57 / 125
どうでもいい
しおりを挟むロザンナ視点
ハア~こんな所に来たくなかった。
意外と前の旦那の男爵はいい人だった。
歳は離れてたけどのんびりした穏やかな人だった。
血の繋がってないタニヤを孫のように可愛がり、私を娘のように可愛がった。
やる事はやっていたが。
タニヤを甘やかし過ぎて今あんな感じになってしまったけど低位貴族か商人辺りと結婚出来ればいいかと思い、気にはしなかった。
でも旦那が病いで亡くなってからおかしくなった。
最初の結婚も別に結婚なんてしてくれなくても良かった。
皆んなに嫌われ、唯一の味方の若旦那様も呆気なく亡くなってしまった。
周りはさも私が殺したように言っていたが、私は殺してなんかいない。
その後男爵と結婚したが、生活が安定したのでそれなりに幸せだった。
私は見た目が派手で男好きに見えるらしく、こっちにその気がなくても勝手に寄ってくる。迷惑な事だ。
断れば勝手に私の悪口を言いふらす。
男爵が亡くなってから、知り合った平民の男性と付き合い始めた。
娘も大きくなったし、そのままその人と一緒になってもいいかと思ってた。
最後だからと行った夜会で、なにもかも狂った・・・
そこで、以前知り合いに紹介してもらったエール子爵に会って挨拶していた時、急にエール子爵がフラフラし始めて、休憩室に連れて行こうと、近くにいた使用人に水を頼んでから連れて行った。
子爵はほとんど意識が無さそうだったけど、
持ってきてもらった水を飲ませ、ベッドに寝かせて一息ついた。
私も水を飲んでしばらくすると身体が熱くなり、動けないでいると、子爵も熱いのか服を脱ぎ出し、私をベッドに引き倒した。
私も朦朧としていたのでそれからは二人で明け方近くまで交わってしまった…。
それからは私も訳が分からなくて泣きじゃくってしまったため、子爵の屋敷に連れて行かれて、昨日の状況を説明した。
頭がボォーっとしてて、使用人が持ってきた水を飲んでおかしくなった事を言えなかった。
医者に見せると言われたが、怒っている人の所では嫌だったので、嫌だ、怖いと家に帰らせてもらった。
家に帰り、まだ怠いので横になった。
次の日になっても、また次の日になっても体調が良くならない。
子爵から来いと言われても体調が悪くて動けないし、食事も出来なかったので、待ってもらった。
一週間経った時、
ひょっとしてと思い、医者に診てもらったら、妊娠していた。
良かった、これで子爵の子を妊娠する事はないし、彼の子が出来て嬉しかったのですぐ彼に連絡した。
彼は喜んではくれなかった。
それから連絡もつかなくなって、会う事もなかった。
子爵との事があってから三週間経っていた。
途方にくれていた。
もうどうでもいいと思い、屋敷に行って妊娠したと言ったら、子爵の子だと思われたらしく、その時“これで生活していけるかも”と思ってしまい、つい演技をしてしまった。
今思えば馬鹿なことをしたと思うが、もう遅い。
あれよあれよと言う間に入籍となった。
入籍した途端、子供は流れてしまった。
良いのか悪いのか、もう分からない…
子爵のお兄さんも奥さんもワザとだと思っているようだ。
それなら離縁してもらおうとお金を使いまくったら、
この別邸に連れてこられた。
監視するつもりなんだろう。
もうどうでもいい。
何もしなければそのうち離縁してくれるだろう。
どこからやり直せば良かったんだろう…
もう分からない…
21
お気に入りに追加
764
あなたにおすすめの小説
元美容師が、異世界に転生した結果〜天才美容師が美少女改造〜
ぱっりん
ファンタジー
有名美容室で働く、
神田美羽。
人気の美容師だったが
事件に巻き込まれ死んでしまう。
生まれ変わった先は、異世界でー!?
美容師が、異世界で人を可愛くしながら
謎をといてくファンタジーもの。
嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。
しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い!
声が出せないくらいの激痛。
この痛み、覚えがある…!
「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」
やっぱり!
忘れてたけど、お産の痛みだ!
だけどどうして…?
私はもう子供が産めないからだだったのに…。
そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと!
指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。
どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。
なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。
本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど!
※視点がちょくちょく変わります。
ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。
エールを送って下さりありがとうございました!
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
透明令嬢、自由を謳歌する。
ぽんぽこ狸
恋愛
ラウラは仕事の書類に紛れていた婚約破棄の書面を見て、心底驚いてしまった。
だって、もうすぐ成人するこの時期に、ラウラとレオナルトとの婚約破棄の書面がこんな風にしれっと用意されているだなんて思わないではないか。
いくらラウラが、屋敷で透明人間扱いされているとしても、せめて流行の小説のように『お前とは婚約破棄だ!』ぐらは言って欲しかった。
しかし現実は残酷なもので、ラウラは彼らに抵抗するすべも仕返しするすべも持っていない、ただ落ち込んで涙をこぼすのが関の山だ。
けれども、イマジナリーフレンドのニコラは違うと言い切った。
彼女は実態が無くラウラの幻覚のはずなのに、力を与えてやると口にしてきらめく羽を羽ばたかせ、金の鱗粉を散らしながら屋敷の奥へとツイッと飛んでいったのだった。
【完結】悪役令嬢を期待されたので完璧にやり遂げます!
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のマリアンヌには第一王子ジャルダンという婚約者がいた。
しかし、ジャルダンは男爵令嬢のロザリーこそが運命の相手だと豪語し、人目も憚らずに学園でイチャイチャしている。
ジャルダンのことなど好きではないマリアンヌにとってはどうでもいいことだったが、怒った父の公爵が婚約破棄の準備を進める中、マリアンヌは自分の噂話の現場に出くわしてしまう。
思わず聞き耳を立てると、最初はジャルダンとロザリーの非常識な振舞いに腹を立てているありきたりな内容は、次第にマリアンヌが悪役令嬢となってロザリーにお灸をすえて欲しいという要望に変わっていき――
公爵令嬢として周囲の期待に応えることをモットーとして生きてきたマリアンヌは、完璧な悪役令嬢となってロザリーに嫌がらせを行うことを決意する。
人並み外れた脚力と腕力を活かしてヒロインに嫌がらせを行い、自分のアリバイをばっちり作って断罪返しをする悪役令嬢……を期待された公爵令嬢のお話です。
ゆるい短編なので、楽しんでいただけたら嬉しいです。
完結しました。
コミュ障の魔術師見習いは、バイオリニスト志望?の王子と魔物討伐の旅に出る
きりと瑠紅 (きりと☆るく)
ファンタジー
ナルスタス王国の宮廷魔術師レオニー・ダルトンは、16才年下の愛弟子アナイス・ボーンと魔棟で暮らしている。アナイスは、周囲の大人に放置されて育った、コミュ症で身なりに無頓着な引きこもり女子だが、魔法陣を描くことが大好きで、レオニーとは、彼女が考えた魔法陣をレオニーが補完して新しい魔法を完成させる、という協力関係にあった。
人慣れしていないアナイスは、レオニーには安心しきっており、レオニーが魔法でアナイスをあれこれ変身させて楽しむのを喜んでいる。そんなアナイスに父性を感じるレオニーは、アナイスを社会に順応させるため、アナイスが密かに思いを寄せるお子様受けNo.1の騎士様、オーギュスト・ハーンとのデートをもくろむ。彼の夢は、アナイスに純白のウェディングドレスを着せて、騎士様(あるいは同等以上の男子)に嫁がせることだった。
そんなある日、国の第一王子ロレンツィオが、在籍する芸術学院で、全校生徒の前で婚約破棄宣言をする。彼は、舞台上でロザリンド・フェデラー伯爵令嬢とのピアノとバイオリンの二重奏を披露し、拍手喝采を浴びているところへ婚約者ユリアナ・バートン公爵令嬢が花束を持ってきたことで、憤慨し、日頃の鬱憤をまき散らす形で宣言をしたのだが、この行動が波紋を呼ぶ。
事態を重く見た学院理事長と国王は、王族を抜けバイオリニストになりたいという王子に、それを認める条件として、①魔物討伐隊の演習について未開の森へ行き、ゆらぎに弱いとされる魔物の前でビブラートを効かせたバイオリン演奏をし、眠らせること、②その後、森の西方に住む賢者のところへ行って腕前を披露し、合格判定をもらうこと、の二点を要求する。そのバイオリンの腕試しとも言える王子の旅の同行者に選ばれたのが、アナイスだった。
一方的な選抜に反発するレオニーだが、アナイスを妹分とする第二王子ベルナンドの働きかけもあって、思い直し、レオニー特製の装備(魔法を仕込んだ杖と様々な仕掛けがある衣装)をもたせ、送り出す。だが、それらが上手く作動しない。原因は、魔法騎士を長く務め、バイオリンの腕前も確かな賢者だった。結局、賢者に会う前にロレンツィオ王子はリタイアするが、その彼の前に賢者が現れ、判定を告げる……。
愛されなければお飾りなの?
まるまる⭐️
恋愛
リベリアはお飾り王太子妃だ。
夫には学生時代から恋人がいた。それでも王家には私の実家の力が必要だったのだ。それなのに…。リベリアと婚姻を結ぶと直ぐ、般例を破ってまで彼女を側妃として迎え入れた。余程彼女を愛しているらしい。結婚前は2人を別れさせると約束した陛下は、私が嫁ぐとあっさりそれを認めた。親バカにも程がある。これではまるで詐欺だ。
そして、その彼が愛する側妃、ルルナレッタは伯爵令嬢。側妃どころか正妃にさえ立てる立場の彼女は今、夫の子を宿している。だから私は王宮の中では、愛する2人を引き裂いた邪魔者扱いだ。
ね? 絵に描いた様なお飾り王太子妃でしょう?
今のところは…だけどね。
結構テンプレ、設定ゆるゆるです。ん?と思う所は大きな心で受け止めて頂けると嬉しいです。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる