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天使達に花束を

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「所長!!…ねぇ…所長さんってば!!」


「…えっ…ひょ、ひょっとして…わ、私…?」



「…ひょっとしなくても…アンタよ…

ボスが探偵業から足を洗うって言うから…

アタシも転職して…

夜の商売でもしようかと思ったら…

アンタが個人事務所を開くって言うじゃない!!



…そんなの放っとけないでしょ…!!」



「ね、ねぇ…ボスレーさん…

せめて所長は止めてサブリナって呼んでよ…」


「ダーメよ!!アタシはそういうトコをキッチリとやりたい性格なの…」


ふと時計に目を遣るサブリナ…


「あ、ああっ…もうこんな時間…

じゃあ…定時に連絡します!!

よろしくね…ボスレーさん…」


「あっ…ちょ、ちょっと…

…ったく…仕方ないわね…」



小さなため息を吐きながら…ニヤリと笑って

ボスレーは書類に目を通し始めた…








「ねえ…ちょっと…ちょっとぉ!!」


「もう!!一体なんですの…!!」


「アンタさあ…

お掃除ロボか何だか知らないけど…

少しはコッチも手伝ってよ…⁉︎



三人でやってたメイドの仕事が…

アンタと私の二人でやることになっただろ…⁉︎



洗濯もしなきゃいけないし…

ミスちゃんとリルくんのお世話もしないと…」



「あっ…そろそろ私…油を差さないとですの…」


「ケイティさん…ぼくがさしてあげるよ…」


「リル坊ちゃん!!

…ありがとうございますですの…」



「キーッ!!これじゃアベコベじゃん…⁉︎」



…ギャア…ギャア…ギャア…!!!






その様子を見て…優也とプラティナは笑い合う…













…ある休日の日…


…ピンポーン!!


プラティナは駆け足で玄関へ向かった。


「はあい!!…あら…⁉︎」


「こんにちは~!!」



マーブルの手にはホールのアップルパイのお皿が…



「まあ…とにかく…中へどうぞ…」


そこには…王女達が勢揃いしていた…




「あら…」

「みんな考えることは同じね…!!」

「なんや!!アンタも来たんかいな…」

「まあ…これじゃ食べ比べですわね…」




その時…プラティナがキッチンから運んできたのは…


「ゴメンなさい…丁度…私も…」


「あ…ウフフ…」







ピンポーン!!



「お、お邪魔します…!!!」


サブリナもお皿を抱えてリビングに入ってきた…






ミスとリルは沢山のお菓子を目の前にして…




「わーい!!アップルパイがたくさん!!」


「リル…いっしょにてをあらいにいきましょう…」






「さあ…優也様…私のを食べて感想を…」


「わ、私も一生懸命作りました…」



「ちょ…ちょっと待って…まずは…」


二人にお皿を差し出された優也はプラティナのお皿に手を伸ばした…


「………モグモグモグ…お…美味しい~!!」


「まあ…あなたったら…ウフフッ…」




「そ、そんなあ…」

「私達のも…食べて…ください…」




その時…


「いっただきまーす!!

パクッ…モグモグモグモグモグモグ…」


リルは二人のお皿のパイを一つずつ頬張った…




「…うーん…どっちもまだまだだね…

ママのをたべて…べんきょうしてね…

パパへのあいじょうはママがせかいいちだよ…」





……ギラン!!

……ギラン!!




サブリナとマーブルは睨み合いながら…

プラティナのお皿に手を伸ばす…


「パクッ!!」


「パクッ!!」




「こっ…これは…⁉︎」


「負けたわ…」





「そうかなあ…?

どちらもティナに負けないくらい美味しいよ…」


「えっ!!!!!」


「ホ、ホントですか…?」




「うん!!!!!」



両手に二人のパイをもって交互に食べる優也を見て

瞳を輝かせる二人…






…アハハハハハハハハハ…


優也のマンションの部屋からはずっと…

笑い声が聞こえていた…









奥さまは魔王女 3rd season ~天使達に花束を~                 

                    完
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