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マーブルの画策
しおりを挟む「何ですって⁉︎」
「聞き捨てならないわ…⁉︎」
プラティナとマーブルは鬼の形相でジーナへと迫る…
「アンタねぇ…ダーリンに馴れ馴れしいのよ…
この際、ハッキリと言っときますけど、私やダーリンがあなたとお付き合いしているのはね…
あなたが友好国であるバビロナの王女だからよ…
ダーリンは国王代理である私の夫よ!!
つまり彼が国王になると言ってくださるならすぐにでも即位式の準備をするわ!!
そんな身分の男性に不貞を働こうだなんて…
ク◯リでもキマってるのかと思っちゃうわ!!」
「ね、姉ちゃん…アンタの方がコンプライアンスに…」
「そうよ!!それに私の召喚獣に飲み込まれただなんて…なんて野蛮な!!
口の中に入れて守ってくれていることぐらい分からないの…⁉︎
私のぼうやに貴女だけ宇宙空間に放り出して貰おうかしら…⁉︎」
「お、おばちゃん…
アンタもコンプライアンスに…」
グワワワワワワ……
ヴァハムートが少しだけ口を開けたのか、前方に一部だけ景色が拡がった。
「きっと、あそこだわ…」
アイが指差したのはドーム状のガラスに所々備えつけられている小さな円形のブラインド状の通気口だった。
おそらくはガラスは何層構造にもなっており、ブラインド状の窓を開けても大気が漏れ出す事も無く外気温冷却で内部を快適に保っているのであろう…
プシュゥゥゥ!!!
エアーコンプレッサーの高い音が響き渡った数秒後…
ウィイン…
ブラインド状の通気口が開き…また数秒後に…
ウィイン…
元通りに閉まっていった。
「………。」
言葉を失う一行…
その沈黙を切り裂いたのはさっきから怒られっぱなしのジーナだった…
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってーな!!!
ウチにツッコンでる場合かいな…!!!
ホンマにアソコから中に入るんか⁉︎」
「そうですわよ…」
「ジョ、ジョーダンきついわ…
あんな直径1メートル位の幅の中にどうやってこの巨大魚が…」
…フフッ…
ガックリとうなだれたジーナの姿にマーブルはまた口角を上げた。
「…坊や。」
そう彼女が呟いた瞬間…
シュルルル……
「え、え、ええええええっ!!!」
そこにいるマーブル以外の魔女全ての驚きの悲鳴が上がった。
凝視していた例の通風口がみるみるうちに大きくなったのである…
ある者は手で口を覆い…
またある者はゴクリと息を呑んだ。
「…なるほどね。」
いち早く理解したのはやはりアイであった。
「通気口が大きくなったんじゃなくて…
小さくなったのよ…私達が。」
アイの種明かしにマーブルはニヤリと笑みを浮かべたが…
「でも…本当に大丈夫…⁉︎
小さくなった分…推進力が失われるし…
あまりこの辺でうろうろするのも…
警備に見つからないとも限らないわ。」
少し表情を曇らせながら続けるアイだったが、マーブルの笑みが失われることは無かった。
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