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ママはどこ?

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ジュエラ王宮のダイニングフロアーではゴルドと妃・シルヴァ…それからミスとリルが少し早めの昼食を摂っていた…



ふと…窓の外に目を遣るゴルド…


「はて…

起きた時は良い天気だと思ってたのじゃが…

それに…この時々起こる…地鳴りのような音…



もうゴーレムはおらんと言うのに…」



「あなた…ミスちゃんとリルくんが心配するじゃありませんか…」




「じいじ…なんかあったの…⁉︎」

絵本を胸に抱いたミスがゴルドの元へと歩み寄る。




「おお…これはスマン…

ワシも心配症になったわい!!

年をとった証拠かの⁉︎」



ゴルドは何故か先程のマーブルの表情を思い出して…小さなため息を漏らした…






その時…フロアに顔を見せたのは…優也だった…




「お義父さん…お義母さん…お早う御座います…

ミス…リル…おはよう!!」



「あっ!!パパだ!!わーい!!」

「パパ…おはよう!!」



リルは椅子から立ち上がると、優也の元へ駆け寄って飛びついた。

「おお…婿殿…お早う!!」

「少しはゆっくり出来ましたか…⁉︎」


「ええ…ありがとうございます!!」


「あれ…?

パパ…ママは…⁉︎」


「うん…実はパパも探してたんだ…

ここにいるんじゃないかと思ってたんだけどね…」



「いや…今朝はまだここには来とらんぞ…」


「そうですか…」


優也もふと窓の外を眺めて…


「なんか…不思議な空模様ですね…」
















「やあっ!!!」


頭上に挙げた掌の上で…

巨大になった水のたまをマーブルは思いっきり前方へと放り投げた…


…バッシャァァァァァン!!!!!



水の球は勢いよく弾け飛んで…中の黒い魚が飛び出て来た…


魚は激しく跳ねながら宙を登っていく…


そしてその姿を段々と変えていく…



頭には水牛のようなツノ…

ヒレは伸びて…細い腕のようになった。

そして身体の真ん中あたりから岩のような足が生えてきて…




巨大なそれは…魚というよりもまるで龍のような姿に生まれ変わった。




ギャギャギャギャギャギャギャ!!!!!!



咆哮…

そのあまりの轟音にプラティナ達は全員耳を押さえる…


「キャアァァァァァァァッ!!!!」

「す……凄い…!!」


「こ、こんなの…どうすればいいの…⁉︎」







咆哮はジュエラ王宮を揺らすほどの勢いだった…


「ブファッ!!!な、何じゃ…⁉︎何が起こったんじゃ…」


飲んでいたお茶を吹き出すゴルド…」


「あなた!!!!!」


「パパ!!!!!」


優也に駆け寄る子供達…


「だ、大丈夫だから…

テーブルの下に隠れて…ね!!」


「…うん…」「…はい!!」


バルコニーの方に駆け寄る優也…


鍵を開けて…

強い風の中、扉を開けると…


巨大な黒い召喚獣がこちらの方を睨んでいた…


「な……何だ…あれは……!!!」


後から続いたゴルドもそれを見て言葉を失う…


「あ………」







「……ヴァハムート…」


優也の側にヴァルプルギスが静かに姿を現した…


「…ヴァル…?」


「忘れ去られた…いにしえの召喚獣よ…

優也よ…今度ばかりはちと相手が悪いぞよ…」


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