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今すぐ結婚してしまおうか
しおりを挟むロイ視点
例の赤鼻女が登校してきた。
あれから2週間ほどたっている。
朝からの突撃に備えていたら、まったく寄り付いてこなかった。
寄りつかないどころか、机からほとんど動かない。
侍らせていた男達にも目もくれず、ひたすら勉強している。その姿は鬼気迫るものだ。
ま、来ないに越した事はないので一安心だ。
リリーにも何かすることもなさそうだ。
リリーは相変わらずビカビカ虫対策に夢中だ。
それはそれで堂々と抱きつけるので良いが、なんだか良からぬ事を考えていそうで少し心配だ。
今日は虫が髪に絡まったら大変と言い、リリーが結ってくれるとの事。
至福の時間だ…。
昼休み前の休み時間に、ブラシ片手に僕の髪をとかすリリー。
いつまでも結わないリリーに、
「結わないの?」
と聞けば、
「ロイの髪はサラサラで、いつまでも触っていたいから、結わない!
でもこんど三つ編みさせてね!」
とご機嫌に髪を梳いている。
髪だけでなくどこでも好きなところを触ってくれていいんだけどね~。
昼休み、リリーと二人でランチを楽しんでいたら、何ヶ所かで女子生徒が倒れた。
何気に視線をリリーから外すと、突然女子が倒れる。
僕と目が合ったとかで倒れるらしい…。
ハァ~めんどくさいな…。
目が合った覚えはないんだけどね。
リリーが急にビカビカ虫の事を聞いてくる。
最近目撃してるかと。
毎日見かけると言えば、目をまんまるにする。
可愛いーーー!
見かけたら教えろというので、倒れている女子生徒を指さす。
僕にとっての虫は子供の頃から擦り寄ってくる女性達の事なので、何も間違えてはいない!
鈍すぎるリリーは都合よく現れたビカビカ虫を怖がっていると思っているが、決して僕は虫など怖くない。
おそらくリリーの方が虫が怖いだろうと思う。
以前顔より大きい蛾を見て泣いていた。
可愛いなあ!
リリーが女子生徒の所に行きそうなので、
この場を後にするため手を引いて食堂を出たら、ブツブツ言い出し、動かなくなった。
動き出したと思ったら、
「裸になれ」
ここで?と思っていたら、また動かなくなり、呼びかけたら泣き出した。
僕が死んでしまうと、泣き、
何かを僕が産み出すと、泣き、
手が付けられない。
とりあえず移動しようと医務室に照れて行く。
医務室の先生に、午後の授業は休む事を伝えに行ってもらい、リリーを落ち着かせる。
しばらくしてようやく涙が止まり、説明を求めた。
僕がビカビカ虫の母体…
なんて恐ろしい想像をするんだよ、リリー!
ちょっとザワザワしたが、僕を心配して号泣するリリーに、こっちが泣きそうになるくらい嬉しい!
リリーの心配事を無くすために裸になろうと言えば、
真っ赤になって、阻止している。
可愛くて、少し背中が痒いと揶揄ったら、
急にシャツを捲り上げ、背中を撫で回してきた。
ヤバい!ちょっ、ちょっと、やめて、リリーさん、辞めてくれませんか?
心の中の声を必死に堪え、拳を握る。
挙句に可愛い顔で「背中綺麗ね」とトドメを刺してくる。
きっと僕の顔は真っ赤だろう。
それに気付き、リリーも赤くなる。
今すぐ結婚するか!
うん、しよう!
あ…アカン…そんな想像したら血流の流れが一箇所に集まってしまう。
リリーに頼んで延々視力検査をした。
何故か視力が上がっていた…。
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