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憩いの場を作りたい
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「レイちゃんー! お風呂入りたいー」
作ったばかりのパスタケース達と調味料入れを抱えていつもの部屋に戻ると、寝室から出てきたアイラが開口一番にそうのたまう。
「そんなにお風呂に入ってばっかりだと、ふやけちゃうよ?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。魔力の上限が増えるだけよー」
「ほんとに気をつけてね?」
「はいはーい! 了解です♪」
なんだか、全然分かってなさそうな返事が返ってきたのにため息を返しつつ、浴室を後にする。ああ、脱衣所にも”エリアライト”と”ホット”を掛けておかなくちゃ。
「そう言えば、雪原草全部使っちゃった」
脱衣所でゴソゴソとやり始める気配がするのを感じつつ、ふと、立ち止まってそうご報告。だって、また採ってきてもらわなくちゃいけない。
「結構あった気がするけど、何を作ったの~?」
「ふふふ。お昼ごはんのお楽しみです」
「もったいぶらなくっても、いつでもレイちゃんのご飯は楽しみだけどねぇ」
クスクス笑いとともに返された言葉に、満更でもない気分。
そんなに楽しみにしてくれているんだったら、気合を入れてご飯を作らないと。
「ご飯は何分後がいい?」
「一時間後で」
「了解」
……でも、その前にご飯を食べる部屋を整えたほうがいいかなぁ?
なにせ、最初に寝ていた穴を四角く掘り抜いた場所に机と椅子を置いただけの場所で、調理から食事まで――って状態だ。
正直なところ、憩いの場所というのには、かなり窮屈。
いっそ、また拡張工事をやっちゃいたい。
でも、憩いの場所の拡張は、流石に私の一存でって訳にはいかないか。
後で話し合って決めることにしよう。
大きな土鍋に、塩蔦の葉っぱを三枚ほど放り込んでお湯を沸かす。
そうそう、オイルウッドの枝も少し削っていれるのを忘れちゃいけない。個人的に、パスタを茹でる時点で油を入れておくと、絡みづらくなる気がするんだよね。
沸騰したお湯にパスタを放り込んだら、麺がくっついてしまわないようにたまにかき混ぜながらホットベリーの皮を刻む。
パスタの茹で加減を確認しつつ、中華鍋に削りいれたオイルウッドをホットベリーの皮と軽く炒めはじめる。パスタが茹で上がったら、一旦、”データストレージ”に突っ込んで煮汁を残して麺を中華鍋にジュワ!
麺にホットベリーの香りと辛味をつけた油を軽く絡めたタイミングで、お玉に半分の煮汁をゆっくりと麺の上から回しがけ。汁が油と馴染んでトロリと乳化したら、塩とゲイルベリーの種を砕いたもので味を整えて、ペペロンチーノの出来上がり♪
……ニンニクがないから、ちょっと一味足りないけど、コレはコレで美味しい。
出来上がったペペロンチーノは、中華鍋ごと”データストレージ”に一時収納。
これで、出来たてがいつでも食べられる。
アイラがお風呂を上がるのは、後、四十分後。
結構な時間があるし、”抽出”の実験がてら、パパっとお皿を作ってしまおう。
錬金室に戻って、一番大きな錬金釜に青土を満杯に詰め込む。
お風呂でやった時の感覚からすると、『一つのもの』だと認識できていれば、一度に”抽出”出来る範囲は割と広いように感じる。ただ感覚的に、壁とか床からの”抽出”は難しいとは思うんだけど……
片手を錬金釜に突っ込んで、冷気を”抽出”するために集中するとすぐに成果が現れた。触れている青土が黒っぽい色になって、ほんの僅かに温かさが感じられる。
錬金釜の脇をコロコロと転がりだした氷結晶を拾って、小さな土鍋に入れておく。
これで、氷結晶は十五個。とりあえず取って置いてるけど、なにかに使えるといいなぁ……
無事に青土がただの土になってくれたので、ソレを使ってお皿を作成。
まずは、ペペロンチーノを食べるためのパスタ皿。作ってみたら、五枚セットのものが出来上がったのは、材料が多すぎたから? ……もしかしたら、セットものを思い浮かべたせいかもしれない。
……土鍋も毎回蓋付きだったと思い出したのは、お昼寝直前のことだった。
器が揃ったところで、食事の用意を再開。
アイラと一緒に獲ったお肉の切り分け作業に取り掛かる。
”データストレージ”の中から可食部を”検索”しつつ、取り出してそれぞれの部位を薄めにそぎ切り。獲った鳥獣は九種類もいるし、それぞれの枚数は少なめに。
なんか、寄生虫とかの心配はないみたいで、どの肉も『生食可』の文字がきらめいている。生焼けでも食べられるというのは、多少なりとも安心だ。
残り体力の関係で出せるのは十種類。これは、フライパンで焼きながら食べようと思う。その方が、熱々で食べられるしね。
それにしても、”データストレージ”も”検索”先生も便利で素敵。
取り出そうとしたものを”検索”したら、用途ごとにフォルダー分けされているとか、メチャクチャ助かる。流石に、解体はしたことないからなぁ……
後で、仕分けされた毛皮や羽をどうするか、アイラと相談しよう。
作ったばかりのパスタケース達と調味料入れを抱えていつもの部屋に戻ると、寝室から出てきたアイラが開口一番にそうのたまう。
「そんなにお風呂に入ってばっかりだと、ふやけちゃうよ?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。魔力の上限が増えるだけよー」
「ほんとに気をつけてね?」
「はいはーい! 了解です♪」
なんだか、全然分かってなさそうな返事が返ってきたのにため息を返しつつ、浴室を後にする。ああ、脱衣所にも”エリアライト”と”ホット”を掛けておかなくちゃ。
「そう言えば、雪原草全部使っちゃった」
脱衣所でゴソゴソとやり始める気配がするのを感じつつ、ふと、立ち止まってそうご報告。だって、また採ってきてもらわなくちゃいけない。
「結構あった気がするけど、何を作ったの~?」
「ふふふ。お昼ごはんのお楽しみです」
「もったいぶらなくっても、いつでもレイちゃんのご飯は楽しみだけどねぇ」
クスクス笑いとともに返された言葉に、満更でもない気分。
そんなに楽しみにしてくれているんだったら、気合を入れてご飯を作らないと。
「ご飯は何分後がいい?」
「一時間後で」
「了解」
……でも、その前にご飯を食べる部屋を整えたほうがいいかなぁ?
なにせ、最初に寝ていた穴を四角く掘り抜いた場所に机と椅子を置いただけの場所で、調理から食事まで――って状態だ。
正直なところ、憩いの場所というのには、かなり窮屈。
いっそ、また拡張工事をやっちゃいたい。
でも、憩いの場所の拡張は、流石に私の一存でって訳にはいかないか。
後で話し合って決めることにしよう。
大きな土鍋に、塩蔦の葉っぱを三枚ほど放り込んでお湯を沸かす。
そうそう、オイルウッドの枝も少し削っていれるのを忘れちゃいけない。個人的に、パスタを茹でる時点で油を入れておくと、絡みづらくなる気がするんだよね。
沸騰したお湯にパスタを放り込んだら、麺がくっついてしまわないようにたまにかき混ぜながらホットベリーの皮を刻む。
パスタの茹で加減を確認しつつ、中華鍋に削りいれたオイルウッドをホットベリーの皮と軽く炒めはじめる。パスタが茹で上がったら、一旦、”データストレージ”に突っ込んで煮汁を残して麺を中華鍋にジュワ!
麺にホットベリーの香りと辛味をつけた油を軽く絡めたタイミングで、お玉に半分の煮汁をゆっくりと麺の上から回しがけ。汁が油と馴染んでトロリと乳化したら、塩とゲイルベリーの種を砕いたもので味を整えて、ペペロンチーノの出来上がり♪
……ニンニクがないから、ちょっと一味足りないけど、コレはコレで美味しい。
出来上がったペペロンチーノは、中華鍋ごと”データストレージ”に一時収納。
これで、出来たてがいつでも食べられる。
アイラがお風呂を上がるのは、後、四十分後。
結構な時間があるし、”抽出”の実験がてら、パパっとお皿を作ってしまおう。
錬金室に戻って、一番大きな錬金釜に青土を満杯に詰め込む。
お風呂でやった時の感覚からすると、『一つのもの』だと認識できていれば、一度に”抽出”出来る範囲は割と広いように感じる。ただ感覚的に、壁とか床からの”抽出”は難しいとは思うんだけど……
片手を錬金釜に突っ込んで、冷気を”抽出”するために集中するとすぐに成果が現れた。触れている青土が黒っぽい色になって、ほんの僅かに温かさが感じられる。
錬金釜の脇をコロコロと転がりだした氷結晶を拾って、小さな土鍋に入れておく。
これで、氷結晶は十五個。とりあえず取って置いてるけど、なにかに使えるといいなぁ……
無事に青土がただの土になってくれたので、ソレを使ってお皿を作成。
まずは、ペペロンチーノを食べるためのパスタ皿。作ってみたら、五枚セットのものが出来上がったのは、材料が多すぎたから? ……もしかしたら、セットものを思い浮かべたせいかもしれない。
……土鍋も毎回蓋付きだったと思い出したのは、お昼寝直前のことだった。
器が揃ったところで、食事の用意を再開。
アイラと一緒に獲ったお肉の切り分け作業に取り掛かる。
”データストレージ”の中から可食部を”検索”しつつ、取り出してそれぞれの部位を薄めにそぎ切り。獲った鳥獣は九種類もいるし、それぞれの枚数は少なめに。
なんか、寄生虫とかの心配はないみたいで、どの肉も『生食可』の文字がきらめいている。生焼けでも食べられるというのは、多少なりとも安心だ。
残り体力の関係で出せるのは十種類。これは、フライパンで焼きながら食べようと思う。その方が、熱々で食べられるしね。
それにしても、”データストレージ”も”検索”先生も便利で素敵。
取り出そうとしたものを”検索”したら、用途ごとにフォルダー分けされているとか、メチャクチャ助かる。流石に、解体はしたことないからなぁ……
後で、仕分けされた毛皮や羽をどうするか、アイラと相談しよう。
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