私の役って一体何なんですか?

jun

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ピンク兄妹

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魔法学校のクラス分けは上級、中級、初級で分けられる。
私達は初等部を卒業してあるので、中級は確定している。
なので後は個人差で上級か中級に振り分けられる。
私達3人は上級クラスになった。
1年生の上級クラスは10人ほどしかいない。
2年生になったら、もっと増えるだろう。
3年生は半分は上級だが、魔法が苦手な人もいる。
なので、上級じゃないからダメとはならない。
だが性悪はいるわけで、学校を辞めてしまう人も数人はいる。
そしてこのクラスにも、そんな人と誤解されやすい人がいる。

「あら、ケイトリン様、あなたもこのクラスだったのね、授業について来れたら良いわね、ここにはサミーユ様はいないもの。」

「あ~はい。」

「あなた、何なのその返事は!貴方はいつでもそう、少しは反論しなさいよ!」

「嫌です。」

「どうしてよ!」

「間違った事を言ってませんから、サラ様は。私は兄やサミーユに勉強を教えてもらっています。
ですから、あながち間違っておりません。」

「え、あ、そうなの?分かっているなら良いのよ。」

言うだけ言って自分の席に付くサラ様。

「あの人は相変わらずね、喧嘩を売っているのか、友達になりたいのかどっちかにすればいいのに」とドリー。

「初等部入学の時からだもの、友達になりたいんだと思う。ケイトは可愛いし、ザイル様は素敵だし。」

「私は友達になりたいけど、承認がいる訳でもないから、私は友達だと思ってるよ、あの人意外と優しい所があるから。」

「まあね、サラ様はあの話し方がダメよね。」

「私達は分かってるけど、中途入学の人は、ちょっと怖いと思うわよね」

そんな会話しながら席についた。

そして気が付いた。
ピンクがいる。
女子6人、男子6人の計12名の中に、ピンクの髪の女の子と男の子がいる。
ほぼ初等部から一緒の人だが、ピンク2人は途中入学のようだ。

これは、まずいのでは・・・。

嫌だなぁと思いながら、先生を待った。

担任は、ファニー・ボアチェ先生。
ナイスバディの金髪・・・美女ではない。

「はい、今日から1年間貴方達の担任をします、ファニー・ボアチェです。
分からない事、困った事があったらいつでも先生に言ってください。
では、自己紹介をしていきましょう。」

皆、知り合いなので自己紹介も簡潔だ。
そしてピンク男子の順番となった。

「アンソニー・ラベルです。中等部からの入学となります。皆さん、よろしくお願いします。」
と案外丁寧に挨拶をした。
そして、ピンク女子。

「アンジェラ・ラベルです。アンソニーは兄で双子です。よろしくお願いします。」

あれ?普通だ。語尾が伸びない。

「今日はこれで下校となります。
明日は午前中、校内を案内した後、食堂でランチを全員で食べた後解散し、明後日から授業開始です。
では、皆さん1年間この教室で共に学習する仲間となります。
切磋琢磨し、特級を目指し頑張りましょう。」

先生が教室から出ると、

ピンク兄妹がバタバタと駆け寄ってきた。

「「お願いします!助けて下さい!」」

驚いてひっくり返りそうになったが、なんとか踏ん張り、ドリーの後ろに隠れた。

「あの突然何でしょうか?ケイトが怯えています。」

「すみません、驚かせてしまいました。
先程も自己紹介はしましたが、改めて、
アンジェラ・ラベルです。
こっちは兄のアンソニー・ラベルです。
実は私達、この見た目のせいで軒並み嫌われるんです・・・会った事も話した事もない人達に敬遠され続け、全くと言っていいほど友人が出来ません。
ここでは友人を作る事が私と兄の1番の目標なんです!
お願いします、私と兄と友人になっては頂けないでしょうか。
そして、どうして皆さん私達を忌み嫌うのか教えて頂けないでしょうか。」

「ちなみにどうして私達に声をかけたんですか?」

「皆さん仲が良さそうでしたし、お綺麗だったので…」

「なるほど。私は良いけど、ケイトとマレーヌは?」

「私は大丈夫。私はマレーヌ・ルグランです。アンジェラさん、アンソニーさん、よろしくお願いします。」

「そういう事なら私も友達になりたいです。私はケイトリン・ザンガイルです。よろしくお願いします、アンジェラ、アンソニー。」

「私はドリー・コザールです。よろしく、アンジェラ、アンソニー。」

「「ありがとうございます!」」

「良かった~また“近寄らないで”って怒られるかと思ってドキドキした・・・」

「俺も。毎回毎回、俺が何したんだよって思うほど、嫌われてたから嬉しい。」

これまでの不遇に苦しめられてきた二人はホントに嬉しそうだった。


そういえば、ピンクってだけで距離を置いていた私も、普通の人だっているって事を忘れてた。

「ごめんね、私も実はピンクの人達は苦手だったんだ…これからは気をつけるね。」

「それなんだけど、なんで俺達は嫌われてるの?理由が分からなくて対処も出来なかったから。」

「話しは長いから、屋敷で話そう。アンジェラとアンソニーは時間、大丈夫?」

「「大丈夫!」」

双子ってホントにハモるんだ…。


そして、私達5人と兄とサミーユとも合流し、我がザンガイル侯爵邸へと向かった。















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