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ギクッ!!

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ユミルはナイト老師がサブリナ達に明かした千年前の話を優也とヴァルプルギスに打ち明けた…





「そ、それじゃ…千年も前にその王子が月へ行ったってこと…⁉︎





「そうです…バビロナという地上の都市からエルフ族…そして精霊と呼ばれる種族の方々と一緒にヴァルハラに参られました…




私達…元々の月の民は最初は少し困惑しましたが、嘘偽りの無いその人柄…種族を超えた愛情とリーダーシップに王子のお話と彼らを受け入れることにしたのです。




それも…我が月の民の偉大な女王セレーネ…アルテミス様の広い御心があればこそでした。




「その女王がわらわの……」





「左様でございます……



そして…皆が認める偉大なリーダー同士が
お互いに認め合い…惹かれあって…

お二人が結ばれるのにそう時間はかかりませんでした…



女王は王子を伴侶と認め、王位と『アポロン王』という偉大なお名前を贈られました。




月の都……ヴァルハラはお二人によって多民族が仲良く暮らせる千年王国となったのです。」







「いい話じゃ…

めでたし、めでたし…じゃのう。


……千年程前はの。」







……ギクッ!!!







ヴァルプルギスの言葉にユミルとネザーの表情が一瞬にして固まった。


ニヤリと笑うワルプルギス…





「い、今でも…」


「嘘はよしたほうがいい…ユミル…

私達は協力をお願いしているのだから…

嘘をつく者を信用するなんて出来ない…」


「くっ……」





「ほう…なかなか分かっておるではないか…」




「お、王女様…

どうして私達の話に疑問をお持ちに…⁉︎」





「ああ…知れたことよ…



お主らが千年の前のことをまるで昨日、今日のように話しておる…

そして我々に頼るような困った事があると…


事情は聞かぬと分からんが…

一つだけ確かなことは…


お主らは…

この時代のものでは無いということじゃ…!」




 


「………!!!」





首をうな垂れ…諦めた表情でユミルは言葉を搾り出した…



「流石は聡明な王妃様…


仰る通りでございます。

私達はこの時代よりも千年程…

過去から参りました…


現代のヴァルハラを護るために…」




「ヴァルハラを……護る…⁉︎

一体…どういう事なんだ…?」




ユミルとネザーの表情は段々と暗いものへと変わっていく…



「逃げ出したのです…

私達の大切な王様と王妃様の命を奪った張本人が…」






「な、なんだって……⁉︎」






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