252 / 263
二年目 駐屯所
久しぶりの箱庭づくり
しおりを挟む
『涙石』は『鉱石1』の区分に入るはずだから、必要魔力が五万も必要だ。
あれこれ悩んだものの、結局最終的にはカワウソさんとヤギさんと鳥さんの『常時発生』は諦めることにした。
『箱庭』が成長して、余裕ができてきたら設定していくことにしよう。
うん。
今回は仕方がないよね。
うっかりミスにため息を吐きながら、箱庭づくりを開始する。
「『領域作成』、『大地型』」
領域として選ぶのは、『大地型』と『洞窟型』の二種類。
今回は水の中の孤島を作るつもりだから、『素材回収所』と同じ『大地型』だ。
思えばこれも一年近く前にやったっきりだし、ちょっぴり懐かしい気分になっちゃうね。
そんなことを考えながら浮かび上がった文字を見て、一瞬、思考がとまる。
「うえ、基礎を水にはできないんだっけ……?」
作り始めたばっかりなのに、こんなところで突然の挫折だ。
領域の基礎に『水(下)』を使う予定だったのに、どうしよう?
今回は維持魔力さえ問題なく稼ぐことができるなら、『素材回収所』を作った時に用に大きな土地が必要ない。
だからこそ、水と土の割合を9:1にすることによって作成時のコストを下げようと思っていたのに、基礎に水が選べないなんて……
まさか、ここでも計算違いが発生するとは……
「仕方がないか……」
しょんぼりしつつ、基礎に『土(下)』を選択。
八千の計算違いは大きすぎる。
んー……
せめて、基礎の中に水場を作るんじゃなく、領域を追加する形で対応できないかな?
そっちが可能だったら、予定していた作成コストと同じで済むはずなんだけど……
半ば諦めつつも、ダメ元で『領域追加』と呟いてみる。
『領域追加』って、一通り作り終わった後に箱庭を広げるために使える選択肢だから無理だろうという、リエラの予測は嬉しい方向に裏切られた。
◇領域追加◇
現在の状態では領域追加作業は行えません。
配置対象・配置割合の選択がされていないため、領域追加は行えません。
一度、領域作成終了をした上で、再度ご選択ください。
え、それでいいの?
肩透かしを食らった気分になりながらも指示通りにすると、あっさりと水の領域を追加できた。
というか、最初に作る時点では水系の選択肢がなかったのに、領域を追加する場合にはその選択が可能だったみたいだ。
……新発見? なのかな??
なにはともあれ、島が大きくなりすぎたこと以外は予定通りに進められそうで一安心。
予定通りに水中の魔物達や、地上の野菜を配置し終えたリエラは、いざ『涙石』を配置しようとして首を傾げた。
「おかしいなぁ……」
何がおかしいって、『鉱石』の分類に『涙石』が入っていないのだ。
鉱石、だよね?
涙石って……
「そういえば、『砂利』『砂』『岩』なんて項目もあったような……」
……砂利と砂って、どう違うんだろう?
不思議に思って確認してみる。
結果は以下の通り。
砂利=指先~赤ん坊程度の大きさの石
砂 =砂利に満たない細かな石
岩 =砂利に含まれない大きな石
どうやら、大きさが違うだけで全部石らしい。
領域作成を終了にしなければいくらでもやり直しはきくんだし。
あまり期待せずに『砂利』を選ぶ。
◇『砂利』を配置します◇
配置できる対象は『涙石』のみです。
「え、ほんとに?」
思わずポロリと声が出た。
いや、だってね?
ここでも出てこないんだろうって思ってたんだよ?
それがあっさり出てきたら、そういう反応にもなるよね。
って……あれ?
もしかして、『鉱石1』を配置するつもりで削った『常時発生』分が必要なくなった?
やった!
最初の予定通り、巨大カワウソさんとヤギと鳥は常時発生にしてしまおう♪
その後は魔魚さんの繁殖には水草が必要だということが判明した程度で、ほぼ、最初の予定通りに箱庭の作成作業は進んだ。
現状の必要魔力は六万六千九十。
目的は達成できたから、ここで一旦、箱庭の作成は終了だ。
「でも、なんとか『木1』を導入したいんだよねぇ……」
呟きつつ、改めて箱庭の配置状況を確認してみる。
駄目なら、頑張って薪を運んでもらえばいいんだけど、野菜畑があるだけの箱庭は殺風景すぎて気に入らない。
「『木1』の範囲を半分にできたら――」
『作成魔力が一万五千で済むのに。』と、いう言葉は声にならなかった。
◇配置対象・配置割合の選択◇
『木1』を5%の割合で配置すると必要魔力は一万五千になります。
配置する木の種類を選択してください。
――って、出来るんかーい!!
あれこれ悩んだものの、結局最終的にはカワウソさんとヤギさんと鳥さんの『常時発生』は諦めることにした。
『箱庭』が成長して、余裕ができてきたら設定していくことにしよう。
うん。
今回は仕方がないよね。
うっかりミスにため息を吐きながら、箱庭づくりを開始する。
「『領域作成』、『大地型』」
領域として選ぶのは、『大地型』と『洞窟型』の二種類。
今回は水の中の孤島を作るつもりだから、『素材回収所』と同じ『大地型』だ。
思えばこれも一年近く前にやったっきりだし、ちょっぴり懐かしい気分になっちゃうね。
そんなことを考えながら浮かび上がった文字を見て、一瞬、思考がとまる。
「うえ、基礎を水にはできないんだっけ……?」
作り始めたばっかりなのに、こんなところで突然の挫折だ。
領域の基礎に『水(下)』を使う予定だったのに、どうしよう?
今回は維持魔力さえ問題なく稼ぐことができるなら、『素材回収所』を作った時に用に大きな土地が必要ない。
だからこそ、水と土の割合を9:1にすることによって作成時のコストを下げようと思っていたのに、基礎に水が選べないなんて……
まさか、ここでも計算違いが発生するとは……
「仕方がないか……」
しょんぼりしつつ、基礎に『土(下)』を選択。
八千の計算違いは大きすぎる。
んー……
せめて、基礎の中に水場を作るんじゃなく、領域を追加する形で対応できないかな?
そっちが可能だったら、予定していた作成コストと同じで済むはずなんだけど……
半ば諦めつつも、ダメ元で『領域追加』と呟いてみる。
『領域追加』って、一通り作り終わった後に箱庭を広げるために使える選択肢だから無理だろうという、リエラの予測は嬉しい方向に裏切られた。
◇領域追加◇
現在の状態では領域追加作業は行えません。
配置対象・配置割合の選択がされていないため、領域追加は行えません。
一度、領域作成終了をした上で、再度ご選択ください。
え、それでいいの?
肩透かしを食らった気分になりながらも指示通りにすると、あっさりと水の領域を追加できた。
というか、最初に作る時点では水系の選択肢がなかったのに、領域を追加する場合にはその選択が可能だったみたいだ。
……新発見? なのかな??
なにはともあれ、島が大きくなりすぎたこと以外は予定通りに進められそうで一安心。
予定通りに水中の魔物達や、地上の野菜を配置し終えたリエラは、いざ『涙石』を配置しようとして首を傾げた。
「おかしいなぁ……」
何がおかしいって、『鉱石』の分類に『涙石』が入っていないのだ。
鉱石、だよね?
涙石って……
「そういえば、『砂利』『砂』『岩』なんて項目もあったような……」
……砂利と砂って、どう違うんだろう?
不思議に思って確認してみる。
結果は以下の通り。
砂利=指先~赤ん坊程度の大きさの石
砂 =砂利に満たない細かな石
岩 =砂利に含まれない大きな石
どうやら、大きさが違うだけで全部石らしい。
領域作成を終了にしなければいくらでもやり直しはきくんだし。
あまり期待せずに『砂利』を選ぶ。
◇『砂利』を配置します◇
配置できる対象は『涙石』のみです。
「え、ほんとに?」
思わずポロリと声が出た。
いや、だってね?
ここでも出てこないんだろうって思ってたんだよ?
それがあっさり出てきたら、そういう反応にもなるよね。
って……あれ?
もしかして、『鉱石1』を配置するつもりで削った『常時発生』分が必要なくなった?
やった!
最初の予定通り、巨大カワウソさんとヤギと鳥は常時発生にしてしまおう♪
その後は魔魚さんの繁殖には水草が必要だということが判明した程度で、ほぼ、最初の予定通りに箱庭の作成作業は進んだ。
現状の必要魔力は六万六千九十。
目的は達成できたから、ここで一旦、箱庭の作成は終了だ。
「でも、なんとか『木1』を導入したいんだよねぇ……」
呟きつつ、改めて箱庭の配置状況を確認してみる。
駄目なら、頑張って薪を運んでもらえばいいんだけど、野菜畑があるだけの箱庭は殺風景すぎて気に入らない。
「『木1』の範囲を半分にできたら――」
『作成魔力が一万五千で済むのに。』と、いう言葉は声にならなかった。
◇配置対象・配置割合の選択◇
『木1』を5%の割合で配置すると必要魔力は一万五千になります。
配置する木の種類を選択してください。
――って、出来るんかーい!!
0
お気に入りに追加
1,713
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。