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ロミオとジュリエット⁉︎
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「ゴメンなさい…みんなにもう一つ謝らなくてはいけないことがあるの…」
ミドリは神妙な表情で頭を下げた…
コーチの思いがけない言葉に僕達は動揺を隠しきれない…
「コーチ…謝るとは一体どういう事ですか?」
僕は不安から直接コーチに疑問を投げかけた。
「実はね…私もアルタイルのコーチを辞める事にしたの…」
「ええええ…!!!」
「そ、そんな…!!!」
突然のミドリの言葉に僕達の頭の上にカミナリでも落ちたかのような衝撃が走った…
その中でミキだけは落ち着いた表情を浮かべている。
「ミキ…?ミキは知っていたの…?」
僕の言葉にミキは黙って頷いた。
「何となくだけどね…少し前に偶然コーチの通話を聞いちゃった事があったの…」
「そう…心配かけてゴメンなさいね…」
ミドリはミキを抱きしめた。
「べ、別に大丈夫ですよ…仕方ないし…」
ミキは涙を必死に堪えていた。
「コーチ…僕達が口を挟む問題ではないのは承知の上で伺いますが、一体何故…」
ミドリコーチは僕に向かって微笑んだ…
「…ずっと断っていたのだけれど、私…銀河スケート連盟の理事に就任することにしたの…」
「ええっ!凄いじゃないですか!おめでとうございます」僕は心からコーチを祝福した。
「ありがとう…今まではアルタイルのスケートサークルを何とかレベルアップしたいと思って頑張っていたから…
でもあなた達と出会ってようやく外からスケートを頑張っている人達をサポートしようという決心がついたの…あなた達のおかげよ…」
ノブが不安そうな表情で「じゃあ…アルタイルのコーチはどうなるんですか?」と訊くと
コーチから意外な返事が返ってきた…
「あら…いるじゃない!あなた達の前に…
素晴らしい情熱を持ったコーチが…」
「ま、まさか…」
「ダイスケ君!よろしくね…一流のコーディネートをお願いするわよ…」
「ジ、ジュンコーチが…アルタイルのコーチを…?」
ミドリはジュンを見つめて「そうよ…彼女以外に私の後を任せられる人はいないわ…
ただし!彼女はアルタイルのコーチに就任するにあたって条件があるそうよ…」
「…条件…?」
僕達が声を揃えて首を傾げるとミドリとジュンはニヤリと笑ってミヤを見つめた…
「えっ…?わ、私…?」
二人は揃って頷く…
「ジュンコーチはミヤさんと一緒じゃないとアルタイルには来られないそうだけど…
どうする…ミヤさん…」
ミヤはダイスケの顔を見つめた…
そして…二回、自分の気持ちを確かめるように頷く…
「私…」と彼女が言いかけた…その瞬間…
「ヤッター!ようこそ!ミヤさん…」
とノブが叫んだ。
ミキもミヤさんの顔を見つめて「あなたが近くにいるとますます闘志が湧いてくるわ…よろしく!」と声をかけた。
僕もリカと見つめ合って微笑んだ…
「ちょ、ちょっと待ってください!私…まだ何も…」
ジュンはまたニヤリと笑って
「あら…じゃあ止める…?残念だわ…」
「や、止めるなんて言ってません…」
「そうよねー!あなたが演じたのは〝真夏の夜の夢〟だったけど…
あなた…昨日の夜…ダイスケ君を見送っていた姿…まるで〝ロミオとジュリエット〟のワンシーンみたいだったわよ…」
「なっ…!」
「あれれ?ダイスケさん…
昨日…ミヤさんに会ってたんですか?」
「いや…あの…ち、ちょっと用があって…」
「ロミオとジュリエットって一体…?ちょっと検索してみます…?」
「わわわ…!!
け、検索しなくていいよ…何でもないから…!!」
「はあ…ホントにバカなんだから…」
ため息を吐くミキ…
僕の慌てぶりに部屋中が笑いに包まれた…
ミドリは神妙な表情で頭を下げた…
コーチの思いがけない言葉に僕達は動揺を隠しきれない…
「コーチ…謝るとは一体どういう事ですか?」
僕は不安から直接コーチに疑問を投げかけた。
「実はね…私もアルタイルのコーチを辞める事にしたの…」
「ええええ…!!!」
「そ、そんな…!!!」
突然のミドリの言葉に僕達の頭の上にカミナリでも落ちたかのような衝撃が走った…
その中でミキだけは落ち着いた表情を浮かべている。
「ミキ…?ミキは知っていたの…?」
僕の言葉にミキは黙って頷いた。
「何となくだけどね…少し前に偶然コーチの通話を聞いちゃった事があったの…」
「そう…心配かけてゴメンなさいね…」
ミドリはミキを抱きしめた。
「べ、別に大丈夫ですよ…仕方ないし…」
ミキは涙を必死に堪えていた。
「コーチ…僕達が口を挟む問題ではないのは承知の上で伺いますが、一体何故…」
ミドリコーチは僕に向かって微笑んだ…
「…ずっと断っていたのだけれど、私…銀河スケート連盟の理事に就任することにしたの…」
「ええっ!凄いじゃないですか!おめでとうございます」僕は心からコーチを祝福した。
「ありがとう…今まではアルタイルのスケートサークルを何とかレベルアップしたいと思って頑張っていたから…
でもあなた達と出会ってようやく外からスケートを頑張っている人達をサポートしようという決心がついたの…あなた達のおかげよ…」
ノブが不安そうな表情で「じゃあ…アルタイルのコーチはどうなるんですか?」と訊くと
コーチから意外な返事が返ってきた…
「あら…いるじゃない!あなた達の前に…
素晴らしい情熱を持ったコーチが…」
「ま、まさか…」
「ダイスケ君!よろしくね…一流のコーディネートをお願いするわよ…」
「ジ、ジュンコーチが…アルタイルのコーチを…?」
ミドリはジュンを見つめて「そうよ…彼女以外に私の後を任せられる人はいないわ…
ただし!彼女はアルタイルのコーチに就任するにあたって条件があるそうよ…」
「…条件…?」
僕達が声を揃えて首を傾げるとミドリとジュンはニヤリと笑ってミヤを見つめた…
「えっ…?わ、私…?」
二人は揃って頷く…
「ジュンコーチはミヤさんと一緒じゃないとアルタイルには来られないそうだけど…
どうする…ミヤさん…」
ミヤはダイスケの顔を見つめた…
そして…二回、自分の気持ちを確かめるように頷く…
「私…」と彼女が言いかけた…その瞬間…
「ヤッター!ようこそ!ミヤさん…」
とノブが叫んだ。
ミキもミヤさんの顔を見つめて「あなたが近くにいるとますます闘志が湧いてくるわ…よろしく!」と声をかけた。
僕もリカと見つめ合って微笑んだ…
「ちょ、ちょっと待ってください!私…まだ何も…」
ジュンはまたニヤリと笑って
「あら…じゃあ止める…?残念だわ…」
「や、止めるなんて言ってません…」
「そうよねー!あなたが演じたのは〝真夏の夜の夢〟だったけど…
あなた…昨日の夜…ダイスケ君を見送っていた姿…まるで〝ロミオとジュリエット〟のワンシーンみたいだったわよ…」
「なっ…!」
「あれれ?ダイスケさん…
昨日…ミヤさんに会ってたんですか?」
「いや…あの…ち、ちょっと用があって…」
「ロミオとジュリエットって一体…?ちょっと検索してみます…?」
「わわわ…!!
け、検索しなくていいよ…何でもないから…!!」
「はあ…ホントにバカなんだから…」
ため息を吐くミキ…
僕の慌てぶりに部屋中が笑いに包まれた…
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