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到着

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「ん……んん……はっ!!」


ガバッッッッ!!


「やあ…お目覚めのようだね…アハハハ…」


「わ、私……なんてことを……

た、大変…失礼致しました……」



辺りを見回した後、自分の置かれている状況を何となく把握したユミルは優也すの膝の上で泣き疲れて眠っていたことを恥じて赤面した。



「全然構わないよ…

きっと…君達も色々大変だったんだね…

疲れていたんだよ…」



「王妃様にもお詫びを…

大変申し訳ございませんでした…!!」



退屈そうに窓の外を見ていたヴァルプルギスは一瞬…ユミルの方に向き直ると…



「フン……

優也の優しい性格は筋金入りじゃからの。

じゃが…構わぬぞ…

従者を大切にする主君こそ皆がついて参るものじゃ。

それに優也の心は我にあるものだと確信しておる…

ならば少々のことで騒ぎ立てるほうがわらわの品格を落としかねぬ故…」



「ご、ご理解頂けて本当に嬉しゅうございます…」


「フフッ……

それに優也に頭を撫でてもらって眠るそなたの顔…

まるで少女のような表情であったぞよ…」


「えっ……!!」




優也様が私の頭を……








「ヴァル…そんなこと言っちゃダメだよ…

ゴメンよ…気を悪くしないでね…」








ポーッ………


ポーッ………





ユミルは赤面し、ネザーは頬を赤らめながら…


二人とも憧れの眼差しで優也を眺めていた…











……な、何て方々なの……


私達は誘拐した挙句、無理矢理協力して下さいと無理難題を押しつけているにも関わらず…


まるで…

私達をご自分達の子供のように大切に…






…ああ……陛下…


……王妃様…



あなた方は生まれ変わられても…

ずっと私達を照らし続けてくださる光……


ううっ…




再びユミルの胸に熱い感情が湧き上がり…

大きな瞳から涙が溢れ出してしまうのを止めることが出来なかった。



ぽろぽろとこぼれ落ちる涙を優也に見せまいと両手で顔を覆ったユミル…




「ユミルさん…大丈夫…⁉︎」




「な、何でもありません…

お気になさらないで下さい…」






ピクッ!!!







コーッ…コーッ…コーッ……








「こ、この音は……」


「間違い無いわ…

浄化扇の起こす真空の渦の摩擦音…




到着したのよ……


私達の目的地……ヴァルハラに……」





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