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素性

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数日後…いつものようにプラティナ達が王宮から人間界に帰った後、サブリナ達はデスクのスピーカーの前に並んで立っていた…


「今日の定時連絡だが…そちらは変わりないかな?」

「はい…あれからマーブルという女からの優也様へのコンタクトは一切ありません…」

「そうか…実は彼女のことなんだが…

私の方での調査結果が出たのだ…」


「ボス…彼女は一体、何者なんですか…⁉︎

どうして優也様やプラティナ様を…」


「まあ…聞き給え…

君達の報告通り…彼女はギルドに所属しているまともな宝石商なのだが…

調べてみるととんでもない事が分かったのだ…

彼女の父親はフェイク卿だ…」


「フェイク卿と言うと…」


「そう…ジュエラの有力な貴族…だったと言った方が良いかもしれんな…

元々ジュエラの鉱山で採掘をする商社を営んでいて王族とも非常に近い存在…

故にゴルド大魔王様はフェイク卿の一人息子のイミテを婿に迎えてプラティナ王女と結婚させて王位を譲るつもりであった…

ところが、君達も御存知の通り…

プラティナ王女は人間界の優也殿と結婚し、子供を設けた…

我々…魔法使いの立場から考えるとジュエラの貴族が王位を継承する寸前で事もあろうか…人間の男に王女を奪われて結婚の話は破談となってしまった…

怒るのも仕方の無い話だとは思うのだが…」


ボスの話を黙って聞いていたサブリナは珍しくスピーカーに向かって…



「お言葉ですが…ボス…私がプラティナ様のお立場でも優也様を選んだと思います…

女性は…やっぱり自分を大切にしてくれる男《ひと》…一生添い遂げたい人を自分で選びたいものなのです…

あんな召喚獣を王宮の中で暴れさせ、ジュエラ、ソーディア、ミラールの三国の国民を恐怖のドン底に落とし入れた…あの男…イミテ!!

あんな男と結婚なんて…ブルブルッ…
絶対にイヤです…」


「コホン!!サブリナ…君の気持ちも分かるが…仕事に私情を持ち込まないでくれ給えよ…」


「は、はい…すみません…」


ボスに諫められたサブリナを見てケリーとクリスはニヤニヤ笑っている…


「な、何よ…アンタ達…」

「そうだよね…サブリナは彼とハダカの付き合いだからねぇ…」

「初めてのオ・ト・コ!!ウヒヒ…」


「そ、そんなんじゃないよ…もう!!知らない!!」

「お、怒らないでよ…冗談だからさぁ…」


ボスは続けた…

「…イミテによる所業に対してフェイク卿の爵位を取り消せという民意も少なくなかったが寛大なゴルド大魔王さまは責任の発端は自分にもある…と陰ながら彼をバックアップしておられるのだ…

そしてフェイク卿は屋敷を手放し、他の場所でひっそりと暮らしておられる…

娘に会社の…社長の座を譲って…」


「そういう事だったのね…

確かに可哀想だけど…でもそうなったのは息子の犯した罪のせい…自業自得でもあるわね…」


「でもこれでハッキリしたわ…

彼女は自分の一族の不幸が優也様とプラティナ様によって引き起こされたと思い込んで…

復讐をしようと企てているのだわ…」


サブリナは怒りを露わにした…

「そんなの逆恨みじゃない!!

…いいわ…どうしても優也様やプラティナ様に復讐しようというのなら私が…

天使は神の御言葉を伝える存在…

間違っている事には…

間違っていると教えてあげなきゃ…」


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