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帰宅
しおりを挟むいよいよ帰る事になった。
あれから陛下は露天風呂から出てすぐ殿下、ハロルド様とお父様達、行きのメンバーで帰って行った。念の為とジュリア様とサイモン様が残り、みんなで温泉を楽しんだり、散策したりとゆっくり楽しんだ。
一番の収穫はシアの結婚が回避出来た事だ。
この温泉地が陛下の一言で国の管轄になったのだ。
婚約者のマシューさんが突撃して来たりしたが、“ローリー”はロイだった事が分かり、泣いていた。
なんやかんやで友達になり、仲間に入れてあげた。
次は浮気しないで良い婚約者が出来れば良いなと思う。
「リリー様、本当にありがとうございました。」
「毎回何かあるとみんな私にお礼を言ってくれるんだけど、いつも私、何もしてないんだよね…」
「いいえ、リリー様が真っ先になんとかしようと動いてくれるから最終的に解決出来るんです。だからリリー様のおかげです。」
「そうかな…ま、シアが満足出来たならいいか。」
「そうですよ。お父様も殿下とお風呂に入れて感激してたし。お母様もマリア様とシェリル様と知り合いになれて喜んでます。」
「なら来て良かった!色々あったけど楽しかった。ありがとうシア、また来るね」
「はい!また学院で~」
こうしてシアの婚約を解消させる作戦は終了した。
ロイを見ると
「今回、僕はちっとも良い所がなかった気がする…。殿下はみんなを仕切っていて上に立つ人間ってオーラが出てて、サイモン殿なんか敵を倒し、調査、捜索、尋問何んでも熟し、僕は何も出来なかった…」
ロイが落ち込んでいる…
「ロイはロイだよ。あの場には殿下の統率と、サイモン様の能力が必要だっただけで、ロイが活躍出来る場があの時はなかっただけだもの。
私なんかずっとブルブル震えてるだけだった。でもロイは自分の出来る事を探してやってたと思うよ。」
「・・・もっと頑張るよ、リリーを守れるように。」
「私もロイを守れるように頑張る!最近虫を怖がらないから活躍出来る場がないんだよね。」
「だから虫は平気なんだってば。でも他の女子からは守ってね」
「そうだった、守る守る!」
活躍できなかったロイは落ち込んでいたが、
ジュリア様の武勇伝を聞いた時は震えた、カッコ良過ぎて。
陛下の危機にギリギリで間に合ったが、肩を刺され、そのまま敵と戦ったなんて、まさに正義の味方の登場だ。
そして、敵の根城を捜索し、二度目の襲撃は瞬殺。
そんな物語のような人をどうして陛下は怖がってたんだろう。
でも今はすっかり、ジュリア様に心を開いたとか。
お父様なんか友達になったと言っていた。
お母様とおば様はジュリア様にキャーキャー言ってサインを貰っていた。
シアのお母様は厄除けにするとサインを飾っていた。
サイモン様とも仲良くなり、と言うかシアといい感じになっていた。
もうすぐ休みも終わる。
終わったら後は卒業式、そして結婚式だ。
濃密な三年生ももうすぐ終わる。
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