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お風呂リニューアル
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食後は、二人でお風呂の壁貼りです。アイラは先に”合成”した種や苗を植えてくると言うので、私は材料を運んで用意に取り掛かる。
最初の予定は、水タンクの隠蔽。景気よく一メートル角で貫通させちゃったけど、半分大きさで十分だったなぁと今は後悔中。後悔先に立たずとは良く言ったものだと思ってみたり。
「おまたせー!」
「いや、全然。今、浴槽を仕舞ったところ」
私の中での予定だと、浴槽を置いた部分にはタイルをはらないつもりだった。その方が、早く終わるかなーと思ったんだよね。でも、アイラが一緒に作業をすることになって予定変更。
浴槽は”データストレージ”にしまい込み、床ユニットで覆われる部分以外の全部にタイルを貼ることになった。
作業は完全分業。アイラはひたすらモルタルを盛って、私がその上に”データストレージ”からレンガを乗せたら目地や位置の微調整を行う。
私はあんまり仕事をしていないように見えるけど、やり始めてみると、コレが意外と難しい。と言うよりも、忙しない?
「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」
アイラに急かされるままに、必死に”データストレージ”の中からレンガを取り出すので、私は精一杯!
私が必死でレンガを置いてる間にも、アイラってば目地の間からはみ出たモルタルを藁束で拭い取るなんて作業までこなしてる。
気持ちの上ではあっという間に作業は終了。時間を確認してみたら、いつの間にか二時間も経っていた。二時間も集中して作業をしたら、そりゃあ疲れるよね……
「あー、つかれたー!!」
「”データストレージ”からレンガを取り出してただけなのに、私もクタクタ……」
「丁度おやつの時間だし、休憩にしない?」
「喜んで」
そうでなくとも、アイラの提案に否やがあるわけがない。私は喜んでお茶の支度に取り掛かる。
まあ、お茶は既に入れたやつを出すだけなんだけど、気分です。気分。
居間に戻ってテーブルを囲うと、どちらからともなくため息が漏れた。
すっかりここがくつろぐ場所になってる証拠かな?
座り心地のいい椅子やソファーはまだ無理だけど、いずれはもっと、居心地よくしたいなぁ……
「とりあえず蛇口周辺以外はレンガで埋めたから、あとは壁にタイルを張っちゃえば終わりね」
「だねぇ。タイルは一枚あたりが大きいからレンガよりは作業時間が短いかもしれないけど、続きはどうする?」
ちょっと気分的にも疲れたし、明日にしてもいいかなーと思いつつご提案。でも、残念ながら、その提案は却下されてしまった。
「一気にやっちゃいましょ」
「ん。了解」
「明日にすると、どんどん後回しにする予感がするわ」
なんかそのビジョン、私の脳裏にも割と鮮明に思い浮かんだ。二人して、それぞれの作業に夢中になっちゃう感じだよね。分かる分かる。
今まさに、それを考えてたところだし。
「そう言えば、アイラって随分と作業に慣れてない?」
チャチャッと作業を進めていくものだから、ついていくのが大変でした。とは、流石に口にしなかったんだけど、アイラは私の言葉に嫌そうに顔をしかめる。
「お引越し前の家がね、やたらと車に突っ込まれる場所に建ってたの」
「え、なにそれ? 危なすぎない?」
危なすぎるのもそうだけど、嫌な立地だよね。
「最初に突っ込まれたのは玄関で、壁と一緒にぐっしゃぐしゃ」
「えうう……?」
「何度もそう言う事があって引っ越したんだけど、壁とかを直す時の工事を見るのが好きだったのよね」
「……それで、やり方を覚えた、と」
「何度も直してたから、工事のおじさんとも仲良くなっててね。少しやらせてもらったりもしたわ」
いくつの頃の話かは聞かなかったけど、高校に入るより前だよね。工事を眺める時間があったんだから、小学校に通ってた頃じゃないだろうか。実践ができたってことは、中高学年かな。
そんな頃に教わったことをきちんと覚えてて、実践できるって、なかなか凄い。
「そう言えばタイルってサイズはいくつ?」
不意に話題が変わって、お風呂のタイルが足りているかドウかの確認が始まる。結果、二十枚近く枚数が足りていなかったことが分かって、急遽追加生産。
アイラが精力的に頑張ってくれたお陰で、お風呂のタイル張りは夕方には完成!
モルタルを”水魔法”の”ドライ”で乾かしたから、風呂桶を設置し直した時点でまた使えるようになった。
「前の出入り口部分に洗面所をおいて壁代わりにする案はイイわね」
「でしょ?」
現在脱衣所になっているのは、元々はお風呂場として使っていた場所だ。前の脱衣所の壁は完全に崩してしまったから、出入口部分が廊下に直接口を開いてる形になってて落ち着かなくなってたんだよね。
そこに使わなくなった引き戸を立て掛けて、気持ち目隠しをしたんだけどやっぱり微妙。アイラがレンガを積む予定だったんだけど、脱衣所に大型の洗面台を用意して補うことにしてみた。側面に洗濯物や着替えのカゴを置く場所と、タオルを仕舞う場所も作ったから、それなりに実用的……だといいな。
「まだ、鏡はつけられないけど、それは追々……」
「期待してるわ」
アイラは作業の疲れを癒やすため、ここで仮眠タイム。私はその間、新生浴室で初入浴を楽しんでからご飯の用意です。
お風呂でメニューを考えようっと♪
☆★☆タイル張りのお風呂☆★☆
足を伸ばせるゆったりサイズの湯船に足が汚れない床ユニット。
壁には緑系の色合いで趣のあるモザイクタイルを使用。
とうとう脱衣所との間に折り畳み戸も設置され、ゆったりと過ごせるくつろぎの空間になりました。
脱衣所には着替えや洗濯物、タオルなどを入れるカゴも完備。
洗面所の鏡は後日工事予定となっております。
最初の予定は、水タンクの隠蔽。景気よく一メートル角で貫通させちゃったけど、半分大きさで十分だったなぁと今は後悔中。後悔先に立たずとは良く言ったものだと思ってみたり。
「おまたせー!」
「いや、全然。今、浴槽を仕舞ったところ」
私の中での予定だと、浴槽を置いた部分にはタイルをはらないつもりだった。その方が、早く終わるかなーと思ったんだよね。でも、アイラが一緒に作業をすることになって予定変更。
浴槽は”データストレージ”にしまい込み、床ユニットで覆われる部分以外の全部にタイルを貼ることになった。
作業は完全分業。アイラはひたすらモルタルを盛って、私がその上に”データストレージ”からレンガを乗せたら目地や位置の微調整を行う。
私はあんまり仕事をしていないように見えるけど、やり始めてみると、コレが意外と難しい。と言うよりも、忙しない?
「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」「はい、次!」
アイラに急かされるままに、必死に”データストレージ”の中からレンガを取り出すので、私は精一杯!
私が必死でレンガを置いてる間にも、アイラってば目地の間からはみ出たモルタルを藁束で拭い取るなんて作業までこなしてる。
気持ちの上ではあっという間に作業は終了。時間を確認してみたら、いつの間にか二時間も経っていた。二時間も集中して作業をしたら、そりゃあ疲れるよね……
「あー、つかれたー!!」
「”データストレージ”からレンガを取り出してただけなのに、私もクタクタ……」
「丁度おやつの時間だし、休憩にしない?」
「喜んで」
そうでなくとも、アイラの提案に否やがあるわけがない。私は喜んでお茶の支度に取り掛かる。
まあ、お茶は既に入れたやつを出すだけなんだけど、気分です。気分。
居間に戻ってテーブルを囲うと、どちらからともなくため息が漏れた。
すっかりここがくつろぐ場所になってる証拠かな?
座り心地のいい椅子やソファーはまだ無理だけど、いずれはもっと、居心地よくしたいなぁ……
「とりあえず蛇口周辺以外はレンガで埋めたから、あとは壁にタイルを張っちゃえば終わりね」
「だねぇ。タイルは一枚あたりが大きいからレンガよりは作業時間が短いかもしれないけど、続きはどうする?」
ちょっと気分的にも疲れたし、明日にしてもいいかなーと思いつつご提案。でも、残念ながら、その提案は却下されてしまった。
「一気にやっちゃいましょ」
「ん。了解」
「明日にすると、どんどん後回しにする予感がするわ」
なんかそのビジョン、私の脳裏にも割と鮮明に思い浮かんだ。二人して、それぞれの作業に夢中になっちゃう感じだよね。分かる分かる。
今まさに、それを考えてたところだし。
「そう言えば、アイラって随分と作業に慣れてない?」
チャチャッと作業を進めていくものだから、ついていくのが大変でした。とは、流石に口にしなかったんだけど、アイラは私の言葉に嫌そうに顔をしかめる。
「お引越し前の家がね、やたらと車に突っ込まれる場所に建ってたの」
「え、なにそれ? 危なすぎない?」
危なすぎるのもそうだけど、嫌な立地だよね。
「最初に突っ込まれたのは玄関で、壁と一緒にぐっしゃぐしゃ」
「えうう……?」
「何度もそう言う事があって引っ越したんだけど、壁とかを直す時の工事を見るのが好きだったのよね」
「……それで、やり方を覚えた、と」
「何度も直してたから、工事のおじさんとも仲良くなっててね。少しやらせてもらったりもしたわ」
いくつの頃の話かは聞かなかったけど、高校に入るより前だよね。工事を眺める時間があったんだから、小学校に通ってた頃じゃないだろうか。実践ができたってことは、中高学年かな。
そんな頃に教わったことをきちんと覚えてて、実践できるって、なかなか凄い。
「そう言えばタイルってサイズはいくつ?」
不意に話題が変わって、お風呂のタイルが足りているかドウかの確認が始まる。結果、二十枚近く枚数が足りていなかったことが分かって、急遽追加生産。
アイラが精力的に頑張ってくれたお陰で、お風呂のタイル張りは夕方には完成!
モルタルを”水魔法”の”ドライ”で乾かしたから、風呂桶を設置し直した時点でまた使えるようになった。
「前の出入り口部分に洗面所をおいて壁代わりにする案はイイわね」
「でしょ?」
現在脱衣所になっているのは、元々はお風呂場として使っていた場所だ。前の脱衣所の壁は完全に崩してしまったから、出入口部分が廊下に直接口を開いてる形になってて落ち着かなくなってたんだよね。
そこに使わなくなった引き戸を立て掛けて、気持ち目隠しをしたんだけどやっぱり微妙。アイラがレンガを積む予定だったんだけど、脱衣所に大型の洗面台を用意して補うことにしてみた。側面に洗濯物や着替えのカゴを置く場所と、タオルを仕舞う場所も作ったから、それなりに実用的……だといいな。
「まだ、鏡はつけられないけど、それは追々……」
「期待してるわ」
アイラは作業の疲れを癒やすため、ここで仮眠タイム。私はその間、新生浴室で初入浴を楽しんでからご飯の用意です。
お風呂でメニューを考えようっと♪
☆★☆タイル張りのお風呂☆★☆
足を伸ばせるゆったりサイズの湯船に足が汚れない床ユニット。
壁には緑系の色合いで趣のあるモザイクタイルを使用。
とうとう脱衣所との間に折り畳み戸も設置され、ゆったりと過ごせるくつろぎの空間になりました。
脱衣所には着替えや洗濯物、タオルなどを入れるカゴも完備。
洗面所の鏡は後日工事予定となっております。
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