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どんな事があっても、お前は俺のもの
二人の居場所、俺はお前を離さない-1
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俺たちの番は見事に成立し、俺と裕翔は共に人生を歩んでいくパートナーとして、神様も認めてくれたんだ。
それでもまだまだ裕翔の事を全て知った訳では無いし、これからゆっくり、お互いを知り合っていければいいなと俺は思っていた。
まだ一つだけ…どうしても裕翔に言えていない事が俺にもあったからさ…?
そして、番を結んだ日以降…俺はまた、黒縁眼鏡を裕翔から奪って顔に掛け続けていたんだ。
「お前のものは俺のもの、そして眼鏡を掛けてなくても、裕翔は可愛いよ?」
そんな事を俺は吐き散らしていたけれど、黒縁眼鏡を掛けた裕翔は、やっぱり犯罪級に可愛すぎて、直視出来ないから奪い取っていただけで…
眼鏡を掛けられたら、可愛い裕翔を求めちゃいそうになるんだ。
はぁ…αもαでなかなか辛いもんなんだぜぇ…?
とか思いつつも二人で幸せを噛み締めながら楽しい日々は過ぎていき、四月を迎えようとしていたある日の事だ。
「裕翔、今日と明日はバイトあるのか?」
裕翔の家に泊まりに来ていた俺は、どうしても裕翔に伝えなければいけない【もう一つの真実】の為に動き出そうとしていたんだ。
「今日、明日…あっ!どっちも休みだよっ!」
バイトが休み、しかも二日も休みか…
なら、この機会を逃しちゃいけない。
いや、やっとこのタイミングが来たってことなんだ。
「そうか…なら……うちに来てみないか?」
そう、もう一つの真実…俺の家族の話だ。
今まで誰にも話そうとしなかった…
むしろ信じてる友達なんていなかったし、話してしまうとその事すら恨まれたり、妬まれたり…僻まれたりしてしまう気がして…
でも、番を結び、俺の大切な人となった裕翔…
それと、裕翔は両親の事を俺に教えてくれていたのに、俺だけが真実を明かさないという訳にもいかない。
ただ、裕翔も裕翔で俺からの提案に少しあたふたしている様子だ。
そりゃそうだ…このタイミングで急に実家に来て欲しいってのもビックリするよな?
それともう一つ…そうだ、父さんと母さんとの約束も果たさなければいけない。
『ちゃんと時が来たら紹介しなさい』…と。
「…両親に、裕翔のことを番を結んだ大切な人として…ちゃんと紹介したいんだよ…」
俺はハリネズミをわしゃわしゃとさせながら両親に紹介したいと裕翔に持ちかけたが、少しだけ浮かない表情の裕翔。
そりゃ急すぎるもんな…?
どうしようって顔になっても仕方ないさ…
「嫌なら無理にとは言わない…」
「んなっ!嫌なわけない!む、むしろ行きたい…!僕だって、大和のお父さんとお母さんにちゃんと挨拶したいもんっ!」
浮かない表情の裏には、ちゃんと挨拶をしたい気持ちと緊張や戸惑いが色々と入り交じっていたんだと、後々裕翔が教えてくれたんだ。
ちゃんと挨拶をしたいって言ってくれて、俺は正直に嬉しかったんだよ…?
裕翔の力の籠った返答に俺は、嬉しそうに微笑み返してあげて…
その後、俺たちは実家へ出向く用意を始めたんだ。
それでもまだまだ裕翔の事を全て知った訳では無いし、これからゆっくり、お互いを知り合っていければいいなと俺は思っていた。
まだ一つだけ…どうしても裕翔に言えていない事が俺にもあったからさ…?
そして、番を結んだ日以降…俺はまた、黒縁眼鏡を裕翔から奪って顔に掛け続けていたんだ。
「お前のものは俺のもの、そして眼鏡を掛けてなくても、裕翔は可愛いよ?」
そんな事を俺は吐き散らしていたけれど、黒縁眼鏡を掛けた裕翔は、やっぱり犯罪級に可愛すぎて、直視出来ないから奪い取っていただけで…
眼鏡を掛けられたら、可愛い裕翔を求めちゃいそうになるんだ。
はぁ…αもαでなかなか辛いもんなんだぜぇ…?
とか思いつつも二人で幸せを噛み締めながら楽しい日々は過ぎていき、四月を迎えようとしていたある日の事だ。
「裕翔、今日と明日はバイトあるのか?」
裕翔の家に泊まりに来ていた俺は、どうしても裕翔に伝えなければいけない【もう一つの真実】の為に動き出そうとしていたんだ。
「今日、明日…あっ!どっちも休みだよっ!」
バイトが休み、しかも二日も休みか…
なら、この機会を逃しちゃいけない。
いや、やっとこのタイミングが来たってことなんだ。
「そうか…なら……うちに来てみないか?」
そう、もう一つの真実…俺の家族の話だ。
今まで誰にも話そうとしなかった…
むしろ信じてる友達なんていなかったし、話してしまうとその事すら恨まれたり、妬まれたり…僻まれたりしてしまう気がして…
でも、番を結び、俺の大切な人となった裕翔…
それと、裕翔は両親の事を俺に教えてくれていたのに、俺だけが真実を明かさないという訳にもいかない。
ただ、裕翔も裕翔で俺からの提案に少しあたふたしている様子だ。
そりゃそうだ…このタイミングで急に実家に来て欲しいってのもビックリするよな?
それともう一つ…そうだ、父さんと母さんとの約束も果たさなければいけない。
『ちゃんと時が来たら紹介しなさい』…と。
「…両親に、裕翔のことを番を結んだ大切な人として…ちゃんと紹介したいんだよ…」
俺はハリネズミをわしゃわしゃとさせながら両親に紹介したいと裕翔に持ちかけたが、少しだけ浮かない表情の裕翔。
そりゃ急すぎるもんな…?
どうしようって顔になっても仕方ないさ…
「嫌なら無理にとは言わない…」
「んなっ!嫌なわけない!む、むしろ行きたい…!僕だって、大和のお父さんとお母さんにちゃんと挨拶したいもんっ!」
浮かない表情の裏には、ちゃんと挨拶をしたい気持ちと緊張や戸惑いが色々と入り交じっていたんだと、後々裕翔が教えてくれたんだ。
ちゃんと挨拶をしたいって言ってくれて、俺は正直に嬉しかったんだよ…?
裕翔の力の籠った返答に俺は、嬉しそうに微笑み返してあげて…
その後、俺たちは実家へ出向く用意を始めたんだ。
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