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初めての…
しおりを挟む私とロイはカイルおじ様のプレゼントから開けていくことにした。
開けると、何か飲み物?薬?が数本入っていた。よく見ようとしたらロイがサッと取ってしまい、一本だけサイドボードの引き出しに入れた。
「ロイ、今の何?薬?よく見えなかった。」
「そう、薬!頭が痛くなった時に飲むようにって。」
「それ大事だね。さすが父親だね」
「そうだね」
次はシェリルおば様からのプレゼントを開ける。
「これは服だね…それも女性物だよ。たくさんあるけど、メイドさんの制服とか…あ、これは病院でよく見たね、看護師さんの制服だ。どうするの、これ?ロイ、集めてるの?」
「・・・集めてはいないけど…制服は好き…かな…」
「へえ~そうなんだ。私も着てみたいかも!」
「え?リリー着てくれるの?」
「寒いから何か着ようかな。メイド服、可愛いね」
「やっぱり今度にして!」
「だって寒いから」
「ダメ!寒いならもっとくっ付いて・・やっぱりダメ、くっつかないで!僕のガウン着て!」
「どっちよ!じゃあ、ガウン貸してね。」
次はレイおじ様のを開ける。
「なんだろこれ、たくさんいろんなもの入ってる。これは…軟膏?糊?ヌルヌルしてるよ、何これ?
これは…塗り薬?薬臭いから傷薬かな?
もう一つは…あ、これは分かる。回復ドリンクだ。徹夜明けに飲んだことあるよ。
カードも入ってるね。」
とカードを出した途端ロイに取られた。
サッと読んでまた引き出しに入れた。
「なんて書いてあったの?」
「・・・傷が痛んだら塗ってって。どこにでも塗れるからって。」
「レイおじ様、ロイの事心配してるんだね、良かったね、これで痛みが出ても安心。」
「そう…だね…」
「ねえねえ、この不気味な物は何?良い香りだけど、何する為のもの?」
「これは・・・・・・ほら!ずっと入院してて肌が乾燥してカサカサなんだ、それで保湿液かな…」
「カサカサには見えないよ、ツルッツルだよ。」
「そうかな、叔父上にはそう見えたのかも。」
「なるほど。」
「ハア~~~」
「大丈夫?ロイ疲れた?」
「大丈夫だよ、次見よう。」
次はお父様とお母様のだ。
「あ!枕だ。二つあるね。結婚してから使えって事かな。なんか恥ずかしいね…。
でもこれ、青の方はシンプルでおしゃれだけど、ピンクの方には模様があるよ。
まる?後ろはバツ?変な模様だね…でも可愛いよ。」
「・・・リリーは常に丸を表にして使って!お願い!」
「別にいいけど…なんで?」
「・・・リリーにバツがつくのが嫌だから!」
「そういえばそうだね。なんか離婚しそうだもの。」
「そうそう。」
次は殿下のだ。
「殿下のはあんまり期待出来ないなぁ~。
あれ?これも瓶だ。また薬かな?高そう…説明書付いてるよ」
ロイがまた取り上げようとするのをかわし、説明書を読んだ。
えーと、性交後二日以内に飲む事。性交前に飲めば避妊にもなる・・・・・
避妊・・・
「…大事だよね、こういうの…。」
「…そうだね。」
やっと分かった…今までの物が何か…。
聞いた事はあっても見た事はなかったから全く気付かなかった…。
でも、お父様達のがイマイチ分からない…
ロイの顔を見る。
ロイが真剣な顔で私を見ていた。
「リリー、みんなが後押ししてくれるのなら、僕は期待に答えるよ、いい?」
いつも照れて狼狽えるロイが、真剣な顔で言う。
小さく頷いた。
そこからはもう恥ずかしいやら気持ち良いやらで、最後の方は気を失ってしまった。
朝方目が覚めてロイを見ると爆睡していた。美形は爆睡してても綺麗だ。
涎も垂らさないし、イビキもかかない。
寝ている間に身体を綺麗にしてくれて、シーツまで変わっていたのはロイがやってくれたのだろう。
じっと見ていたら目が開いた。
しばらくボォーっと見ていたら急に恥ずかしくなってロイにくっついて顔を隠した。
「リリー、まだ起きるのは早いよ。それにそんなにくっ付いたらまたヤルよ。」
「⁉︎今日はもう勘弁して!」
「冗談だよ。身体は大丈夫?」
「普段しない体勢になったからあちこち痛いし、まだロイが・・・」
「「・・・」」
「か、回復薬飲んだら楽になるよ、せっかく叔父上がくれたんだから飲んだら?」
「・・・うん」
回復薬と避妊薬を飲んで二人で抱き合って眠った。
だいぶ日が高くなった頃、目が覚めるとロイはすでに起きていた。
ベルを鳴らしメイドを呼んで私の支度を頼んでいた。
なんだか身体中のいろいろな跡が恥ずかしくて顔を上げられなかった…。
着替えが終わり、ロイの所に戻ると朝食が置いてあり二人で食べた。
ロイが私を膝に乗せて食べさせたがるのを必死に断ったが、その代わり食べさせろというので食べさせた。
食べたら、残ったプレゼントを開けよう!
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