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この香りはまるで…
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──大勢の人混みの中、屋台を見て回る僕たち。
後で一緒に食べようと買った【たこ焼き】と【広島焼き】を大和が持ってくれている。
二人でキラキラと楽しく見て回る僕の目に、ある出店が飛び込んできたんだっ!
「大和っ!僕、あれは絶対に食べたい!」
僕が無邪気に指差した屋台は【チョコバナナ】と屋根に可愛く描かれた屋台だ。
あの、立派にしなったバナナにチョコが綺麗にコーティングされていて、その上にカラフルなチョコスプレーがかかったチョコバナナが僕は好きで好きで、もう堪らなかった。
…え、なに、エロいとか思ってないですよね…?ねぇ、皆さん??
「大和は食べるっ?」
「俺はいいや…」
なんだよ、連れないヤツぅ~!
食べたいって言っても絶対あげないから!
そんな事を思いながらも僕は人混みをくぐり抜け、屋台の中へと飛び込み、チョコバナナを一本だけ購入し、そして無事に大和の元へ戻り、僕は満面の笑みと共に小さな口で、チョコバナナの先っぽをパクッと一口、頬張ったんだ。
「んん~っ!これこれぇ!チョコが甘いのに、中のバナナのいい酸味…最高じゃんっ!」
あまりの美味しさに僕の頬は緩みに緩みまくり…そんな僕を大和は微笑みながら、そっと見守ってくれているようだったけれど、僕が二口目を食べようとしたその時…
僕の顔の前に大きなハリネズミが飛び込んできて、そのまま大和の口へとチョコバナナの二口目が運ばれていったんだ。
「や、大和っ!」
「うんうん、これはうめぇわ!」
だ、だから、もう一本買えば良かったんだよっ!なんで要らないとか言ったんだよっ…!絶対あげないって思ってたのにっ!!
僕はそんなことをちょっと拗ねながら考えていたけれど、大和のいつもの一言と仕草で僕の頬は一気に赤くなってしまう…
大和はチョコバナナを持った僕の手をそっと握りしめ…
「お前のものは俺のもの…だろ?」
嫌味のない笑顔でいつものセリフを言われているはずなのに…大和に握られたこの手が、温かさが、僕の気持ちを掻き乱していく…
そう…最近感じる、あのドキドキ感だ…
そのドキドキ感は自分でもどんどん大きくなってるのがよく分かる…
僕、本当はもっと大和に触れられたいのかな…?
そんな頬を赤くした僕に大和は、笑顔を見せつつも冷静に「早く食べないとチョコが溶けるぞ?」なんて言い放ってきて…
大和がこんな事をしなければ、溶ける前に食べ終わってたんだよ!
僕は大和から少しだけ目を逸らし、火照った顔と共に残りのチョコバナナを口いっぱいに頬張っていったんだ。
後で一緒に食べようと買った【たこ焼き】と【広島焼き】を大和が持ってくれている。
二人でキラキラと楽しく見て回る僕の目に、ある出店が飛び込んできたんだっ!
「大和っ!僕、あれは絶対に食べたい!」
僕が無邪気に指差した屋台は【チョコバナナ】と屋根に可愛く描かれた屋台だ。
あの、立派にしなったバナナにチョコが綺麗にコーティングされていて、その上にカラフルなチョコスプレーがかかったチョコバナナが僕は好きで好きで、もう堪らなかった。
…え、なに、エロいとか思ってないですよね…?ねぇ、皆さん??
「大和は食べるっ?」
「俺はいいや…」
なんだよ、連れないヤツぅ~!
食べたいって言っても絶対あげないから!
そんな事を思いながらも僕は人混みをくぐり抜け、屋台の中へと飛び込み、チョコバナナを一本だけ購入し、そして無事に大和の元へ戻り、僕は満面の笑みと共に小さな口で、チョコバナナの先っぽをパクッと一口、頬張ったんだ。
「んん~っ!これこれぇ!チョコが甘いのに、中のバナナのいい酸味…最高じゃんっ!」
あまりの美味しさに僕の頬は緩みに緩みまくり…そんな僕を大和は微笑みながら、そっと見守ってくれているようだったけれど、僕が二口目を食べようとしたその時…
僕の顔の前に大きなハリネズミが飛び込んできて、そのまま大和の口へとチョコバナナの二口目が運ばれていったんだ。
「や、大和っ!」
「うんうん、これはうめぇわ!」
だ、だから、もう一本買えば良かったんだよっ!なんで要らないとか言ったんだよっ…!絶対あげないって思ってたのにっ!!
僕はそんなことをちょっと拗ねながら考えていたけれど、大和のいつもの一言と仕草で僕の頬は一気に赤くなってしまう…
大和はチョコバナナを持った僕の手をそっと握りしめ…
「お前のものは俺のもの…だろ?」
嫌味のない笑顔でいつものセリフを言われているはずなのに…大和に握られたこの手が、温かさが、僕の気持ちを掻き乱していく…
そう…最近感じる、あのドキドキ感だ…
そのドキドキ感は自分でもどんどん大きくなってるのがよく分かる…
僕、本当はもっと大和に触れられたいのかな…?
そんな頬を赤くした僕に大和は、笑顔を見せつつも冷静に「早く食べないとチョコが溶けるぞ?」なんて言い放ってきて…
大和がこんな事をしなければ、溶ける前に食べ終わってたんだよ!
僕は大和から少しだけ目を逸らし、火照った顔と共に残りのチョコバナナを口いっぱいに頬張っていったんだ。
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