私の婚約者の苦手なもの

jun

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尋問

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二人でオイオイ泣いていた為、起こしてしまった…。


鎮静剤がまだ効いてるのか、ボォーっとしているが、上半身を起こしてこちらを見ている。


ベッドに近づこうとしたら、ロイに止められ、ロイが行こうとしたら、カトリーヌ様に止められた。


「私が参ります。お二人は医師をお呼び下さい。」

と、目と鼻を赤くしたカトリーヌ様が私達に指示を出す。


二人で医師を呼びに行くことにする。


他の別室を覗くといらっしゃったので彼女の意識が戻った事を伝える。


殿下にも伝え、四人で戻ると、なにやら険悪な空気が漂っていた。


医師が診察し、興奮状態は治まっており、話しても大丈夫となった。


殿下が、

「意識が戻ったんだな、イレーネ嬢。講堂での事は覚えているか?」

「まったく覚えておりません。」

「自分が何をしたのかも覚えていないのか?」

「はい」


私達は顔を見合わす。


カトリーヌ様は鬼のような顔で彼女を見ている。



「ではどこまで覚えているんだ」

「集会が終わり調査書を提出する所までです。」

「分からなくなるまでを細かく説明してもらえないだろうか?」

「・・・分かりました。渡された調査書を記入して出口の医師のところに持って行き、渡した所までは覚えております。」

「どの辺で記入していたのだろうか。近くに誰がいた?」

「・・・場所は空いている所に座って記入しましたので、ハッキリとは…。」

「ある程度で構わない。特定しなくても大体この辺だと分ればいいのだが。」


「・・・大体ですか…出口から離れた端の方で記入しました…。」


「端とは?先生達は出口に向かって右側に集まっていた。左側にはオレやロイがいた。どっち側だろうか?」


「左側です。」


「調査書を渡したのはどこにいた医師に渡したのだろうか?医師は10人で回収していたが。」


「・・・右側に近い医師に渡しました。」


「分かった。意識が戻ったばかりの時にすまなかった。もうしばらく休んで医師の指示に従ってくれ。」

「あの!一人は心細いのでどなたか付いてて下さると助かるのですが…。」

「医師が付いてるので一人ではない。ゆっくり休んでいてくれ。」

「・・・・・・・・分かりました。」

「それでは邪魔をした。」

「あの、ロナルド様!ありがとうございました!」

ロイは一瞥もせずスタスタと私の手を引いて退室した。










部屋を出た瞬間、四人の力が一気に抜けたのが分かった。


「なんだか緊張しました…。」と私。

「あいつ何か隠してるな。」と殿下。

「そうですね。」とカトリーヌ様。

「・・・」
ロイは一言も話さない。繋いでる手は力が入っていて少し痛い。

「ロイ、どうしたの?」

「リリーはどこで記入したの?」

「う~ん、近くで空いてたのが先生達がいた方かな。そのまま真正面の方に渡しに行ったよ」


私以外の3人の顔が厳しくなったのが分かった。


ロイが、
「リリー、少し殿下と確認したい事があるから隠密と待っていて。隠密、リリーを頼む。」

「御意」

「え?え?隠密って何よ?お前隠密いるの?それにトリーちゃん、御意って…。」
と騒いでる殿下をロイが引っ張って行った。


残った二人…。


とりあえず教室に向かうことにする。


「あの、カトリーヌ様…」

「リリーナ様、呼び捨てで構いません。カトリーヌとお呼び下さったら嬉しいです。」

「流石に呼び捨ては出来ないので…じゃあカトリーヌさんとお呼びしますね。
私の事はリリーナでもリリーでもお好きに呼んで下さい。」

「私の事はなんとお呼びしても構いません。リリーナ様のことを呼び捨てなど出来ませんので…では、リリー様とお呼びさせて頂きます。」

「話し方もそんな堅くなくてもいいんじゃないかな?私達、もうお友達でしょ?」

「ぐっ!…」

「大丈夫?カトリーヌさん。手、痛い?」

「いえ、お構いなく…リリー様の可愛らしさにやられただけでございます。」

「なにそれ、可笑しいの、カトリーヌさん。」

何故か目を瞠るカトリーヌさん。
ちょっと怖いよ。

でもリアクションが面白いカトリーヌさんとクスクス笑いながら、二人で教室に向かった。










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