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三章 様々な形、様々な想い
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「君が彼に好きと伝えられないのは仕方がないのかもしれない。まだその時ではないのかもしれない。でもね?彼の気持ちを聞いてあげるのも大事だと思うよ?」
『君が本当に彼のことを好きだと想うなら、尚更彼の気持ちに寄り添ってあげないと。それがどんな結末であれ、このまま終わってしまってはいけない。素直な気持ちで彼と付き合ってあげるべきだと俺は思うよ…?』
好きな気持ち…このどうしようもない気持ち。
一方的に好きになって、一方的に一平を求めて…一平の本当の姿を知ったことで勝手にもう終わりだと思ってしまって…
いけない想いだと分かっているのに…一平の本当の形を壊してしまってはいけないと思うのに…俺はちゃんと一平の気持ちを知りたい、それがどんな答えだとしても受け入れたい。
まだ、一平とのこの関係を終わらせたくない。
「…俺…俺、あいつのこと何も知らないんです…あいつの想い…何も聞いてあげられてない…」
「なら、ちゃんと彼に会ってちゃんと話しをしてごらん?全てが罪なわけじゃない、救われることだってある。それを切り開いてあげるのは、君なのかもしれないよ?」
涙を流す俺の肩を優しく叩いてくれる彼。
今日この人に出会わなければ、俺はどうなっていたんだろう…どんなことを考えてどんな結末になってしまっていたんだろう。
そして、一平…ごめんな…
やっぱり俺は、お前のことが大好きだ…
溢れる涙とどうしようもない想いが枯れ果てるまで、隣に座る彼はずっと俺に寄り添っていてくれたんだ。
◇ ◇
──涙も収まり、気持ちも落ち着いた頃
「…本当にありがとうございました」
「少しでも力になれたなら良かったよ?」
自暴自棄になり、身体で心を満たせば何かが変わると考えてた俺に力をくれた彼。ただ、俺には一つ気になるところがあった。
「大好きな彼がいるのに、どうしてハッテン場に…?」
「ははっ!痛いところを突かれたな!…実は俺、札幌に住んでなくて、今日も出張でたまたまこっちに来てたんだ」
「へぇ…」
「それと大好きな彼は、この札幌にはいない。俺の住んでいる街にもいない…今は東京に住んでいて繋がり続けているってことなんだ」
『正直、君たちは会おうと思えば会えるかもしれないから、羨ましくて仕方がないよ?』
好きなのに、こんなにも会いたいのにすぐには会えない…連絡することでしか繋がっていられないこの関係。
逆に会おうと思えば会える俺たち。
距離を置いてしまったのは俺から。
一平にあと何回会えるのだろうと、そんなことを考えてしまうけれど、面と向かってちゃんと話も出来ず、終わってしまうほど悲しいことはないだろう。
だから、ちゃんと一平に会いたい。
お互いの気持ちをぶつけ合いたい。
そう、心に強い自信を持つことが出来たんだ。
「だから、ハッテン場に…?」
「ああ、今日の君と同じだ。寂しさや辛さは快楽で満たされれば放たれると思って時折来てみるけれど、やっぱり寂しさは紛れるわけがないんだよね?」
どんな形であれ、どんな想いであれ、寂しかったり苦しくなった時は誰かに縋りたい、癒されたい、助けて欲しいと心が叫ぶから、身体が勝手に行動するのかもしれない。
でも、心に残る『大切な人』『好きな人』の存在は癒される訳ではない。それを癒してくれるのは『大切な人』『好きな人』ということ。だから隣にいる彼に触れられそうになった時、一平に触れられたい、一平に包まれたい、癒されたいと想う気持ちが涙として流れ落ちたのだと思う。
「あなたに出会えて、俺は良かったです」
「俺も、君の力になれたようで良かったよ?」
彼のおかげで前に進む準備が出来た。
そんな彼の前で、俺はやっといつもの笑顔を取り戻すことが出来たんだ。
『君が本当に彼のことを好きだと想うなら、尚更彼の気持ちに寄り添ってあげないと。それがどんな結末であれ、このまま終わってしまってはいけない。素直な気持ちで彼と付き合ってあげるべきだと俺は思うよ…?』
好きな気持ち…このどうしようもない気持ち。
一方的に好きになって、一方的に一平を求めて…一平の本当の姿を知ったことで勝手にもう終わりだと思ってしまって…
いけない想いだと分かっているのに…一平の本当の形を壊してしまってはいけないと思うのに…俺はちゃんと一平の気持ちを知りたい、それがどんな答えだとしても受け入れたい。
まだ、一平とのこの関係を終わらせたくない。
「…俺…俺、あいつのこと何も知らないんです…あいつの想い…何も聞いてあげられてない…」
「なら、ちゃんと彼に会ってちゃんと話しをしてごらん?全てが罪なわけじゃない、救われることだってある。それを切り開いてあげるのは、君なのかもしれないよ?」
涙を流す俺の肩を優しく叩いてくれる彼。
今日この人に出会わなければ、俺はどうなっていたんだろう…どんなことを考えてどんな結末になってしまっていたんだろう。
そして、一平…ごめんな…
やっぱり俺は、お前のことが大好きだ…
溢れる涙とどうしようもない想いが枯れ果てるまで、隣に座る彼はずっと俺に寄り添っていてくれたんだ。
◇ ◇
──涙も収まり、気持ちも落ち着いた頃
「…本当にありがとうございました」
「少しでも力になれたなら良かったよ?」
自暴自棄になり、身体で心を満たせば何かが変わると考えてた俺に力をくれた彼。ただ、俺には一つ気になるところがあった。
「大好きな彼がいるのに、どうしてハッテン場に…?」
「ははっ!痛いところを突かれたな!…実は俺、札幌に住んでなくて、今日も出張でたまたまこっちに来てたんだ」
「へぇ…」
「それと大好きな彼は、この札幌にはいない。俺の住んでいる街にもいない…今は東京に住んでいて繋がり続けているってことなんだ」
『正直、君たちは会おうと思えば会えるかもしれないから、羨ましくて仕方がないよ?』
好きなのに、こんなにも会いたいのにすぐには会えない…連絡することでしか繋がっていられないこの関係。
逆に会おうと思えば会える俺たち。
距離を置いてしまったのは俺から。
一平にあと何回会えるのだろうと、そんなことを考えてしまうけれど、面と向かってちゃんと話も出来ず、終わってしまうほど悲しいことはないだろう。
だから、ちゃんと一平に会いたい。
お互いの気持ちをぶつけ合いたい。
そう、心に強い自信を持つことが出来たんだ。
「だから、ハッテン場に…?」
「ああ、今日の君と同じだ。寂しさや辛さは快楽で満たされれば放たれると思って時折来てみるけれど、やっぱり寂しさは紛れるわけがないんだよね?」
どんな形であれ、どんな想いであれ、寂しかったり苦しくなった時は誰かに縋りたい、癒されたい、助けて欲しいと心が叫ぶから、身体が勝手に行動するのかもしれない。
でも、心に残る『大切な人』『好きな人』の存在は癒される訳ではない。それを癒してくれるのは『大切な人』『好きな人』ということ。だから隣にいる彼に触れられそうになった時、一平に触れられたい、一平に包まれたい、癒されたいと想う気持ちが涙として流れ落ちたのだと思う。
「あなたに出会えて、俺は良かったです」
「俺も、君の力になれたようで良かったよ?」
彼のおかげで前に進む準備が出来た。
そんな彼の前で、俺はやっといつもの笑顔を取り戻すことが出来たんだ。
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