60 / 125
辛い
しおりを挟むルイジェルド視点
ホンットに鬱陶しい!
アイツ何なんだ!
注意しても注意しても、
怒っても、怒鳴っても、諦めない。
オレ、王族なんだけど。
バカなの?
バカなんだろうな…
あの、正門で注意して以来、
共用の場所の食堂や図書館、正門前、講堂、ありとあらゆる共用箇所に現れる。
共用の場所以外には入り込まないからまだ良いが、待ち伏せしやがる。
せっかくトリーちゃんと良い感じになってきた矢先にだ!
絶対許さん!
ハア~でも憂鬱だ…
てっきりロイ狙いだと思ってたのに、まさかの、オレ。
最近は抱きついてきたり、
身体を押しつけたりしてくる。
トリーちゃんなら嬉しいが、アイツはダメだ。
鳥肌ものだ。
咄嗟で避けきれない時、トリーちゃんが近くにいた。
その時、トリーちゃん、泣きそうな顔をした。
あれ?ひょっとしてって思った。
もしかして…。
嬉しくて、
こんな感じ初めてで、
ヤバい…オレが泣きそう。
な・の・に!
アイツが邪魔してくる!
だから最近はトリーちゃんの兄貴のサイモンを近くに置いてる。
トリーちゃんも少しは安心だろう。
それにしても、どうにかならんかなぁ、
ロイに相談しようかな…
〈カトリーヌ視点〉
最近、わたくしおかしいのです…。
あんなに近くにリリー様達がおりますのに、元気が出ないのです…。
リリー様の友達に昇進したわたくしは、お二人と一緒が多いのですが、ロナルド様の視線が怖いので、理由を付けてはリリー様達から離れます。
図書館に行って本を読んだり、授業の復習をしたりしてますと、ルイジェルド殿下がいらっしゃいます。
最初は、臣下としての距離を取り、対応していましたが、殿下は気になさらずグイグイ近寄って来ますので、戸惑ってしまいます。
そんな事が続きますと、慣れ、と言いましょうか、段々とそれが当然のようになってきていました。
殿下は会話が上手く、こんなわたくしでも楽しくて笑ってしまう事も多くなってきました。
ところが、途中からタニヤ様が殿下に絡んでくるようになりました。
近過ぎる距離に注意しましたが、全く聞いてもらえません。
殿下も注意したり、怒鳴ったりと牽制しますが、タニヤ様は全く気にならないようで、毎回現れては、殿下に抱きついたり、身体を押しつけたりしております…。
とても、とても嫌な気持ちになりました。
ロナルド様にも似たような方がよく絡みそうになっていましたが、
ロナルド様は俊足を活かし、即座にリリー様の元へ走って行かれていたので、あまりそういった場面には、遭遇しませんでした。
そんな事が続き、段々、殿下と居るのが辛くなってきてしまいました…。
お話しがしたいのに、側にいるのが辛いのです…。
わたくしは、どうしたのでしょうか…。
殿下から離れたら治るのでしょうか…
67
お気に入りに追加
863
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
嫌われ者の悪役令嬢の私ですが、殿下の心の声には愛されているみたいです。
深月カナメ
恋愛
婚約者のオルフレット殿下とメアリスさんが
抱き合う姿を目撃して倒れた後から。
私ことロレッテは殿下の心の声が聞こえる様になりました。
のんびり更新。
【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる