奥さまは魔王女

祭りだ！ワッショイ！

祈祷も無事に（？）終わり、ジュエラ王宮の…いわゆる『大リフォーム』の着工が始まったらしい…

数日経ったある日…ミラール王国からジュエラ王宮へ使いの者がやってきた。

用件は愛ちゃん…いや、アイ王女からミラール王国でお祭りと花火大会があるので、王族の方々をご招待するので来て欲しい…という言伝ことづてであった。



以前聞いたティナの話によると…

ミラール王国は日本の神道と深い関わりがあり、日本に仏教が伝来する以前の教えはミラールから伝わったものであったらしい。

ただ、その頃から人間界と魔界には隔たりがあったようで、 文献や記録には一切残されてはいない。古き日本のリーダー、卑弥呼も何らかの理由で人間界に来たミラール王国出身の魔法使いや祈祷師だと思えばしっくり来る。

神社があったり、建物の造りがどこか懐かしさを感じさせる…古き良き日本の伝統を持った国…それがミラール王国である。

ミラールのお祭りは日本のそれのように神殿の参道に屋台がでるらしい…



ミスとリルはそれを聞いて

「わーいわーい！ぼくはニーズヘッグすくいをするんだ！」

「あたしはね、ユグドラシルあめをかってもらうんだ…はなびもたのしみ！」

…魔界での金魚すくいと綿飴のようなものだろうか？



お義父さんとお義母さんも…

「よーしよーし！！リルくん。
じいじが店ごと買ってあげよう！はっはっは！」

「ミスちゃん。ばあばと綺麗な花火を見ましょうね！！」



嬉しそうな両親の様子を見ていたティナは…愛ちゃんの事があるからやめておこうと言えなくなり…

「あーん！！ダーリン…

ずっと私の側から離れないでね！！絶対だよ！！」




ミラールのお祭りが待ちどおしい我が家だったが…

この時はお祭りへの招待がミラール王国の罠だという事を全く知る由も無かった…