奥さまは魔王女

奏 隼人

文字の大きさ
上 下
90 / 105

未来を掴み取れ

しおりを挟む
優也は身を乗り出す…

「大丈夫なのですか…?お身体は…」

「おお…婿殿…みんな…この通り…元気だ…」

「でもどうして…何故こんなに急にお加減が良くなられたのですか?」

「うむ…ナギが…」

「ナギさんが?」

「…正確に言うとナギがご先祖…エクス様のお力を得て、ワシにそれは凄いレベルの治癒魔法をかけてくれたのじゃ…」

「なるほど…それで…」

ナギはみんなの前に出て頭を下げた。

「皆様、本当にご心配をおかけしました…」

「でも本当に良かったね!!ナギさん!!」

優也は笑顔でナギの顔を覗きこんだ…

ナギは一瞬、赤面したが優也の目を見て言った…

「ありがとう…優也さん…」



優也はハッと思い出した…

「そうだ…!!」

僕は頭の中のヴァルプルギスに向かって語りかけた…

「ヴァル…そう言えばさっき黒いオーラのことでいい考えが浮かんだようだったけど…」

「その通りじゃ…優也…

おそらくあの黒いオーラだけなら…不完全なガンマータでも十分に取り除けるぞよ…」

「ガンマータ?…ま、まさか…」

「そのまさかじゃ…あのチビっ子達に黒いオーラを吹き飛ばしてもらうのよ…」


「うふふふ…」

「わーい!!」



優也は無邪気に遊んでいる二人を眺めた…

「ミスとリルが…」

僕はティナを見つめた…ティナは僕の視線に気づいて側に歩み寄ってきた…

彼女はニコッと笑って

「あの子達なら大丈夫…貴方とヴァルさんに任せるわ…私達の未来はみんなで勝ち取りましょう…!」

僕はティナを抱きしめて深く頷いた…

「うん。また家族四人で笑い合えるように…」

「…コホン…優也よ…わらわも、そして…ここにいる全員が心を一つにするチーム…ファミリーのようなものじゃぞ!」

「分かってるよ…ヴァル…」

僕はみんな一人一人の顔を見回した…

「ようし、ミス、リル…魔法の練習をしよう!パパと一緒にな!」

「うん!!」

「わーい!パパと一緒だぁ!」

その時、アイが重々しく口を開いた…

「でも…魔法が通ったとはいえ、あの怪物を倒せるかな?」



すると…ソーディア王はアイを…いや、アイの瞳の中のパルテを見つめる…

「大丈夫じゃ…ワシに腹案がある…そのためにパルテ様はこの老いぼれを蘇らせたのじゃよ…」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

もういいです、離婚しましょう。

杉本凪咲
恋愛
愛する夫は、私ではない女性を抱いていた。 どうやら二人は半年前から関係を結んでいるらしい。 夫に愛想が尽きた私は離婚を告げる。

浮気をなかったことには致しません

杉本凪咲
恋愛
半年前、夫の動向に不信感を覚えた私は探偵を雇う。 その結果夫の浮気が暴かれるも、自身の命が短いことが判明して……

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

夫から国外追放を言い渡されました

杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。 どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。 抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。 そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……

旦那様に離縁をつきつけたら

cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。 仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。 突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。 我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。 ※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。 ※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。

旦那様、愛人を作ってもいいですか?

ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。 「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」 これ、旦那様から、初夜での言葉です。 んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと? ’18/10/21…おまけ小話追加

処理中です...