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グランディ家の団欒?
しおりを挟む〈グランディ家〉
「別邸に行って、ロザンナと話してきた。身重の身体での生活が不安で咄嗟に演技をしてしまったそうだ。
ロックハートの息子も殺してないし、薬も盛ってないと言っていた。
冷静に話せば、きちんとした人だった…。
あの時、僕達が騒がなければ、おそらく正直に話していただろう。
ロックハート家では入った時から冷遇されていて、よく覚えていないようだった。
忘れたかったんだろう。
夜会は義理の息子の代わりに出ただけだと、
夜会に出る事も最後だろうから出席したと、
ワソニック夫人が言っていた話しと同じ事を言っていた。
水を頼んだのは男で、持ってきた人物と同じだったらしいが、顔は覚えてないそうだ。」
「そうか…こっちが騒がなければこんな事にはならなかったんだな…申し訳ない…。」
「レイモンドは随分絆されたんじゃない?
離縁は辞めとく?」
「もうウチとは関わりたくないだろう。
離縁するまでは支援するつもりだよ。」
「まだ時間はあるし、その時に考えればいいわね。とりあえず話しが出来て良かったわ。」
「タニヤの事はどうする?」
「学院側からタニヤは辞めた方がいいんじゃないかと言われた。
タニヤ自身が辞めたければ辞めていいとはロザンナに言ってきた。
また、改めて話しをしてくるつもりだ。」
「そうか、謹慎開けまで時間がある。それまでに決めればいいだろう。」
そこへロナルドが来た。
「今、よろしいですか?」
「何か合ったのか?」
「タニヤ親子の事を、殿下に話しました。」
「殿下はなんと?」
そしてロナルドは殿下が推理した内容を話した。
「その可能性が高いな。」
「凄いわね、殿下。」
「殿下が影に調べさせています。」
「影を使ってくれたのか!それは助かる。」
「リリーにも伝えたので、アラン父様にも伝わったと思います。」
「前から思っていたのだけれど、ロナルドはその呼び方、気にはならないの?」
「僕は気に入っていますので。それにリリーの両親に気に入られたいので。」
「お前は本当にリリーちゃん優先だな。なんなら私の事もカイル父様と読んでくれてもいいぞ。」
「あら、それなら私の事もシェリル母様と呼んで欲しいわ。」
「じゃあ俺も、リリーちゃんと同じ、レイおじ様でいいぞ。」
「嫌ですよ、なんで身内なのに名前付けて呼ばなきゃならないんですか!
でも、叔父上の呼び方は惹かれます。リリーと同じなので。」
「オオーー!やったーー!」
「狡いぞ、レイモンド!」
「そうよ、狡いわ!」
「そんな事より、殿下の婚約者が決まりそうですよ。」
「「「え?ホントに?誰?」」」
「イーガー家のカトリーヌ嬢です。」
「えーーーーー‼︎イーガー家?」
「そうです。殿下がベタ惚れです。」
「いやあ、とうとう殿下の婚約が決まったかあ~」
「なかなか決まらなかったからなぁ、陛下も喜ぶだろう。」
「そうね。イーガー家なら丁度いいし。」
「じゃあ、ルイジェルド殿下はグランディ家とワソニック家のバックに付いたも同然だな。何てったって『愛でる会』代表を嫁にするんだからな。」
「バックに付くかは分かりませんが、隠密がいるので大丈夫でしょう。」
「お前、隠密いるの?グランディ家にそんなのいないけど。」
「違いますよ、カトリーヌ嬢のことです。僕がそう呼んでるだけです。」
「それにしたって、隠密って…。」
「そうよ。女の子なのよ、もっと呼び方あるでしょう?」
「リリー以外の名前を必要な時以外では呼びませんから。」
「はいはい、好きになさい。」
「お前は結婚して子供が生まれたら子供にも嫉妬しそうだな。」
「・・・・子供」
「やめろやめろ、いろんな想像するな!」
「見た目良いのに、なんでこんなんになっちゃったのかしら…私達の育て方が悪かったのかしら…」
「違う違う、キース様のせいだ!」
「「あ~~そうかも」」
「“リリーちゃんが好き”ってなってから、キース様がロナルドに英才教育したのよね、リリーちゃんの。」
「誰も止められなかったんだよな、ロナルドも喜んでたし。」
「あの時は楽しかったですよ。」
「分かった分かった、ほら疲れただろ、もう寝ろ。」
こうしてグランディ家の団欒?は終了した。
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