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一千年前の出来事

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ジーニャとサブリナはナイト老師にここ数日に起こった優也に関する事を事細かく説明した…



「成程のう…ううむ…

ワシは優也に『そのうちに運命のほうからお主の心のドアをノックしにくるじゃろう』と確かに言うたが…


こんなにも早く…

またこんなにも突然にだとは夢にも思わなんだわい…」


いずれにしろ起こるであろう出来事だと今回の件を捉えていた老師の言葉に面くらう二人…


「で、では…老師様は…今回の首謀者の犯人におおよその見当がお有りだと仰るのですか…⁉︎」


「まあ…そうじゃな…

何を考えて優也を拐って行ったかまではわからんがのう…」


「ど、何処の誰なのですか…⁉︎
優也様を我々の元から拐って行ったのは…」


身を乗り出して話を聞き出そうとするサブリナに…


「こりゃ!!ちょっと落ち着かんか…嬢よ…

ふぅ……どこまで遡って話さにゃいかんかのう…」


老師は宙を見つめた…

そして…ゆっくりとした口調で語り始めた。









———今から丁度…一千年程、昔…



繁栄の絶頂期にあったバビロナ王朝は初めて魔法使いと他種族が幸せに暮らせる世の中を構築しようと試みていた…



風吹く丘に祝福の音楽が流れ…

魔法で舞い上がった花びらに小さな精霊達が舞う…

友好の証に銀細工の指輪を交換する者…

愛の言葉を唱え心と心を確かめ合う者…



世界が幸せで溢れ…全てが輝いていた…




しかし…




多様化を臨む世界の中には…


真逆の『支配する』という意思を持った者が現れて…


皆の夢は打ち砕かれ…血や涙が流れ出す…







『このまま…

夢が消えてしまってはいけない。』








指導者リーダー達は夢の舞台ステージ宇宙そらに移そうと考えた。






そして…夢は形を変えて…歩き始める…











まるで戯曲のような老師の話にジーニャもサブリナも更に呆気に取られていた…








そして…一方、ミラールの物質研究所では…


「王女様の仰った通りですね…

やはり未来眼で見透されたのですか…⁉︎」



「ええ…最初はビックリしたけれど幾つかのイメージが見えて…繋げていくと…それしか考えられないのよ…」





「美しいペンダント・トップは玄武岩をベースに斜長岩で彩りを持たせたもの…


そしてこのレゴリスと呼ばれる砂は酸素とガラス成分が融合した化合物でキラキラと輝く装飾品に仕上げてあるのですね…


落下したショックで表面の一部が壊れ、加工の圧着が剥がれて流れ出しているのです…




「そうね…これらが全て揃う場所と言えば…

もうあそこ以外には考えられないわね…」






ケリーとアイは研究所の巨大な窓ガラス越しに赤く輝く月を見上げていた。




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