私の婚約者の苦手なもの

jun

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突然

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翌日、今まで通りロイと朝食を食べて、一緒に登校した。


正門の所にトリーちゃんがいた・・・


ルイジェルド殿下もいた…


「「殿下、おはようございます。」」

「おはよう!」

「トリーちゃん、おはよう。昨日はありがとう!ロイと仲直り出来たよ!」

「リリー様、おはようございます。
今日はリリー様が笑っていらっしゃるから仲直り出来たのだと分かりました。
安心しました。」

「トリーちゃんのおかげだよ、本当にありがとう。
トリーちゃんが居なかったら私、きっとまだロイと仲直り出来てなかったと思う。
トリーちゃんがいてくれて良かった!」


「グッ…⁉︎
リリー様、それ以上はご容赦下さい、これ以上は鼻血が出てしまいます!」

「なんで?」

「まあまあ、リリーちゃん、分かってあげて。それより、リリーちゃんも“トリーちゃん”って呼んでるの?
ダメだよ~“トリーちゃん”はオレが呼ぶ愛称なんだから!」

「あれ?いつの間にそんな仲になったんですか?」

「秘密~。ねえトリーちゃん。」

「ルイジェルド殿下が勝手に呼んでるだけでございます。」

「つれないなぁ。
オレはトリーちゃん好きだから。」


「「「⁉︎」」」

「さあさあ、遅刻しちゃうよ。行こう。」



と、その時、

「ロナルド、酷い!置いていくなんて!」

と声がした。


「リリー、行こう。」
と私の手を掴んで先に行こうとする。


「待って、ロナルド~!」

「待て!お前誰だ?」

「あ!貴方も素敵ね~」

「だから、お前誰だ!」

「私はタニヤよ!あなたこそ誰よ!」

「オレは、ルイジェルド・マクドリア、この国の第二王子だ!」

「あ!」

「お前、挨拶も出来ないの?お前の家、ロナルドよりも高位なの?オレより上なの?
ロナルドは婚約者がいる。馴れ馴れしくするな!」
と殿下が捲し立てた。

「あの…すみません…」

「ロイ!リリーちゃん連れて早く行け!」

「殿下!ありがとうございます!」

私達は急いで教室に向かった。




教室に着いて、

「なんか凄い人だね…」

「あいつは淑女科だから、こちらには来れない。
あんな所でグズグズしてたから見つかった。

隠密、あいつの顔、覚えたか?」


「はい。しっかりと。」


「アイツは、春先に出た気持ち悪い女とクォーツ伯爵令嬢を足したような奴だ。
注意してくれ。」


「御意」


「わあ…間近で見ると、なんていうか・・・同級生には思えないね。」


「何言ってんの、リリー」


「いや、だって、“御意”なんて言葉、日常では聞かない単語だから、カッコいいなぁって」


「リリー様、お気に召さなければ、変えますが?」


「いやいや、“御意”でいいよ、カッコイイから!

でも、跪かなくなって良かった。今まで気になってたから。」


「あ⁉︎・・・申し訳ございません、忘れておりました。」


「あはは、良いよ、アレ、ギョッとするから。」


「そうだったんですね…それでは跪くのは、なしでお願いします。」



そんな話しをしていて、正門での事は忘れてしまっていた。





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