3 / 17
ピンク兄妹
しおりを挟む魔法学校のクラス分けは上級、中級、初級で分けられる。
私達は初等部を卒業してあるので、中級は確定している。
なので後は個人差で上級か中級に振り分けられる。
私達3人は上級クラスになった。
1年生の上級クラスは10人ほどしかいない。
2年生になったら、もっと増えるだろう。
3年生は半分は上級だが、魔法が苦手な人もいる。
なので、上級じゃないからダメとはならない。
だが性悪はいるわけで、学校を辞めてしまう人も数人はいる。
そしてこのクラスにも、そんな人と誤解されやすい人がいる。
「あら、ケイトリン様、あなたもこのクラスだったのね、授業について来れたら良いわね、ここにはサミーユ様はいないもの。」
「あ~はい。」
「あなた、何なのその返事は!貴方はいつでもそう、少しは反論しなさいよ!」
「嫌です。」
「どうしてよ!」
「間違った事を言ってませんから、サラ様は。私は兄やサミーユに勉強を教えてもらっています。
ですから、あながち間違っておりません。」
「え、あ、そうなの?分かっているなら良いのよ。」
言うだけ言って自分の席に付くサラ様。
「あの人は相変わらずね、喧嘩を売っているのか、友達になりたいのかどっちかにすればいいのに」とドリー。
「初等部入学の時からだもの、友達になりたいんだと思う。ケイトは可愛いし、ザイル様は素敵だし。」
「私は友達になりたいけど、承認がいる訳でもないから、私は友達だと思ってるよ、あの人意外と優しい所があるから。」
「まあね、サラ様はあの話し方がダメよね。」
「私達は分かってるけど、中途入学の人は、ちょっと怖いと思うわよね」
そんな会話しながら席についた。
そして気が付いた。
ピンクがいる。
女子6人、男子6人の計12名の中に、ピンクの髪の女の子と男の子がいる。
ほぼ初等部から一緒の人だが、ピンク2人は途中入学のようだ。
これは、まずいのでは・・・。
嫌だなぁと思いながら、先生を待った。
担任は、ファニー・ボアチェ先生。
ナイスバディの金髪・・・美女ではない。
「はい、今日から1年間貴方達の担任をします、ファニー・ボアチェです。
分からない事、困った事があったらいつでも先生に言ってください。
では、自己紹介をしていきましょう。」
皆、知り合いなので自己紹介も簡潔だ。
そしてピンク男子の順番となった。
「アンソニー・ラベルです。中等部からの入学となります。皆さん、よろしくお願いします。」
と案外丁寧に挨拶をした。
そして、ピンク女子。
「アンジェラ・ラベルです。アンソニーは兄で双子です。よろしくお願いします。」
あれ?普通だ。語尾が伸びない。
「今日はこれで下校となります。
明日は午前中、校内を案内した後、食堂でランチを全員で食べた後解散し、明後日から授業開始です。
では、皆さん1年間この教室で共に学習する仲間となります。
切磋琢磨し、特級を目指し頑張りましょう。」
先生が教室から出ると、
ピンク兄妹がバタバタと駆け寄ってきた。
「「お願いします!助けて下さい!」」
驚いてひっくり返りそうになったが、なんとか踏ん張り、ドリーの後ろに隠れた。
「あの突然何でしょうか?ケイトが怯えています。」
「すみません、驚かせてしまいました。
先程も自己紹介はしましたが、改めて、
アンジェラ・ラベルです。
こっちは兄のアンソニー・ラベルです。
実は私達、この見た目のせいで軒並み嫌われるんです・・・会った事も話した事もない人達に敬遠され続け、全くと言っていいほど友人が出来ません。
ここでは友人を作る事が私と兄の1番の目標なんです!
お願いします、私と兄と友人になっては頂けないでしょうか。
そして、どうして皆さん私達を忌み嫌うのか教えて頂けないでしょうか。」
「ちなみにどうして私達に声をかけたんですか?」
「皆さん仲が良さそうでしたし、お綺麗だったので…」
「なるほど。私は良いけど、ケイトとマレーヌは?」
「私は大丈夫。私はマレーヌ・ルグランです。アンジェラさん、アンソニーさん、よろしくお願いします。」
「そういう事なら私も友達になりたいです。私はケイトリン・ザンガイルです。よろしくお願いします、アンジェラ、アンソニー。」
「私はドリー・コザールです。よろしく、アンジェラ、アンソニー。」
「「ありがとうございます!」」
「良かった~また“近寄らないで”って怒られるかと思ってドキドキした・・・」
「俺も。毎回毎回、俺が何したんだよって思うほど、嫌われてたから嬉しい。」
これまでの不遇に苦しめられてきた二人はホントに嬉しそうだった。
そういえば、ピンクってだけで距離を置いていた私も、普通の人だっているって事を忘れてた。
「ごめんね、私も実はピンクの人達は苦手だったんだ…これからは気をつけるね。」
「それなんだけど、なんで俺達は嫌われてるの?理由が分からなくて対処も出来なかったから。」
「話しは長いから、屋敷で話そう。アンジェラとアンソニーは時間、大丈夫?」
「「大丈夫!」」
双子ってホントにハモるんだ…。
そして、私達5人と兄とサミーユとも合流し、我がザンガイル侯爵邸へと向かった。
77
お気に入りに追加
559
あなたにおすすめの小説
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
侯爵令嬢の置き土産
ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。
「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。
悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる