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魔道具? それより保温機能が欲しいです
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十日以上もサボっていたから、まだまだ体が鈍ってるなーと思いつつ素振りを行う。素振りをする時には前は竹刀を使っていたけれど、今は作り直したばかりの刀モドキ。愛用の竹刀がない今は、慣れるためにもこれを使うしかない。
ヒュン
ヒュン
風切り音を鳴らしながら、無心になって、記憶にある軌道をなぞる。
こうじゃない、もうちょい右。
ああ、軸がぶれた。
一時間経つと、頭の中に設定しておいたアラームが鳴り響く。丁度、興が乗ってきたところで、修練終了のお知らせです。
こればっかりにかまけていることも出来ないし、残念だけど今日はおしまい。
アイラからお湯を貰ってお風呂で汗を流したら、次のお仕事の時間です。
なんか、一緒にお昼寝しようと言う、魅惑的なお誘いもあったけど断腸の思いでお断り。なにせ、寝室を作る時に行った工事に効果がありすぎて、なるべく早いうちに床の工事をしようという話になったんだもの。
寝ている時間があったら、そっちを優先しなくては……
ちなみに居間はちょっと広すぎるので、寝室と同じようにレンガモドキで壁や天井までを一緒くたに覆うことは難しい。なので、床だけでも同じ形式にしようってことになったんだよね。
壁は今まで通りにレンガを積むけど、天井は……どうするかはしばらく保留です。
こう、広い範囲の天井がどうなってるのかなんて気にしたこともなかったから、どうすればいいのかがさっぱりなんだよね。
学校の教室の天井って、どうなってたっけ?
「――あれ?」
いつも通りに”ディグ”で穴を穿とうとして、微妙な違和感を感じる。違和感というか、抵抗感?
なんにせよ、今まであまり感じたことのない感覚――いや、経験はあるや。なんか、かぼちゃを力任せに切ろうとした時みたい。
それならと、ちょっぴり魔法でのアプローチの仕方を変更してみると、サクサクと床を切り分けることが出来るようになった。
居間の床全体を一メートルほど掘り下げつつ土を回収し終えたら、”抽出”を行って氷結晶と魔力結晶を取り出して”データストレージ”に片付ける。
残った土に”データストレージ”内の残土を混ぜてグールグルっとやったら、居間の床が出来上がり♪
前と同じ位置に、きちんと掘りごたつ用の穴も開けておく。深さは半分に変更したけど、もともと錬金釜の代わりに使うのを想定した上での大きさだったので、コレくらいが本当はだとうなんじゃないかと思います。
運動場の入り口や、後々増やすかもしれない部屋の入り口予定の場所だけは、別口で口型巨大レンガで床・壁・天井を覆っておく。こうしておけば、先に扉だけをつけておくこともできる。引き戸だったら、押し入れ代わりにできたんだけど、残念ながら押し戸。あちら側に開く扉なので、部屋を増設しない限りは使えないというのがちょっぴり残念。
出来が悪かった扉を、交換できる分全て交換して居間に戻ってきたらアイラが欠伸をしながらテーブルに突っ伏していた。
アイラはお昼寝の後なのに、随分と眠たそう。昨日の夜はずーっと寝てたけど、疲れが溜まってるのかな?
「アーイラ?」
「レイちゃん……羽毛布団、めっちゃ、あったかかった」
「おお……それはなにより」
何とも幸せそうな笑顔で報告されて、頬が綻ぶ。まさか、突っ伏して布団の余韻に浸ってるとは思わなかったよ。
「なんか、お疲れみたいだけど、レンガは明日に回す?」
「おやつを食べればへーいーきー」
「それじゃあ、たまには違うお茶にしよっか」
食料貯蔵庫からハーブのカゴを取って来て、ハーブティーの用意を始める。
アイラはお茶を飲む回数も多いみたいだし、折角だから多めに作っておいて気に入ったものを持たせてあげるのもいいかも。温かいのが飲みたかったら、”データストレージ”に入れておけばいいし……
入れておくのは――家で使ってた保温ポットみたいなのがいいな。ちょっと作ってみよう。
大きな土鍋にこっそりと鉄を入れてグールグル♪
すぐに、記憶にある形のポットが出来上がる。見た目はそれらしいけど、性能的にはどうだろう?
念の為確認してみたら、こんな説明が脳裏に浮かぶ。
・ステンレス製保温ポット
魔道具:上級
材質:ステンレス
品質:普及品 上級
強化可能回数:二回
レイの記憶をもとに作られたステンレス製の保温ボトル。
足りなかった材料は、”データストレージ”内から自動補完されている。
保温機能を使用するためには、属性結晶の装填と魔力の補充が必要。
保温機能を利用せずに容器としてのみ使うことも出来る。
”鉱物魔法”で強化可能。
なんか、良くわからないんだけど……
理解できたのは、何もしないと『保温できない』っていう部分。私達が持ってる水筒は、何もしなくても保温してくれるのに。
正直、不満だけど仕方がない。入れる予定のお茶の数だけポットを作って、ハーブティーもグールグル♪
竹茶も含め、全部で五種類を十杯分ずつ作ってテーブルに移動する。
「なんでそんなにおっきなのを五個も持ってるの?」
二リットル入るポットは結構な大きさだから、アイラは目をまんまるにしてる。
「ついでだから量産しちゃった」
「まあ、ポットに入ってるなら余った分は後で飲めばいいわね」
「でしょ?」
私の説明になってない返事に、アイラは苦笑を浮かべつつも同じ結論を口にした。
「ただ、保温するためには『属性結晶』っていうのが必要なんだって。だから気に入ったのはポットごと”データストレージ”に入れておいて」
「このまま貰っちゃってもいいの?」
「うん」
そのまま二人で試飲会。アイラは一口飲むたびに目を輝かせてあーでもない、こーでもないと感想を口にしつつ、結局全部を”データストレージ”にしまい込む。
ハーブティーって結構好き嫌いがあるけど、アイラは平気らしい。
お茶を飲みつつこの後の壁の工事について話し合った結果、天井をもう少し高くすることになった。
天井が低いと、どうしても閉塞感を感じてしまうと言うのがその理由。私としても背伸びをすると手が届きそうな状態は落ち着かないので、全面的に同意です。
お茶を終えてすぐに、寒くなるかもしれないと思いつつ天井を削ったんだけど、意外と体感温度は変わらなかった。
むしろ、キッチンに暖かい空気が流れていく方が気になるような……
もしかして、空気の循環も地球と浮遊諸島では違ってたりして。はは、まさかね?
ヒュン
ヒュン
風切り音を鳴らしながら、無心になって、記憶にある軌道をなぞる。
こうじゃない、もうちょい右。
ああ、軸がぶれた。
一時間経つと、頭の中に設定しておいたアラームが鳴り響く。丁度、興が乗ってきたところで、修練終了のお知らせです。
こればっかりにかまけていることも出来ないし、残念だけど今日はおしまい。
アイラからお湯を貰ってお風呂で汗を流したら、次のお仕事の時間です。
なんか、一緒にお昼寝しようと言う、魅惑的なお誘いもあったけど断腸の思いでお断り。なにせ、寝室を作る時に行った工事に効果がありすぎて、なるべく早いうちに床の工事をしようという話になったんだもの。
寝ている時間があったら、そっちを優先しなくては……
ちなみに居間はちょっと広すぎるので、寝室と同じようにレンガモドキで壁や天井までを一緒くたに覆うことは難しい。なので、床だけでも同じ形式にしようってことになったんだよね。
壁は今まで通りにレンガを積むけど、天井は……どうするかはしばらく保留です。
こう、広い範囲の天井がどうなってるのかなんて気にしたこともなかったから、どうすればいいのかがさっぱりなんだよね。
学校の教室の天井って、どうなってたっけ?
「――あれ?」
いつも通りに”ディグ”で穴を穿とうとして、微妙な違和感を感じる。違和感というか、抵抗感?
なんにせよ、今まであまり感じたことのない感覚――いや、経験はあるや。なんか、かぼちゃを力任せに切ろうとした時みたい。
それならと、ちょっぴり魔法でのアプローチの仕方を変更してみると、サクサクと床を切り分けることが出来るようになった。
居間の床全体を一メートルほど掘り下げつつ土を回収し終えたら、”抽出”を行って氷結晶と魔力結晶を取り出して”データストレージ”に片付ける。
残った土に”データストレージ”内の残土を混ぜてグールグルっとやったら、居間の床が出来上がり♪
前と同じ位置に、きちんと掘りごたつ用の穴も開けておく。深さは半分に変更したけど、もともと錬金釜の代わりに使うのを想定した上での大きさだったので、コレくらいが本当はだとうなんじゃないかと思います。
運動場の入り口や、後々増やすかもしれない部屋の入り口予定の場所だけは、別口で口型巨大レンガで床・壁・天井を覆っておく。こうしておけば、先に扉だけをつけておくこともできる。引き戸だったら、押し入れ代わりにできたんだけど、残念ながら押し戸。あちら側に開く扉なので、部屋を増設しない限りは使えないというのがちょっぴり残念。
出来が悪かった扉を、交換できる分全て交換して居間に戻ってきたらアイラが欠伸をしながらテーブルに突っ伏していた。
アイラはお昼寝の後なのに、随分と眠たそう。昨日の夜はずーっと寝てたけど、疲れが溜まってるのかな?
「アーイラ?」
「レイちゃん……羽毛布団、めっちゃ、あったかかった」
「おお……それはなにより」
何とも幸せそうな笑顔で報告されて、頬が綻ぶ。まさか、突っ伏して布団の余韻に浸ってるとは思わなかったよ。
「なんか、お疲れみたいだけど、レンガは明日に回す?」
「おやつを食べればへーいーきー」
「それじゃあ、たまには違うお茶にしよっか」
食料貯蔵庫からハーブのカゴを取って来て、ハーブティーの用意を始める。
アイラはお茶を飲む回数も多いみたいだし、折角だから多めに作っておいて気に入ったものを持たせてあげるのもいいかも。温かいのが飲みたかったら、”データストレージ”に入れておけばいいし……
入れておくのは――家で使ってた保温ポットみたいなのがいいな。ちょっと作ってみよう。
大きな土鍋にこっそりと鉄を入れてグールグル♪
すぐに、記憶にある形のポットが出来上がる。見た目はそれらしいけど、性能的にはどうだろう?
念の為確認してみたら、こんな説明が脳裏に浮かぶ。
・ステンレス製保温ポット
魔道具:上級
材質:ステンレス
品質:普及品 上級
強化可能回数:二回
レイの記憶をもとに作られたステンレス製の保温ボトル。
足りなかった材料は、”データストレージ”内から自動補完されている。
保温機能を使用するためには、属性結晶の装填と魔力の補充が必要。
保温機能を利用せずに容器としてのみ使うことも出来る。
”鉱物魔法”で強化可能。
なんか、良くわからないんだけど……
理解できたのは、何もしないと『保温できない』っていう部分。私達が持ってる水筒は、何もしなくても保温してくれるのに。
正直、不満だけど仕方がない。入れる予定のお茶の数だけポットを作って、ハーブティーもグールグル♪
竹茶も含め、全部で五種類を十杯分ずつ作ってテーブルに移動する。
「なんでそんなにおっきなのを五個も持ってるの?」
二リットル入るポットは結構な大きさだから、アイラは目をまんまるにしてる。
「ついでだから量産しちゃった」
「まあ、ポットに入ってるなら余った分は後で飲めばいいわね」
「でしょ?」
私の説明になってない返事に、アイラは苦笑を浮かべつつも同じ結論を口にした。
「ただ、保温するためには『属性結晶』っていうのが必要なんだって。だから気に入ったのはポットごと”データストレージ”に入れておいて」
「このまま貰っちゃってもいいの?」
「うん」
そのまま二人で試飲会。アイラは一口飲むたびに目を輝かせてあーでもない、こーでもないと感想を口にしつつ、結局全部を”データストレージ”にしまい込む。
ハーブティーって結構好き嫌いがあるけど、アイラは平気らしい。
お茶を飲みつつこの後の壁の工事について話し合った結果、天井をもう少し高くすることになった。
天井が低いと、どうしても閉塞感を感じてしまうと言うのがその理由。私としても背伸びをすると手が届きそうな状態は落ち着かないので、全面的に同意です。
お茶を終えてすぐに、寒くなるかもしれないと思いつつ天井を削ったんだけど、意外と体感温度は変わらなかった。
むしろ、キッチンに暖かい空気が流れていく方が気になるような……
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