バカにしてるでしょ!」

「してないよ、羨ましいよ、私は好きな人すらいないもの。」

「大丈夫よ、私もメアリーもまだ16よ、これからこれから!」

「そうだね、私もこれから頑張って旦那様見つけるよ!」

「見つからなかったら私がずっと面倒見てあげる!」

「フフ、ありがと!」


そんな会話をしてるうちに学校に着いた。

馬車を降りて教室に向かっていると、

「貴方、私のジャン様に馴れ馴れしくも手紙なんか渡したんですってね!」

「ジャン様はローズマリー様の婚約者でも何でもありません!
私が手紙を渡した事はローズマリー様には関係ございませんわ!」

「関係あるわ、私はもうすぐジャン様と婚約しますもの!」

「いつ決まりましたの?そんな話し聞いた事ありませんけど!」

「どうして貴方に報告しなければならないの?貴方こそ関係ないでしょ?」




「なんか…怖いね、私、友達だって絶対秘密にしよ…」

「そうね、あの人とは関わらない方がいいわよ、でも止めなきゃね。」

「頑張れ、ナタリー!」




「貴方達、朝から随分賑やかね。」

「ナタリー様、おはよう御座います。」
と二人がナタリーに挨拶し、やっと静かになった。

「で、どうしたの?ジャンがどうとかって聞こえたけど?」

「いえ、なんでもありません…。」

「ジャンの婚約の話しがあったけど、私はそんな話し聞いてないけど、ローズマリー様と婚約するの?」

「いえ、そんな事は…」

「だったら勘違いさせてしまう事は口にしない方がいいわ。」

「申し訳ございません…。」

「ダリア様も大丈夫ですか?」

「はい、朝から大きな声を出してしまい、申し訳ございません。」

「では、失礼しますね。」




「ナタリー、凄い!王女様だったよ!」

「やあね、王女よ、私。」

「私、怖くて言えないよ、ああいうの。」

「慣れよ慣れ!」

「そんなに好きなんだね、ジャンの事。」

「人気なのよ、騎士ってだけでもカッコイイのに公爵令息だから余計にね。顔も男前だし。」

「そう言われてみれば、男前だったかも。」

「もう、メアリーはちゃんと見なさいよ!」

「だってお父様もお兄様もラン兄様も男前でしょ?なんか美形はお腹いっぱいって感じ?」

「贅沢ね!」

二人で教室に向かって歩いていると、

「ナタリー、メアリーちゃん、おはよう!」

「シリウス様、おはようございます。」

「シリウス様…おはよう…ございます。」

「ナタリー、どうしたの?今朝は元気がないの?体調悪い?」

「いえ、シリウス様、心配していただきありがとうございます。元気もありますし、体調も悪くはございませんよ。」

「なら良かった!さあ、教室に行こう!」

「「はい」」

三人で教室に向かったが、ナタリーの顔が真っ赤で、あまりにも可愛かったので、
「ナタリーは可愛いね!」
と言ったら、
「ホントにナタリーは可愛いね。」
とシリウス様が言った。

この二人、くっつくんじゃない?
良い感じの二人が婚約出来たら良いなあと思いながら、後ろ姿を眺めていた。












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