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魚と共に宇宙へ
しおりを挟むギャギャギャギャギャギャギャ!!!!!!
「ううっ……!!!」
木々の間から多くの鳥達が勢いよく飛び立つ…
思わず耳を手で塞ぎたくなるような大きくて鋭い咆哮に…
流石の『大魔王ゴルド』も後退りし…
世界最強の軍…ソーディアの総司令…
レーヴァも思わず腰の剣の柄を握りしめた…
そして多くの者が額の玉のような汗を拭う…
「ティナよ…
相変わらずマーブル嬢の召喚獣は凄いのう…
確かにワシらの出る幕は無さそうじゃの…」
プラティナはゴルドの驚嘆した顔にクスッと苦笑いした。
「では…お父様…行って参ります…」
「さあ…皆さん…どうぞ…」
「お、おじゃましまーす…」
……ポヨヨヨーン!!
ナギの作り出した5m立方体程の大きさの緑の球の中に皆が入った…
中は檜のような香りに包まれて…
「こ、これは凄いわ…!!!」
「癒されますわ…」
皆が球の中でそれぞれ腰を下ろすと…
「ルティーヤー…お願いね…」
マーブルの合図で
水牛のような…竜のような…
顔が球に近づいて来た…
「ヒイッ!!」
ジーナが飛び上がって驚いた様子に皆から笑い声が上がった。
巨大魚は細いけれど逞しい両腕で皆の入った緑の球を持ち上げるとガッチリとそれを掴んだ…
そして……
ブオォォォォォォォォ……
ゴゴゴゴゴゴゴ………!!!!!
真紅のヴァハムート……
以前のその姿に比べて一番の変化…
いや、進化というべきは2枚の背ビレがまるで鳥の翼のように拡がり…
左右の羽根の部分にジェットエンジンのようなものが付いている点である…
マーブル自身も『大切な坊や』の進化したその姿を初めて見て…一瞬で不安は払拭されたようである。
翼のジェットエンジンに火が入ると…
見送りの人々の顔が数秒で米粒のように小さくなり…
大地は丸みを帯びていき…
プラティナ達は青と白に輝く…
その…地球という星のあまりの美しさに目を奪われて言葉を失っていた…
数日前———
同じように青と白の美しさに心奪われている魔法使いがいた。
「おおおおお!!!!!
こりゃなかなか良い眺めじゃの……」
「う…うん…
あ、頭がクラクラする……ここは…」
「おお……優也……とうとう目覚めたか…」
「ヴァル……」
優也は隣に座っているヴァルプルギスと…
彼女の背後の窓に映る星空…
そして…
薄暗い車内と自分達が座っているビロード地のクッションの良い座席を見て…
一瞬、タクシーかハイヤーにでも乗って家路に就いたのかと勘違いしたのだが…
前を向いた次の瞬間……
「わわっ!!!」
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