私の婚約者の苦手なもの

jun

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プロポーズ

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ルイジェルド視点

昼休みの騒ぎをロイに説明してもらい、どういう事なのか理解した。
ロイとリリーちゃんでタニヤを俺に近付けないようにして、トリーちゃんとの時間を確保出来るようにしてくれていた。

リリーちゃんに言われた通り、俺を避けているトリーちゃんを諦めずに追いかけ回していた。
戸惑いながらも、話しかければ笑顔を見せてくれるトリーちゃんが愛おしい。

いつから好きになったのかは分からない。
最初に話した時から気になった。

少し揶揄うと顔を赤くして怒るのも可愛い。
気付けば彼女を考えてしまっている自分が信じられない。
最近は悲しそうな顔をよくしていた。
俺はトリーちゃん…カトリーヌには笑っていて欲しい。

いつも俺を見て恥ずかしそうに笑うカトリーヌを思い出す。
そしてこれから俺は、生まれて初めて好きな子に告白する。

昼休みに放課後執務室に来て欲しいとカトリーヌには伝えてある。

そろそろ来るだろう。

そして、彼女が来た。

「トリーちゃん、ごめんね、呼び出して。ちょっと座って。」

「殿下の、隣りに座るなど滅相もないです。」

「座らないと帰れないよ。」

「・・では失礼します。」


「・・・」

「・・・」

「緊張するな…え~さっきの話しの続きがしたいんだ。」

「はい…」

「ハッキリ言う。
オレはトリーちゃんが好きだ。これは揶揄って言ってるんじゃないんだ。
君の、真っ直ぐ前を向く綺麗な瞳が好きだ。
一生懸命で、誠実で、優しくて、人の痛みの分かる君が大好きだ。最初に話した時から多分好きになってた。

オレは口も悪いし、態度もデカい、女心なんて一つも知らん。
そんなオレでもいいなら、一緒になってくれないか?
俺の隣りにずっといてほしい!」

「・・・わたくしは、今まで影に隠れるように過ごしてきました。
幼い頃から、リリー様とロナルド様を見てきて、あのように互いを守り、慈しみ、楽しげなお二人が大好きでございました。
今までのわたくしの人生の主人公はお二人でした。
お二人を見ているだけで幸せでございました。
ですが近頃、お二人が近くにいらっしゃるのに幸せではないのです…

殿下がタニヤ様に触られたり、抱きつかれたりされるお姿が頭から離れないのです…

殿下から離れようと思いました…。
でも、離れたくないと思ってしまいました…。

苦しくて、辛くて…初めてのことでどうすればいいのか分からなくて…。

わたくしは殿下のお側にいてもいいのですか?
ずっと殿下はお側にいてくださるのですか?」


「トリーちゃん、いや、カトリーヌ。
ずっと側にいる。だから君もオレの側にいてくれ。お前が好きなんだ。」


「嬉しい・・私も殿下の事が大好きです…」


オレは静かに泣くカトリーヌを抱きしめた。

何度も抱きしめたかったのを我慢した。

やっと抱きしめる事が出来る。

泣き続けるカトリーヌの背中を優しく撫でる。

ああ、なんて愛おしいんだろう。

泣いているカトリーヌの顔を挙げさせる。

涙を指で拭い、目元に口付け、唇に触れるだけの口付けをした。

真っ赤になったカトリーヌ。

可愛い。




オレは、腕の中にいる可愛いカトリーヌを強く抱きしめ、
幸せにすると誓った。







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