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大きくなる村と迷宮
172日目 テコ入れ
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午前中は、結局コンカッセは使い物にならなかったので、工房の奥で仮眠させる事になった。
私とアッシェは、アルバイトのお姉さん方2人と一緒に朝の喧騒を乗り切ると、店先に1人だけ残していつも通り、魔法薬や売れ行きの良い魔法具の在庫を補充した。
実はアルバイトのお姉さん方にも、毎日家庭用デラックスを10Lづつ作って貰っている。
配合を間違うのは困るので、アッシェか私が薬草の量はきちんと揃えた上でではあるものの、手数が増えるのが一番助かる。
最近は、彼女達に願いする事によってアッシェが治療薬の調薬に専念出来ているから、ある程度の余裕を持って仕事が出来ているという面もある。
あとは、今は殆ど売れていない高速治療薬が売れるようになると、アッシェの負担がぐんと上がって来る筈だ。その時には、きちんとした見習いを入れるべきかもしれないな、とこっそり思ってる。
魔力的には問題が無くても、薬草を擂り潰す作業と言うのは存外時間がかかるんだよね。
魔力を込めようが込めまいが、掛かる時間は一緒だし。
だから、アッシェに限らず一人の人が調薬できる量は、魔力を考えないでも一日50~60L位が精々。
とはいえ、この辺は追々考えていけばいいかなとは思っている。
午後になって、コンカッセが復活してきてからお店はお姉さん方に任せて、工房で『迷宮会議』を行う事にした。
取り敢えず今回行うのは、『騎獣の平原』のテコ入れだ。
「テコ入れ、です?」
「そう。テコ入れ。」
「テコ入れの目的は?」
私の言葉に、2人は首を傾げた。
「次に作る迷宮は魔獣だけで構成する予定だから、その予行演習の意味合いが強いんだけど…。大森林に入る事もあるかもしれないと思うと、騎乗できる魔物が居た方が良いんじゃないかと思うんだよね。」
私の言葉に2人は目を丸くする。
この間、アスラーダさん達が大森林に入っていく事になった時にも思っていたんだけど、魔物が多く生息するディナト大森林の側にある村の事だ。これからも大森林に入る機会があるんじゃないかと思う。
そう言う時に、迷宮産とは言えただの動物に乗って行くより、魔獣に乗って行った方が危険度が下がるんじゃないかと思うんだよね。
よっぽど強い魔物が出てきたら話は別かもしれないけど…。
「そうなると、地形とかはどうするです?」
「奥の方に地下に降る階段を発生させようかと思ってるんだけど、地形自体は1層目と同じでもいいかなと思ってる。」
「『水と森の迷宮』みたいな感じ?」
「うん。あんな感じで。」
前回『騎獣の平原』を造った時は、希望は聞いたモノのどんな形にするかの相談はしていない。
それもあってか、少し戸惑いながら2人は思いついた事を口にし始めた。
「『騎獣』の平原ですから、やっぱり騎乗できる魔物が良いと思うですー」
「でも、同じ種類がそのまま魔物になるだけじゃ面白くない。」
「ですですー。」
「ふむふむ?」
「一部、1層の動物から削っちゃうですー」
私は1層の動物をそのまま魔物にしようと思っていたので、その言葉に少し驚いた。
やっぱり、人の意見を聞いてみるのは面白い。
「削るなら…乗るのにはイマイチなイメージのイタチ?」
「水牛さんも、1層で牛乳が採れるから必要ないので削れるです―。」
「イタチと水牛を減らして…。代わりに何か入れる?」
「王都周辺にいる生き物っていう縛りがあるからなぁ…。」
一応、ラヴィーナさんからの依頼を受けて作っているという建て前があるから、あんまり以前貰った依頼から外れる事はしたくないんだよね。
「いっそ、騎獣からは外しちゃうです?」
「単なるお邪魔虫的な方向?」
「虫を配置するの?」
「ああ、毛色を変えて虫と言うのもアリですねー」
「蟻かぁ…。そしたら50センチ位のを毎日繁殖で増やす感じかな。」
「ほえ??」
「アリは増やしすぎると凶悪。匙加減を考えねば。」
「だねぇ。血の匂いに反応する感じかな。」
「え??アリさんで決定なのです???」
「割とどこにでもいるしイイと思う。」
「そですかー…。」
私だけで考えると、やっぱり小さくまとまる感じなのかなーと思いつつ、新しく追加するのは『蟻』に決定してしまった。
アッシェは何かモノ言いたげだけど、コンカッセは乗り気と言うのはちょっと珍しい。
とはいえ丁度、次の迷宮には虫の魔物をメインで配置するつもりだったから、練習用として丁度いいかもしれない。
迷宮への追加
2層目の追加
1層目より1周り小さなひょうたん型の岩山に囲まれた平原。
岩の材質を、1層目よりも高価なものに変更している。
平地内の配置割合は1層目と同じ。
生物配置
アリ(体長50cm) 10匹 繁殖100匹 常時発生10匹
魔物配置
ウサギ 10羽 常時発生10羽
走り鳥 10羽 常時発生10羽
オオカミ40頭 繁殖40頭 常時発生10頭
私とアッシェは、アルバイトのお姉さん方2人と一緒に朝の喧騒を乗り切ると、店先に1人だけ残していつも通り、魔法薬や売れ行きの良い魔法具の在庫を補充した。
実はアルバイトのお姉さん方にも、毎日家庭用デラックスを10Lづつ作って貰っている。
配合を間違うのは困るので、アッシェか私が薬草の量はきちんと揃えた上でではあるものの、手数が増えるのが一番助かる。
最近は、彼女達に願いする事によってアッシェが治療薬の調薬に専念出来ているから、ある程度の余裕を持って仕事が出来ているという面もある。
あとは、今は殆ど売れていない高速治療薬が売れるようになると、アッシェの負担がぐんと上がって来る筈だ。その時には、きちんとした見習いを入れるべきかもしれないな、とこっそり思ってる。
魔力的には問題が無くても、薬草を擂り潰す作業と言うのは存外時間がかかるんだよね。
魔力を込めようが込めまいが、掛かる時間は一緒だし。
だから、アッシェに限らず一人の人が調薬できる量は、魔力を考えないでも一日50~60L位が精々。
とはいえ、この辺は追々考えていけばいいかなとは思っている。
午後になって、コンカッセが復活してきてからお店はお姉さん方に任せて、工房で『迷宮会議』を行う事にした。
取り敢えず今回行うのは、『騎獣の平原』のテコ入れだ。
「テコ入れ、です?」
「そう。テコ入れ。」
「テコ入れの目的は?」
私の言葉に、2人は首を傾げた。
「次に作る迷宮は魔獣だけで構成する予定だから、その予行演習の意味合いが強いんだけど…。大森林に入る事もあるかもしれないと思うと、騎乗できる魔物が居た方が良いんじゃないかと思うんだよね。」
私の言葉に2人は目を丸くする。
この間、アスラーダさん達が大森林に入っていく事になった時にも思っていたんだけど、魔物が多く生息するディナト大森林の側にある村の事だ。これからも大森林に入る機会があるんじゃないかと思う。
そう言う時に、迷宮産とは言えただの動物に乗って行くより、魔獣に乗って行った方が危険度が下がるんじゃないかと思うんだよね。
よっぽど強い魔物が出てきたら話は別かもしれないけど…。
「そうなると、地形とかはどうするです?」
「奥の方に地下に降る階段を発生させようかと思ってるんだけど、地形自体は1層目と同じでもいいかなと思ってる。」
「『水と森の迷宮』みたいな感じ?」
「うん。あんな感じで。」
前回『騎獣の平原』を造った時は、希望は聞いたモノのどんな形にするかの相談はしていない。
それもあってか、少し戸惑いながら2人は思いついた事を口にし始めた。
「『騎獣』の平原ですから、やっぱり騎乗できる魔物が良いと思うですー」
「でも、同じ種類がそのまま魔物になるだけじゃ面白くない。」
「ですですー。」
「ふむふむ?」
「一部、1層の動物から削っちゃうですー」
私は1層の動物をそのまま魔物にしようと思っていたので、その言葉に少し驚いた。
やっぱり、人の意見を聞いてみるのは面白い。
「削るなら…乗るのにはイマイチなイメージのイタチ?」
「水牛さんも、1層で牛乳が採れるから必要ないので削れるです―。」
「イタチと水牛を減らして…。代わりに何か入れる?」
「王都周辺にいる生き物っていう縛りがあるからなぁ…。」
一応、ラヴィーナさんからの依頼を受けて作っているという建て前があるから、あんまり以前貰った依頼から外れる事はしたくないんだよね。
「いっそ、騎獣からは外しちゃうです?」
「単なるお邪魔虫的な方向?」
「虫を配置するの?」
「ああ、毛色を変えて虫と言うのもアリですねー」
「蟻かぁ…。そしたら50センチ位のを毎日繁殖で増やす感じかな。」
「ほえ??」
「アリは増やしすぎると凶悪。匙加減を考えねば。」
「だねぇ。血の匂いに反応する感じかな。」
「え??アリさんで決定なのです???」
「割とどこにでもいるしイイと思う。」
「そですかー…。」
私だけで考えると、やっぱり小さくまとまる感じなのかなーと思いつつ、新しく追加するのは『蟻』に決定してしまった。
アッシェは何かモノ言いたげだけど、コンカッセは乗り気と言うのはちょっと珍しい。
とはいえ丁度、次の迷宮には虫の魔物をメインで配置するつもりだったから、練習用として丁度いいかもしれない。
迷宮への追加
2層目の追加
1層目より1周り小さなひょうたん型の岩山に囲まれた平原。
岩の材質を、1層目よりも高価なものに変更している。
平地内の配置割合は1層目と同じ。
生物配置
アリ(体長50cm) 10匹 繁殖100匹 常時発生10匹
魔物配置
ウサギ 10羽 常時発生10羽
走り鳥 10羽 常時発生10羽
オオカミ40頭 繁殖40頭 常時発生10頭
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