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二年目 見習い期間 ~魔法具工房~
報告会~アスラーダ~
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お次の報告担当は、アスラーダさん。
アスラーダさんはスルトを助手にして、体力づくりや探索者の心得なんかを教えてくれてるから報告の内容は勿論その関連だ。
アスラーダさん的に高評価なのは、唯一の探索者枠で工房入りしたポッシェ君。
「ポッシェは、元々探索者になるつもりで鍛えていたから種族的なモノを差し引いても体力もあるし、そこそこ武器の扱いも上手い。物覚えもいいから、教え甲斐があるな。」
「君から見て有望そうな人材が入ってくれたのなら、良かった。」
「あとは、アッシェも探索者向きだな。本格的に鍛えたら、ポッシェよりも伸びそうだ。よかったら、探索者の方に契約を切り替えないか?」
――違った。
アッシェちゃんの方が高評価らしい。
そう言えば、コンカッセちゃん曰く、彼女は文武両道タイプだって話だったっけ。
その話は誇張でも何でもないって事か……。
お勉強の類はとにかく、運動系はまるで自信のないリエラとしてはちょっと羨ましいな。なんというか、アスラーダさんが自分の手元に置きたがってるあたりが特に。
「彼女は調薬師として採用したはずだから却下。」
「いっその事、両方やらせると言う手もあるんじゃないか?」
「『二鼠を追うもの、一鼠も得ず』。ではないのかね?」
アッシェちゃんを自分の手元で育てたいというアスラーダさんの希望を、アスタールさんは一顧だにせずに一蹴してくれた。
――うんうん。
そうだよね。
アッシェちゃんは、調薬師だもんね。
アスラーダさんは一度だけ食い下がってみたものの、アスタールさんの断り文句に肩を竦めて諦めることにしたらしい。
ところで実際には、リエラは『調薬師』と『魔法具師』の二鼠を追ってる訳だけど、ソコは問題ないんだろうか……。
それとも、『調薬師』と『魔法具師』をひっくるめて『錬金術師』って言うくくりだから二鼠に見せかけて、実際には一鼠なのかな?
もしそうなら、『調薬師』と『探索者』を両方やろうとするのは一鼠半?
ああ、訳が分からなくなってきた。
どうでもいい事のような気がするから、考えるのはやめよう……。
アッシェちゃんのお話の後は、コンカッセちゃんとリエラの体力のなさを言及してアスラーダさんの報告は終了。
最後には彼の希望が口にされた。
「そろそろ一度は実戦を経験させた方が良いんじゃないかと思う。一番危険度の低い『水と森の迷宮』に全員を連れて行きたいんだが、許可を貰えるか?」
『水と森の迷宮』と言えば、リエラも最初に連れて行ってもらった場所だ。
確かに、遭遇するのも獣一匹とかが多かったはずだし、初めて入るのに適当な場所なのかな。
デートスポットにもなってるとも話してたっけ。
リエラには縁のない話だけど。
――そういえば、スルトと再会したのもあの迷宮だったなぁ……。
あの時は驚いたよなぁと思いながら、ふと思う。
――そう言えば最近、ルナちゃんと二人でお休みの日に通ってるのって、
『水と森の迷宮』じゃなかったっけ?
もしかして、迷宮で狩りをするのが目的じゃなくって、ただのデートだった?!
今更と言えば今更思い当たった事態に、一人心の中で百面相をしている間にも話は進んでる。
「迷宮に連れて行くのは構わないが、ラエル殿やスフェーン殿とセリスの三人にきちんと日程などは相談してくれたまえ。」
「ああ、分かった。」
アスラーダさんは、自分の希望が通った事に安心して、嬉しそうに頬を緩める。
「君が、他の弟子たちを連れて迷宮に行く日には、リエラにセリスの手伝いを頼みたい。」
「はい、喜んで!」
嬉しそうな表情を浮かべるアスラーダさんが、なんだか年よりも幼く見えて可愛いなとひっそり思っていたら、急に棚からパンが落ちてきた!
セリスさんのお手伝いなら、言われなくても喜んでやらせていただきますとも!
これって、毎週、セリスさんと二人きりで作業する機会が出来るって事だよね。
嬉しいな。
最近、ご飯の用意をアッシェちゃんが手伝いだしたせいもあってセリスさんと二人きりになる機会が全然ないんだもの。
アスラーダさんはスルトを助手にして、体力づくりや探索者の心得なんかを教えてくれてるから報告の内容は勿論その関連だ。
アスラーダさん的に高評価なのは、唯一の探索者枠で工房入りしたポッシェ君。
「ポッシェは、元々探索者になるつもりで鍛えていたから種族的なモノを差し引いても体力もあるし、そこそこ武器の扱いも上手い。物覚えもいいから、教え甲斐があるな。」
「君から見て有望そうな人材が入ってくれたのなら、良かった。」
「あとは、アッシェも探索者向きだな。本格的に鍛えたら、ポッシェよりも伸びそうだ。よかったら、探索者の方に契約を切り替えないか?」
――違った。
アッシェちゃんの方が高評価らしい。
そう言えば、コンカッセちゃん曰く、彼女は文武両道タイプだって話だったっけ。
その話は誇張でも何でもないって事か……。
お勉強の類はとにかく、運動系はまるで自信のないリエラとしてはちょっと羨ましいな。なんというか、アスラーダさんが自分の手元に置きたがってるあたりが特に。
「彼女は調薬師として採用したはずだから却下。」
「いっその事、両方やらせると言う手もあるんじゃないか?」
「『二鼠を追うもの、一鼠も得ず』。ではないのかね?」
アッシェちゃんを自分の手元で育てたいというアスラーダさんの希望を、アスタールさんは一顧だにせずに一蹴してくれた。
――うんうん。
そうだよね。
アッシェちゃんは、調薬師だもんね。
アスラーダさんは一度だけ食い下がってみたものの、アスタールさんの断り文句に肩を竦めて諦めることにしたらしい。
ところで実際には、リエラは『調薬師』と『魔法具師』の二鼠を追ってる訳だけど、ソコは問題ないんだろうか……。
それとも、『調薬師』と『魔法具師』をひっくるめて『錬金術師』って言うくくりだから二鼠に見せかけて、実際には一鼠なのかな?
もしそうなら、『調薬師』と『探索者』を両方やろうとするのは一鼠半?
ああ、訳が分からなくなってきた。
どうでもいい事のような気がするから、考えるのはやめよう……。
アッシェちゃんのお話の後は、コンカッセちゃんとリエラの体力のなさを言及してアスラーダさんの報告は終了。
最後には彼の希望が口にされた。
「そろそろ一度は実戦を経験させた方が良いんじゃないかと思う。一番危険度の低い『水と森の迷宮』に全員を連れて行きたいんだが、許可を貰えるか?」
『水と森の迷宮』と言えば、リエラも最初に連れて行ってもらった場所だ。
確かに、遭遇するのも獣一匹とかが多かったはずだし、初めて入るのに適当な場所なのかな。
デートスポットにもなってるとも話してたっけ。
リエラには縁のない話だけど。
――そういえば、スルトと再会したのもあの迷宮だったなぁ……。
あの時は驚いたよなぁと思いながら、ふと思う。
――そう言えば最近、ルナちゃんと二人でお休みの日に通ってるのって、
『水と森の迷宮』じゃなかったっけ?
もしかして、迷宮で狩りをするのが目的じゃなくって、ただのデートだった?!
今更と言えば今更思い当たった事態に、一人心の中で百面相をしている間にも話は進んでる。
「迷宮に連れて行くのは構わないが、ラエル殿やスフェーン殿とセリスの三人にきちんと日程などは相談してくれたまえ。」
「ああ、分かった。」
アスラーダさんは、自分の希望が通った事に安心して、嬉しそうに頬を緩める。
「君が、他の弟子たちを連れて迷宮に行く日には、リエラにセリスの手伝いを頼みたい。」
「はい、喜んで!」
嬉しそうな表情を浮かべるアスラーダさんが、なんだか年よりも幼く見えて可愛いなとひっそり思っていたら、急に棚からパンが落ちてきた!
セリスさんのお手伝いなら、言われなくても喜んでやらせていただきますとも!
これって、毎週、セリスさんと二人きりで作業する機会が出来るって事だよね。
嬉しいな。
最近、ご飯の用意をアッシェちゃんが手伝いだしたせいもあってセリスさんと二人きりになる機会が全然ないんだもの。
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